モバイル端末やIoTセンサーといったエッジデバイスでの処理が重要視される一方、セキュリティの懸念も高まってきている。
こうしたなかネバダ大学の研究チームが、ブロックチェーンを用いてエッジノードでのデータ処理の信頼性を高める技術を発表した。
「DEAN」と呼ばれる同技術では、エッジノードにおける限られたリソース下で、パフォーマンスの低下を抑えてブロックチェーンの仕組みが導入できる。
制約のある条件下で機能するブロックチェーン技術
ブロックチェーンを用いたシステムは、ブロックの検証機能によりデータの改ざんに強くシステムの乗っ取りや障害に対して耐性があるとの特徴を持つ。
DEANはこうしたブロックチェーンの特徴を、エッジノードに実装しようとの試みだ。一般的に、エッジノードでは利用できるコンピューティングパワー、ストレージ容量、通信容量、電力といったリソースに制約がある。
こうした条件下でもDEANは、ノード、ブロック、トランザクションの各要素を利用し、安全な並列ブロック処理を可能にするとのこと。
パフォーマンスはEthereumの最大25倍
研究チームは、DEANをを実装したシステムのパフォーマンスを、Ethereum、Hyperledger Fabric、Parityで実装した3つのブロックチェーンシステムと比較し、その有効性を検証している。
結果、DEANによるシステムが、障害に対して最も高い回復力を示したとのこと。パフォーマンスの点でも、同システムが優れており、他のブロックチェーンシステムに比べ、1000ノードでスループットが最大25倍高くなり、レイテンシについても18分の1とのことが示された。
エッジノードにおいて、実用的な速度で動く堅牢なシステムが実装できるとなれば、将来的にモバイル決済やエッジデバイスによるデータ収集などで重宝されそうだ。
参照元:Trustworthy Edge Computing through Blockchains/ arXiv
- Original:https://techable.jp/archives/127391
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:YamadaYoji
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