パンデミックでほとんどの従業員が自宅で仕事をするようになる前も、営業担当者はほとんどオフィスの外で働いていた。Salesforce(セールスフォース)は米国時間6月25日、Trailheadx Conference(Salesforce主催の開発者向けカンファレンス)でSalesforce Anywhereという新しいツールを紹介した。チームメンバーがどこにいても共同作業やデータ共有ができるツールだ。
Salesforceの製品担当副社長であるMichael Machado(マイケル・マチャド)氏は、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大前から、どこからでも作業できるというテーマについて考えていたと述べた。「当社は、エンドユーザーにとってのモバイルエクスペリエンスが何なのかを考え抜いた。それは高度な独自性があり、なすべき仕事にしっかりと焦点を当て、ユーザーのニーズに応え、ユーザーエクスペリエンスをどう変革できるのかに最適化されている」とマチャド氏は説明した。
パンデミックが常態化し、デジタル技術による協業の重要性が高まるのを目の当たりにした同社にとって、上述したようなアプリは早急に実現すべきアイデアとなった。「新型コロナの出現により勢いがついた。市場を見渡してみると、大きな変革を求める顧客のニーズもそこにあるとわかった。当社はネイティブエクスペリエンスで顧客をサポートしたいと考えた」とマチャド氏は語った。
単なるデータベースとしての役割にとどまらず、個々の営業担当者の状況に基づき最も重要な情報を提供するという構想だ。「ユーザーが欲しい独自のアラートをリアルタイムで提供する。アラートは、ユーザーが使うSalesforceのリストやレポートがベースで、Salesforceのフィールド単位で提供される」と同氏は述べた。
従業員はチーム全体で情報を共有し、その情報に関してチャットできる。マチャド氏によると、他社製品にもチャットツールはあるが、Salesforceのツールはデータの共有に重点が置かれている。Slackや他のビジネスチャットツールのような汎用的なものではない。
Salesforceは、このツールがCRMでの作業の複雑さを解消する手段になるとみている。営業担当者がCRMツールへの顧客情報入力を好まないのは秘密でも何でもない。だからSalesforceは営業担当者が費やした時間を価値あるものにするために、入力された情報をうまく活用したいと考えている。データ入力作業のためだけにツールが存在するのではなく、営業に関する重要な情報を営業担当者が必要なときに利用できるなら、データ入力はもっと魅力的になるはずだ。また、共有した情報についてお互いにコミュニケーションできることは、もう1つの利点だ。
これにより、在宅勤務の労働者にとって重要性が増している新しいコラボレーションレイヤーが生まれる。新型コロナ前の状態に戻ったとしても、出張中の営業担当者はAnywhereでコラボレーションやコミュニケーションを行い、自分のタスクを管理できる。
新しいツールは2020年7月にベータ版で利用可能になる。同社は今年の第4四半期に一般に利用可能になると見込んでいる。
画像クレジット:Lilly Roadstones / Getty Images
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(翻訳:Mizoguchi)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/06/27/2020-06-25-salesforce-announces-a-new-mobile-collaboration-tool-for-sales-called-anywhere/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Ron Miller
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