Lemonade(レモネード)は7月15日、ペット保険を開始した。2016年に住宅所有者と賃貸人向けの保険を始めて以来、初めて新保険に参入する。
LemonadeのCEOであるDaniel Schreiber(ダニエル・シュライバー)氏が2月にTechCrunchに語った(未訳記事)ところによると、同社の住宅・賃貸人保険を保有する顧客の約70%はペットの所有者でもある。米国のペット所有者の1〜2%はペット保険に加入している。これは比較的単純なベン図(複数の集合の関係や、集合の範囲を視覚的に図式化したもの)だ。
Lemonadeのペット保険ではユーザーは月額12ドル(約1280円)の費用を負担する。既存の保険契約者が新しいペット保険を住宅・賃貸人保険と一緒に契約すると10%の割引が受けられる。保険は犬と猫の飼い主のみが利用できる。ほかのペットは対象外だ。
Lemonadeのウェブサイトによるとこの保険は、血液検査、尿検査、X線、MRI、検査、CTスキャン、超音波検査、外来、専門医、救急医療、さらに入院と手術も対象とする。注射や処方薬を含む薬物治療もカバーする。ペットの飼い主は、偶発的な交通事故や中毒などさまざまな病気の初期適用範囲を超えたより広い範囲を対象とする「事故・病気パッケージ」に加入することもできる。
Lemonadeのペット保険にはオプションでウェルネスパッケージも付属しており、毎年の健康診断、糸状虫検査、便検査、毎年の寄生虫検査、血液検査、最大3つのワクチンなどの日常的な項目に適用できる。またウェルネスパッケージには医療アドバイスチャットへのアクセスも用意されており、飼い主はペットを健康に保つための留意事項やヒントが得られる。
「ペットの健康保険は100年以上前までさかのぼる」とシュライバー氏は2月にTechCrunchに語った。「それはオランダの馬から始まった。そのペット保険の現代の姿は自動車保険だ。馬は輸送手段だった。保険の目的は輸送手段に何かが起こった場合に持ち主を保護することだった。しかし、ペットは今や家族の一員だ」
Fortune(フォーチューン)によると、米国人は2019年にペットに750億ドル(約8兆円)以上を使った。一般的な保険契約もかなり時代遅れになりつつあるが、法律上、数十年前に書かれた表現や条項を使用する義務がある。Lemonadeは、Policy 2.0(オープンソースであり、誰でも変更や提案ができる保険証券)を米国で始めようとしている。現在、Policy 2.0は欧州でのみ利用可能だが、これは保険の取り扱い方法の大きな変化を象徴している。業界の最大の問題の1つは、何が保険契約の対象で何が対象外か、保険契約者が単に知らないか、場合によってはわからないということだ。
Lemonadeは上場したばかりで、取引初日に株価は大きく上昇した。同社は株式公開に加え、Sequoia(セコイア)やAllianz(アリアンツ)などの機関投資家からも4億8000万ドル(約510億円)を調達し、世界中に382人の従業員を擁している。
米国では、同社のフルタイムの従業員の35%が有色人種、61%は女性だ。世界でも49%が女性だ。R&Dチームの4分の1、経営陣の33%が女性だ。8人で構成される取締役会では有色人種と女性が1人ずつを占める。
画像クレジット:Kimberly White / Getty Images
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(翻訳:Mizoguchi)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/07/17/2020-07-15-lemonade-launches-pet-insurance/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Jordan Crook
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