さまざまな興味深い新しいテクニックを駆使して(未訳記事)、天候の予測と天候関連の情報を提供しているClimaCellは米国時間7月28日、シリーズCで2300万ドル(約24億2000万円)を調達したことを発表した。このラウンドをリードしたのは新しい投資家であるPitango Growthと既存の投資家であるSquare Peg Capitalで、この新たなラウンドによりボストンとテルアビブにオフィスのある同社の総調達額は1億ドル(約105億円)を超えた。
ClimaCellの共同創業者でCEOのShimon Elkabetz(シモン・エルカベッツ)氏によると、このラウンドの話があったのは新型コロナウイルス(COVID-19)によるロックダウンが始まってからかなり後で、新しい投資家には個人的に会ったこともないという。パンデミックはClimaCellの旅行業界の顧客の多くに影響を与えているため、同社は最近、費用を下げ業務を拡張するために、いくつかの対策を講じた。しかしエルカベッツ氏が強調するのは、新たな資金を調達する必要はまったくなかったことだ。この新たなラウンドでは、投資家が同社にアプローチしてきた。
「積極的かつ慎重な努力により支出の節減と新たな有意義な新しい業務路線の創造を行なってきたが、資金を調達する必要は今はない。しかしこのような機会が訪れたからにはそれを前向きに迎えるべきであり、それによっていくつかの戦略的投資も可能になる」とエルカベッツ氏は説明する。
ビジネス環境が変わりつつある今では、同社は気象予報士でなくても事業者が事業に対するスマートな意思決定を支援するインテリジェントなプラットフォームとしてブランド化することに傾注している。ブランド化努力の中心は、同社のInsightサービスを強調することだ。このサービスを利用するとさまざまな業種の事業者が、同社の天候予測に基づいてスマートな意思決定をできるようになる。例えば建設企業の場合(ClimaCellリリース)は、嵐のときに現場の安全を確保し、風のためにいつクレーンの運転をやめるべきかを判断できる。またロジスティクス企業の場合は、豪雨のために作業を遅くすべきタイミングを見極めたりできるようになる(ClimaCellリリース)。つまりユーザーに単なる天気予報を提供するのではなく、同社のツールは行動方針の提案を行うのだ。
Pitango Growthの役員格ゼネラルパートナーであるAaron Mankovski(アーロン・マンコフスキー)氏は、本日の声明で次のように述べている。「世界のGDPの65%は天候に左右される。ClimaCellは天候の変化に反応するのではなく、変化に備えるアクションを提示し、その変化の意味や影響を教える唯一のSaaS企業だ。ClimaCellによりサプライチェーンやロジスティクス、鉄道、トラック輸送、船舶、オンデマンド、エネルギー、保険といった多様な企業にもたらされる機会は、既存の競争 を完全に覆すものであるだけでなく、同社が顧客の価値に極めて精密に照準を合わせられることの証でもある」。
エルカベッツ氏によると、今回の新しい資金はマーケティング努力の拡大と、このプラットフォームを支えている基礎部分の研究開発に向けたいという。このR&Dについて具体的な話はなかったが「近く発表できるだろう」とのことだ。
同社がもう1つ予見しているのは、一般向けモバイルアプリの早期のアップデートだ。一般向けアプリはClimaCellの主力ではないが、例えばレジャーのためのInsightのバージョンなど、使われているバックエンドの技術は同じだ。エルカベッツ氏によると、一般向けアプリはClimaCellブランドの知名度向上を助けるが、今後はそれ自身のビジネス利用も考えたい、という。
[原文へ]
(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/07/29/2020-07-28-climacell-raises-23m-series-c-for-its-weather-intelligence-platform/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Frederic Lardinois
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