「ロボット」という言葉が初めて登場したのは1920年のこと。チェコで上演された演劇「R.U.R」上で取り上げられたのだという。今年はロボットが世に出て100周年ということで、チェコではこれを記念した演劇プロジェクトが進行中だ。
カレル大学の研究者が中心となって進める「THEaiTRE」では、ロボットの書いた演劇の上演を目指している。初演は2021年1月と決まっており、これに向けた台本生成の取り組みが進められる。
台本生成はGPT-2で
台本生成には文章生成AI、GPT-2などが用いられるようだ。数行の文章を入力すると続きを生成してくれる同AIだが、これまで演劇に関するデータセットでトレーニングされたモデルはなかったという。
チームはWeb上や演劇データベースなどから英語/チェコ語の台本データを収集し、これをトレーニングデータとして用いる。その際必要な台本の要約などもAIで生成する計画。また、機械翻訳を利用して英語/チェコ語のデータを並行して扱うことでデータ量を補うとのこと。
階層ごとにテキストを生成
文章生成AIをそのまま使うと、同じ文章を繰り返したり登場人物の言動に一貫性がなかったり、といったことになる。こうした事態を避けるために、チームは階層的な生成を行うようだ。この手法では、まずタイトルや要約を生成し、これをもとに背景や設定などの詳細を、段階的に生成していくのだという。
登場人物の生成は最終段階になるが、その言動に一貫性を持たせるために、キャラタイプによって個別のモデルを作成することを計画している。
台本制作の大部分をロボットが担う演劇は前代未聞。演じるのはロボットではなくプロの役者とのことで、ロボットと人間のコラボレーションがどんなものになるかが楽しみだ。
参照元:THEaiTRE
THEaiTRE: Artificial Intelligence to Write a Theatre Play/ arXiv
- Original:https://techable.jp/archives/133620
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:YamadaYoji
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