アップルの時価総額が2兆ドルの大台に

株式市場全般が壊滅的な影響を受けている(Investopedia記事)ことが、かえってアップルの時価総額を新記録にまで押し上げることになった。8月20日朝の時間内取引でFAAMGの一員である同社の時価総額が一瞬2兆ドル(212兆円)を記録した。ただしその後下落して大台をわずかに割っている(Yahoo!ファイナンス記事)。

アップルの株価は2020年に入って59%も上昇した。最近の四半期決算(アップルリリース)によれば収入は対前年度11%という控えめな伸びだった。同期の一株あたり利益は18%アップとずっと良好な数字ではあるが株価の上昇に比べればはるかに小さい。

新型コロナウイルスによるパンデミックの初期に世界中で厳しい措置が取られたため、株式市場は急激な下落を示した。しかしテクノロジー企業の多くはその後株価を大きく戻している。世界経済が常態に復帰したとき、テクノロジー企業が占める位置は現在よりもはるかに強力になっているだろうというのが投資家の全般的な期待のようだ。この期待はアップルのようなデジタルサービスビジネス(未訳記事)において特に強い。

今年、テクノロジー分野の株価は軒並み新高値をつけており、最近のNasdaq総合指数は1万1000ポイント(ドル)台という高い水準だ。

3年前に、FAAMG(Facebook、Apple、Amazon、 Microsoft、Alphabet)などと呼ばれる大型テクノロジー企業の時価総額は合計3兆ドル(318兆円)前後だった。これは当時大ニュースだった(Crunchbase記事)。ところが現在ではアップルとマイクロソフトの2社の時価総額合計が3.6兆ドル(382兆円)だ。

巨大テクノロジー企業の株価上昇はこの10年間話題となってきたし、この一年の最大の話題でもある。テクノロジー企業群の株価を決めるのは投資家の判断によるものではあるが、この株価水準は行き過ぎではないか(未訳記事)という警告のサインはいたるところに見出される。

しかし多くのスタートアップにとっては大変いいニュースだ。投資家一般が興奮して公開株が上がれば非公開株の価値も上がる。投資家の熱狂は株式上場に追い風となり企業買収も活発となる。アップルは今やギリシャ神話に出てくる大富豪であるクローサスも恥じるほどの巨額の資金を溜め込んでいる。つまりスタートアップは次の資金調達ラウンドで時価評価額を好きなように決めることができるだろう。

画像:Bryce Durbin/TechCrunch

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(翻訳:滑川海彦@Facebook


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