詐欺疑惑渦中の電気自動車メーカーNikola会長が辞任、株価は暴落

電気貨物自動車のスタートアップ、Nikola Corp.のファウンダーで取締役会長のTrevor Milton(トレバー・ミルトン)氏が辞任した。これは著名な空売り投資機関が同社に詐欺の疑いがあると発表したことに端を発する一連の動きの中で起きた。ミルトン氏の後任にはすでにNikolaの取締役であるGM(ゼネラルモーターズ)出身のStephen Girsky(スティーヴン・ガースキー)氏が就任している。

Nikolaの株価は市場開始前の取引で30%下落し、現在25ドル前後で取引されている。この数カ月、同社の株価は乱高下を続けており、高値は79ドルにもなっていた。

ミルトン氏はTwitter(ツイッター)で「重要なのは世界を変える可能性のあるこの会社の使命であり、私自身ではない。外野席から私に向けられた非難に対し個人として身を守る」と述べた。

2020年9月に入り、空売り投資家のHindenburg Researchは「Nikolaは投資家を誤らせる情報を発表していた」とするレポートを発表していた。Nikolaはこの主張を否定している。

NikolaはHindenburgのレポートに対して「空売り投資家によるこれらの非難は事実に反しており、誤解を招くものだ。(このレポートは)ニコラの株価を下げることによって空売りによる利益を挙げようとした不当な誘導策である」と反論した。

このレポートは、NikolaがGMと大きな取引を行った直後に発表された。Nikolaの最初の電気トラックのリリースに当たってテクノロジーとマーケティングにおける支援と引き換えにGMに所有権の11%に当たる株式を与えることに合意していた。一般向け、事業者向けともに電気トラック市場は自動車メーカーが激戦を繰り広げるようになっていた。

市場では多数のイノベーションが予測されており、既存の大メーカーは有望なスタートアップと提携することで参入に要する時間の短縮を図っていた。消費者向けトラック市場のリーダーであるフォードはミシガン州のスタートアップであるRivianと契約している。最近、GMがNikolaと提携を発表した際、投資家は賢明な動きとして歓迎していた。しかしHindenburgのレポートの発表後、この契約が賢明であったか疑問が持たれている。GMの電気ピックアップトラックの将来も不透明なままだ。

【Japan編集部追記】ミルトン会長が逮捕されたという情報が流れたが、Yahoo Financeの編集委員であるBrian Sozzi(ブライアン・ソッツィ)氏は「逮捕されていない」とツイートしている。

関連記事
電気自動車メーカーNikolaに対する空売りのクレームを米証券取引委員会が調査中
GMが電気トラック開発のNikolaに2120億円出資、生産でも提携

カテゴリー:モビリティ

タグ:Nikola 電気自動車

画像クレジット:Nikola

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook


Amazonベストセラー

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA