スマート水田サービス「paditch(パディッチ)」を開発・提供する株式会社笑農和は、シリーズAラウンドにて、株式会社Monozukuri Venturesと三井住友海上キャピタル株式会社およびスカイランドベンチャーズ株式会社を引受先とした第三者割当増資による1億円の資金調達を実施。
これにより、累計調達額は1.7億円となった。
今回の資金は、従来のサービス「paditch gate02+」のデータを活用した栽培営農指導の強化と、遠隔で田んぼのダム化が可能な排水バルブ「paditch drain 01」の開発に充てられるようだ。
水管理をスマート化
同社が提供中の「paditch gate02+」は、スマートフォンやPCから水位水温を把握でき、遠隔で水門や給水栓の開閉操作ができるシステム。
水位調整機能を使ったり、あらかじめ水位や時間を設定したりすることで、田んぼの水管理を遠隔で行うことが可能となるという。
機能として、一括開閉や個別開閉、エリア開閉、減水・詰まりのアラートなどを備えている。また、クラウド上で作業データを蓄積できるため、収量や収益比較にも役立つようだ。
同社は「paditch gate02+」のノウハウをベースとして、既存のバルブにあと付け可能な「paditch valve 01」も開発。
これは、老舗バルブメーカーであるマサル工業製の農業用給水栓「MH型フィールドバルブ」に取り付けるだけでバルブをスマート化できるというものだ。
省力化のほかにもこんな効果が……
このように、同社は水管理を中心とした水田向けスマート農業サービス「paditch」を開発・提供中。その背景には、農業業界にのしかかる高齢化や担い手不足、耕作放棄地の増加や異常気象といった課題があるようだ。
笑農和はこれらの問題を解決するためにIT・IoT・AI・ロボットなどを活用し、省力化や各農家の耕地面積の拡大と収量増加などを実現する富山発の次世代農業を築こうとしている。
2020年11月現在、全国490か所に導入されている「paditch」は、水管理の労力を80%削減したという実証結果を残しているという(農研機構の実証)。また、稲の収量・品質の向上にも貢献しているようだ。
そして、悪天候時にわざわざ水門・給水栓の調整をしにいく必要がないため、農作業事故の防止にもつながっているとのこと。
- Original:https://techable.jp/archives/141739
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口
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