「データプライバシーデー」の1月28日、Appleは、新バージョンのiOS14、iPadOS14、tvOS14でアプリやWebサイトがユーザーを追跡する際にユーザーの許可が必要となるプライバシー機能「App Tracking Transparency(アプリケーションのトラッキング申告)」を今春から導入すると発表しました。
ユーザーの追跡には許可が必要
Appleが発表した「App Tracking Transparency(アプリケーションのトラッキング申告)」の導入により、Apple以外の企業がアプリやWebサイトを通じてユーザーのデータを追跡する場合、事前にユーザーの許可が必要となります。
Appleが公開したスクリーンショットでは、「Facebookが、他社のアプリケーションやWebサイトを通じてあなたの行動を追跡することを許可しますか?」という質問に対して「許可しない」「許可」の選択肢が表示されています。
Appleは、「アプリケーションのトラッキング申告」を2020年9月に提供開始する予定でしたが、アプリ開発者らに準備期間を提供するために開始を遅らせていました。なお、一部のアプリでは2020年末から同機能による表示が出ることが確認されています。
Facebookなどが不満を表明
「アプリケーションのトラッキング申告」の導入により、企業がユーザーを追跡して広告を表示するためには、ユーザーの許可を得る必要があります。
この仕組みについてFacebookは「Appleからの攻撃だ」と警戒感をあらわにし、有力紙に全面広告を出してアピールしたほか、Appleの方針を批判するメールをビジネスユーザーに送信して不満を表明しています。
最近では、GoogleがユーザーをトラッキングするためのIDを使用しない方針を発表しました。
何気ない休日、企業に行動を追跡・収集される親子のストーリー
Appleは、多くのアプリやWebサイトを通じてユーザーのデータが追跡されていることと、Apple製品では追跡の状況を透明化できることをイラスト入りで示した「A Day in the Life of Your Data」も公開しています。
「A Day in the Life of Your Data」では、ジョンさんが7歳の娘と一緒に公園に出かけた休日の行動を通じて、居住地域、訪問先、興味を持ったニュースや製品、視聴した広告、購買行動といった多くの情報が収集されてしまうことが解説されています。
Appleは、iPhoneなどのSafariやマップなどのアプリには、そういった追跡をブロックするか、ユーザーが拒否できる仕組みが組み込まれていることを紹介しています。
App Storeにはプライバシーラベルが登場
Appleによると、多くのアプリにはユーザーの行動を追跡するトラッカーと呼ばれる機能が平均して6つ組み込まれており、トラッカーによって収集されたデータがまとめられて、関連業界に年間2,270億ドル(約23兆6,700億円)の収益をもたらしているそうです。
2020年12月から、iOS14とiPadOS14のApp Storeに各アプリがユーザーのデータをどう取り扱うかを食品の栄養表示のように示した「プライバシーラベル」が追加されています。
Source:Apple
(hato)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-344048/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania
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