Facebook、Appleを独占禁止法で提訴する準備か

Facebook Apple ロゴ
 
いよいよGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)同士での“仲間割れ”が始まるのでしょうか。独占禁止法(反トラスト法)に抵触しているとして、FacebookAppleに対して訴訟を検討しているとの観測が浮上しています。

Appleの例外を問題視

ニュースサイトThe Informationによると、Facebookが独占禁止法でAppleに対して訴訟を起こす準備を整えているそうです。デベロッパーにはApp Storeのルールを強制する一方で、Apple自身のアプリは例外となっているため、Facebookは不利な競争を強いられていると主張してきました。
 
Appleは2021年春より、アプリのトラッキング(ユーザーの位置情報などを追跡する)許可を尋ねる機能をiOS14で実装する予定です。これによって多くのユーザーがトラッキング機能をオプトアウト(拒否)すると考えられるため、個々のユーザーに最適化された広告を提示するターゲティング広告企業は大きな打撃を受けると予想されています。しかし、Apple自身の公式アプリは対象となっていません。
 
また関係者によると、Facebookは今回の訴訟でアプリ内課金でAppleを通さなければならないことについても問題にするようです。これまでにもApp Store以外でのアプリ配布を認めず、売上の30%を手数料として徴収する“Apple税”が、Epic GamesSpotifyなどから独占禁止法に抵触しているとして批判されてきました。

Facebookも市場独占が指摘されている

ここ最近、両社の関係は目に見えて悪化しており、先日もマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)がAppleを「最大の競争相手だ」と批判した翌日に、ティム・クックCEOがFacebookのようなSNSビジネスが陰謀論の先鋭化や暴力を生んでいるとやり返す場面がありました。
 
ただし事情をよく知る関係者の間では、FacebookがAppleに対して大型訴訟を仕掛けることに対して冷めた見方をする従業員も一部存在するようです。確かにFacebook自身も2020年12月に米連邦取引委員会(FTC)から独占禁止法で提訴されているほか、以前からユーザーデータの扱いが問題視されており、脛に傷を持つテック企業であることに違いはありません。
 
GAFAに対する訴訟だけでなく、GAFA同士での訴訟合戦が始まるとなると、世間が“縄張り争い”と見るのは避けられそうもなく、いよいよテック企業による市場独占のあり方が本格的に問題視されることとなりそうです。
 
 
Source:The Information via iPhone in Canada,日本経済新聞
(kihachi)


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