楽天も利用するECフルフィルメントの仏Cubynが欧州での事業拡大のために45.4億円を調達

パリを拠点とし、EC業者がフルフィルメントやロジスティクスをアウトソースできるようにする物流スタートアップのCubynは、新たに3500万ユーロ(約45億4000万円)の資金を調達した。

今回のラウンドはEurazeoとBpifrance Large Ventureが主導し、First Bridge VenturesとFuse Venture Partnersが参加した。既存投資家のDN Capital、360 Capital、Bpifrance Smart Cities fund、そしてBNP Paribas Développementもフォローオン投資を行った。

Cubynはこの資金調達により、2021年末までに85人のチームを170人以上に倍増させ、より国際的にサービスを展開していくという。まずはスペインとポルトガル(来月サービス開始)、続いてイタリア、英国、ドイツと展開していく予定だ。

印象的なのは、コストと配送時間の削減を目指して、今後数カ月のうちにパリ地区に2万5000平方メートルの「オートメーション化された」施設を開設することだ。

Cubynはもともと集配のみを行っていたが、1年半前、シリーズBで1200万ユーロ(約15億6000万円)の資金を調達した直後に「Cubyn Fulfilment」を立ち上げ、フルフィルメントにも参入した。

当時、「Cubynの倉庫に在庫を置くことも含め、フルフィルメントの全工程をカバーする完全な統合ソリューション」と説明されていたこの動きは、最近のパンデミックだけでなく、継続的なD2Cやマーケットプレイスのトレンドに促されたECブームを背景に、同社の成長を後押しした。例えばBack Market、楽天、Mirakl、FnacなどのマーケットプレイスがCubynを利用している。

その独自技術はマーチャントのロジスティクスを効率化することを目的としており、「ウェブアプリから、アルゴリズムや倉庫ロボティクスによる高度な最適化まで」とCubynはうたっている。その結果、完全に統合されたフルフィルメントソリューションを、業界標準の数分の一のコストで運用できるとしている。これにより、同社は流通取引総額(gross merchandise value、GMV)を3000万ユーロ(約39億円)から2020年には2億5,000万ユーロ(約324億5000万円)まで成長させている。

Cubynの共同創業者兼CEOであるAdrien Fernandez-Baca(アドリアン・フェルナンデス=バカ)氏はこう述べている。「Cubynは、従来のeコマースのサードパーティロジスティクス市場を根底からディスラプトし、より優れた、より速い、国境を越えたサービスを30%低い価格で提供しています。また、マーチャントの皆様には、新たな収益源を提供するだけでなく、国際的な展開により新たな市場を開拓するとともに、コストや配送速度の面で他の選択肢をはるかに凌駕しています」。

Bpifrance Large Venture FundのAntoine Izsak(アントワーヌ・イザーク)氏はこう述べた。「新型コロナウイルスは、信頼性、拡張性、技術力に優れたフルフィルメントソリューションを求めるマーチャントのニーズを加速させまし。Cubynと協力して、今後数ヶ月のうちにヨーロッパ全域でビジネスを拡大できることを楽しみにしています」。

フェルナンデス=バカ氏は次のように付け加えた。「現在、当社の出荷の85%はフランス国内、15%は国際配送です。今回の資金調達により、この比率は半々になると予測されます」。

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カテゴリー:その他
タグ:物流 資金調達

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(文:Steve O’Hear、翻訳:Aya Nakazato)


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