Appleの新プライバシー方針の敵はFacebookではなく中国企業だった

Apple プライバシー
 
Appleがこの春から導入する「App Tracking Transparency(アプリケーションのトラッキング申告)」では、Apple以外の企業がアプリやWebサイトを通じてユーザーのデータを追跡する場合、事前にユーザーの許可が必要となります。
 
ところが中国のアプリ開発企業が、新プライバシー方針を回避すべく、様々な手を講じていることがわかりました。

Facebookよりも中国企業のほうが厄介

Appleの新プライバシー方針については、ユーザー向け広告で大きな収益を上げているFacebookが強く異を唱えていました
 
しかしFinancial Timesによると、Facebookよりも中国企業のほうが、Appleにとっては厄介な存在のようです。

中国政府支援の組織がツールを開発

同メディアによると、Appleは現地時間3月18日、少なくとも2社の中国アプリ開発企業に対し、「ユーザーのデバイスに対しユニークIDを生成する」ために利用される「setDeviceName」などのパラメータの使用を取りやめるよう、警告したとのことです。
 
そのうちの1社は、ユーザーを識別するために「CAID」と呼ばれるツールを用いていました。これは中国の主要企業がメンバーとなっており、国の支援も受けているChina Advertising Association(CAA)が開発したものです。
 
このツールは個々のユーザーを識別するIDを作成するもので、個人のトラッキングや情報収集を可能とするため、Appleの新ポリシーに反します。

Appleと中国企業のいたちごっこが始まる

しかしBaidu、ByteDance、Tencentなどを含む中国企業は、CAIDをアプリに実装するためテストを重ねていると、Financial Timesは報じています。
 
たとえばByteDanceは、CAID1およびCAID2を発行するソフトウェア開発者キット(SDK)の使用をアプリ開発者に推奨しています。この2つのIDは、一方はユーザーのIPアドレス、もう一方はスマホのIMEIに基づいており、こうしたIDの使用をAppleは認めていません。
 
専門家らは中国のアプリ開発企業はこれらのIDだけでなく「さまざまな方法」を駆使して、Appleの監視の目をかいくぐろうとするのは確実で、今後はAppleとのいたちごっこが展開されると見ています。

 
 
Source:Financial Times via MacRumors
(lunatic)


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