プロダクトアナリティクスの専門家でなくても、分析ダッシュボードやレポートの作成が容易にできるようにしたいと考えている新しいスタートアップJuneをご紹介しよう。Juneは、Segmentデータの上に構築されている。多くのノーコードスタートアップと同様に、技術者でなくても使い始められるように、テンプレートとグラフィカルインターフェースを使用している。
共同創業者兼CEOのEnzo Avigo(エンゾ・アビゴ)氏は「現在行っているのはインスタントアナリティクスであり、そのためにSegmentの上に構築しています」と筆者に話してくれた。「それでデータへのアクセスがより迅速になります」。
Segmentは、アナリティクスのためのデータ収集とデータ保存の役割を果たす。その後、Juneでデータを操作することができる。Juneはいずれは、データソースの多様化を計画している。
「当社の長期的なビジョンは、アナリティクス分野のAirtableになることです」とアビゴ氏は語る。
Airtableをご存知の方なら、Juneは見慣れた感じがするかもしれない。同社は、ユーザーがすぐ使い始めるのに役立つテンプレートライブラリを構築している。例えばJuneでは、ユーザーリテンション、アクティブユーザー、顧客獲得ファネル、エンゲージメント、機能の使用状況などを追跡・把握することができる。
テンプレートを選んだら、データソースとテンプレートをマッチングさせてレポートの作成を開始できる。Juneは自動的にチャートを生成し、ユーザーベースをコホートに分類し、重要なメトリックを表示する。ゴールを作成することで、何か良いことや悪いことが起こった際にSlack(スラック)でアラートを受け取ることも可能だ。
上級ユーザーであれば、チーム内の全員が同じツールを使用するようにJuneを使うこともできる。カスタムSQLクエリを作成し、そのクエリに基づいてテンプレートを構築することができるのだ。
同社はPoint Nineが主導して、185万ドル(約2億円)のシードラウンドを調達した。Y Combinator(Yコンビネータ)、Speedinvest、Kima Ventures、eFounders、Base Caseの他、複数のビジネスエンジェルも参加した。
June設立の前は、共同創業者の2人はIntercom(インターコム)に勤務していた。そこで彼らは、分析ツールが多くの人々にとって使いづらいものであることに気づいた。それゆえに(当時の顧客は)アナリティクスに基づいた意思決定を行っていなかったという。
現在何百社もの企業がJuneを利用しており、その数は毎週10%ずつ増加している。今のところ同社の製品は無料だが、将来は使用量に応じて課金する予定だ。
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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:June、ノーコード、資金調達、データ分析
画像クレジット:Maddi Bazzocco / Unsplash(Image has been modified)
[原文へ]
(文:Romain Dillet、翻訳:Aya Nakazato)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/06/01/2021-05-31-june-makes-product-analytics-more-accessible/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Romain Dillet,Aya Nakazato
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