SpaceXが88機の衛星を軌道に乗せ、2021年初めて1段目の地上着陸に成功

SpaceX(スペースエックス)は、米国時間6月30日外部顧客向けの衛星85基とStarlink(スターリンク)衛星3基を軌道に打ち上げ、同社のライドシェアミッション(相乗りミッション)で2回目の成功を収めた。このTransporter-2(トランスポーター2)ミッションは、1回目のライドシェアミッションよりも宇宙に送り出す物体の数は少なかったものの(Transporter-1では143個の衛星を打ち上げ、新記録を達成した)、全部を合わせた質量はより大きなものになった。

このTransporterの打ち上げは、同社のライドシェアビジネスモデルの一環である。2019年に発表されたこれらのミッションは、ロケットのペイロード容量を複数の顧客に分配することで、それぞれの顧客のコストを低減させる。多くの顧客は、こうした手段を使うことなしには、軌道に乗せるための費用を支払うことが不可能な中小企業だ。それでも今回SpaceXは、ロケットを満載にし、運用をまかなうための収入を手にすることができた。

今回のFalcon 9(ファルコン9)ロケットは、米国東部時間6月30日午後3時31分(日本時間7月1日午前5時31分)頃、フロリダ州のケープ・カナベラルから離陸した。これは2021年における、20回目のFalcon 9の打ち上げで、ロケットの1段目を海上の無人船ではなく陸上に戻すことを狙った2021年最初の打ち上げだった。1段目のブースターは米国東部時間6月30日午後3時34分(日本時間7月1日午前5時34分)頃に分離してケープカナベラルに戻り、発射から約8分後には着地に成功した。今回は同ブースターにとって8回目の飛行となる。

画像クレジット:SpaceX

このミッションには10社近くの顧客が参加しており、その中には14社の顧客に代わって36機の小型衛星を打ち上げるSpaceflight(スペースフライト)のような顧客のペイロードを編成する打上げサービス事業者や、同社のSherpa-LTEという名の電気推進機なども含まれている。また、宇宙情報企業Umbra(アンブラ)の初の打ち上げ衛星や、Loft Orbital(ロフト・オービタル)の「ライドシェア」衛星であるYAM-2とYAM-3も搭載されている(それぞれの衛星には、別々の顧客のための5つの独立したセンサーが搭載されている)。

今回の打ち上げはSpaceXにとって2021年20回目にあたるものだったので(これまでの総ミッション数としては127回目)、2021年の打ち上げ回数は2020年の記録である26回をはるかに上回ると考えても良いだろう。

今回のTransporter-2の打ち上げは、当初米国時間6月29日に予定されていたものが延期された2回目の試行だった。1回目の打ち上げは、プロペラ機がフライトゾーンに侵入してきたために、発射11秒前に中止された。このことを受けて、SpaceX CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏は、規制システムが壊れていると発言した。

残念ながら、無闇に巨大な「立入禁止ゾーン」に他の航空機が侵入してしまったため、本日の打ち上げは中止となりました。

大規模な規制改革なしに、人類が宇宙飛行文明を手に入れることはできません。現在の規制システムは壊れています。

関連記事:スペースXが最新Falcon 9打ち上げで衛星投入数の記録達成、143機の衛星を軌道上へ

カテゴリー:宇宙
タグ:SpaceXFalcon 9Starlink人工衛星

画像クレジット:SpaceX

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(文: Aria Alamalhodaei、翻訳:sako)


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