煙が少なく着火も簡単!ユニフレームの新作「ペレットストーブ」は冬キャンプの大本命

【アウトドア銘品図鑑】

厳冬期のキャンプでは焚き火がマストですが、少しでも湿っている薪はサイトが煙に包まれて大変です。それに気温が低いと薪が安定するまでに時間がかかり、その間にも体が冷えてしまいます。

「ファイアグリル」や「薪グリル」、「ネイチャーストーブ」といった大人気焚き火台がラインナップしていて、長年キャンパーの心と体をあたためてきたユニフレームですが、今年登場した「UFペレットストーブ」(4万9900円)は“これぞ冬キャンプの本命”と話題になっています。

▲乾燥した木材を細かく砕き、圧縮成形したのが木質ペレット。間伐材や廃材、のこクズなども原料としており健康な森づくりにも一役買っています

ユニフレームを擁する「新越ワークス」は2004年、木質ペレットに注目した、さいかい産業(現・新越ワークスワークス エネルギー事業部)を設立。2006年に世界初の持ち運びできるペレットグリルヒーター「きりんくん」を発表したという歴史があります。

今でこそホームセンターでもペレットが手に入りますが、当時はまだまだ手に入れづらく、また今ほど冬に出かけるキャンパーもおらず、残念ながら定着しませんでした。

しかし冬でもキャンプをする人が格段に増えた2021年、ユニフレームが市場に投入した「UFペレットストーブ」は、「きりんくん」よりも煙突がのびて、継ぎ足しなしの燃焼時間も倍になって、より実用的になっています。

 

■組み立ては煙突と脚を取り付けるだけ

そもそもペレットストーブ自体は構造がシンプルで組み立てもとっても簡単。さて「UFペレットストーブ」はどうでしょうか?

▲収納サイズ21×55×H37cm、重量9.1kg

煙突など小物はすべて本体の中に収納されています。ユニフレームの「UFギアバッグ50」があれば、3.5kg入りペレット燃料とともに持ち運べるサイズとなっています。

中に入っているのは脚4本、煙突8節、排気トップと煙突固定用ロープ。本体の上に載せている灰掻きも入っていました。

脚はねじ込み式ですが、ねじのまわりを四角い金属パーツが囲んでいます。脚のぐらつきを抑える工夫がユニフレームっぽい!

煙突と排気トップを差し込みます。煙突8節で背が高くなりますが、排気を安定させるため増減してはいけないそうです。気をつけましょう。

煙突の上部に枝など燃えやすいものがないかを確認したら、場所を決定。煙突固定用ロープを手持ちのペグで地面に固定します。煙突を伸ばすと高さは258cmになりますから、面倒くさがってはダメ。ちゃんと固定しましょう。また、できるだけフラットな場所を選ぶことも忘れずに。

脚は4本でやや外側に出っ張った形状なので、重量も高さもありますがしっかり踏ん張っています。

 

■プレヒート(予熱)不要で簡単に着火

ペレットストーブやロケットストーブの中には煙突をあたためるプレヒートが必要なものがありますが、「UFペレットストーブ」はいきなりペレット燃料に着火できます。

▲右の箱が燃料タンクで、内側の受け皿(燃焼ポット)までつながっています

燃料タンクにペレット燃料を入れると、内側の燃焼ポットに必要量だけ落ちるという仕組みです。本体の扉を開かなくてもペレットの量を確認できるし、安全に追加できるのがいいですね!

ペレット燃料に着火剤を載せて着火。着火剤が燃えたら本体の扉を閉じて15分ほど待ちます。着火の手順はこれだけ。

燃えているかなぁと心配になって扉を開けるとうまく着火できないそうなので、ちゃんと扉をロックすること。これが唯一気をつけることと言えます。

 

■燃焼時間を管理できる! 灰が少ない! 煙やにおいもない!

薪ストーブに形は似ていますが、ペレットストーブは燃焼時間をコントロールしやすく、煙やにおいが少なく、しかも燃え残りの灰がごくわずか。三拍子そろった扱いやすい暖房です。

▲「チェアワン」「焚き火テーブル」と並べてみると、「UFペレットストーブ」の天面とほぼ同じで、座ったまま調理するのにいい高さ

ペレット燃料が燃えることで本体と煙突が熱されて、じんわり四方にぬくもりが伝わります。チェアに座ったときに膝下があたたかく、足を組むと足先をあたためられるのがいいですね。

もちろん風向きによって煙につつまれる、なんてことはありません。

本体天面は約350℃に達するので湯沸かしはもちろん煮込み料理なんかも作れます。凹凸がないので鍋やケトルを安心して載せられますよ。

燃料タンクにはペレット燃料が最大1.8kg入って、2時間燃焼します。

焚き火では風向きや薪の状態によって組み替える必要があるし、薪ストーブも焚付を用意して薪の長さを整えなくてはいけませんが、「UFペレットストーブ」はそんな必要はなし。燃焼後の燃えカスが少なく、片付けも楽ちんです。

万が一立ち消えしたなら、それは燃料が極端に減ったときや長時間燃やして燃焼ポットの底に灰がたまったとき。燃料が燃料タンクからなくなる前に継ぎ足し、ときおり付属の灰掻きで灰を取り除くのが主なお世話です。

火力調節できないのが「UFペレットストーブ」のデメリットですが、燃焼時間の計算をしやすく、夜、眠い目をこすりながら燃え尽きるのを待つ必要はありません。

本体側面のスリットから炎がちらちら見えるのもいい感じ。冬キャンプになくてはならない新定番になりそうです。

>> ユニフレーム

 

>> [連載]アウトドア銘品図鑑

<取材・文/大森弘恵

大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter

 

 

 

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