Chromeブラウザは世界中で最も多く使われているWebブラウザであり、積極的なバージョンアップがおこなわれています。
現在のバージョンは96であり、もうじきバージョン100がリリースされるとみられますが、このリリースが新たな2000年問題の引き金になる可能性があるとのことです。
2桁のバージョンしか読み取れないサイトが多数存在
この問題は、Chromeブラウザがバージョン100で革命的な新機能を搭載することが原因ではありません。
Webサイトの中に、アクセスしているWebブラウザのバージョンを2桁しか読み取れないものが多数存在していることが問題とされています。
Webサイトは一般的に、アクセス時にブラウザのユーザーエージェント文字列を読み取り、使用しているWebブラウザの種類やバージョンを判断します。
これはブラウザやそのバージョンに依存した処理をおこなうためなのですが、DudaなどのWebデザインキットを使用しているサイトはバージョン情報の最初の2桁しか読み取ることができないそうです。
このため、Chromeブラウザのバージョン100からアクセスされると、それらのサイトはバージョン情報の最初の2桁しか読み取れないため、「Chromeブラウザ バージョン10」からアクセスされていると解釈してしまいます。
これにより、あまりにも古いWebブラウザからアクセスしていると解釈され、アクセスがブロックされることも考えられるでしょう。
1999年から2000年に年が変わった際に、年情報の下二桁しか使っていないコンピュータが多く存在することから影響が不安視された2000年問題になぞらえ、Chromeブラウザ バージョン100のリリースを新たな2000年問題と呼ぶ声もあります。
Googleは解決策を考案中
この問題はWebサイト側で対策可能ですが、インターネット上にはほとんど更新されておらず放置されているようなサイトも多く存在し、すべてのサイトに対策を適用するのは難しい状況です。
また、MicrosoftのEdgeブラウザなど、Chromeブラウザと同じChromiumベースで作られている他のWebブラウザにも同様の問題が起きると考えられています。
このためGoogleは、開発者と協力してブラウザ側での解決策を考案中です。
1つの案はバージョン情報の最初の2桁を「99」で固定し、以後のバージョン更新は3桁目以降で表すというものですが、あまり洗練されたやり方とはいえないかもしれません。
Chromeブラウザ バージョン100は来月には開発中バージョンとしてリリースされ、その数カ月後に安定版としてリリースされることが見込まれています。
Chromeブラウザ バージョン97 ベータ以降には、バージョン100としてアクセスすることによりWebサイトが正しく動作するかテストするための機能が追加されており、これを利用して自分のサイトでの影響を事前に確認可能です。
Chromeブラウザの2021年11月時点でのシェアは64.06%でした。
Source: Chromium Bug Tracker via Android Police
(ハウザー)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-428707/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania
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