Institution for a Global Society 株式会社は、2021年12月17日~24日および28日~30日の期間、「リモートワーク下のコミュニケーションに関するアンケート調査」を実施。コロナ禍でリモートワークを始めた大企業勤務(従業員1000名以上)の若手部下205名と上司427名を対象に、インターネットを通じて調査を行いました。
このたび、その結果を公開するとともに、同社が提供する360度AI評価ツール「GROW360」データを分析し、リモートワーク下のコミュニケーションの実態やそれに起因すると思われる不安、360度評価ツールの課題などを発表しています。
コミュニケーションの質低下が“成長不安”を増加?
同アンケート調査では、コロナ禍(2020年1月以降)において転職を検討した若手部下が4割を超えると判明。その約4割の若手のうち36.8%が、“成長に対する不安”をコロナ前より強く感じていることもわかっています。
成長に対する不安が増加している背景には、「上司との意思疎通のしやすさ」や「上司との率直な意見交換のしやすさ」が低下しているという状況があるようです。実際に、成長に対する不安が少ない人の約半数は、上司とのコミュニケーションの質がよくなったと回答しています。
また、上司向けのアンケートでも、コロナ前と比較してコミュニケーションに課題を感じているという人が約5割という結果になりました。
このように、コロナ禍における上司・部下のコミュニケーションの質は低下傾向にあり、それが部下の“成長への不安”につながっていることがわかっています。
「GROW360」でできること
では、上司のコミュニケーション能力を改善・向上するためにはどうすればいいでしょう? そのひとつが、360度AI評価ツールと言われています。
同社は、評価のバイアスなどをAI補正し、客観的な評価を実現する「GROW360」を提供中。同ツールは、評価結果を市場水準と比較して人材の強み弱みを可視化し、25項目のコンピテンシー(成果を発揮する行動特性)を評価可能です。また、実施前のアナウンスから実施後のフィードバック、1on1の実施支援までカバーするのもポイントでしょう。
今回は、大企業のマネジメント層1032名を対象に行った「GROW360」の受検データを分析。すると、上司のコミュニケーション能力では、特に「外交力」「寛容力」「表現力」という点において他者評価よりも自己評価が高いという結果となりました。
これは、上司が自身のコミュニケーション能力を過大評価しているとも言える結果でしょう。アンケート調査でも、上司のコミュニケーションに関する設問では、上司と若手の回答に差が見られたようです。アンケート調査からは、部下は上司のコミュニケーションに対して、上司自身が思うほど「対話的」「余裕がある」「落ち着いている」「明るい」と感じていないということがわかっています。
360度評価ツールの課題とは?
上司自身の“甘い自己評価”を是正するには、客観的な評価を実現する「GROW360」のような評価ツールは有効だと言えるでしょう。しかし、アンケートの対象者のうち360度評価を経験したという277名(約65%)は、「評価基準がぶれやすく、結果の信頼性に疑問を感じる」「忖度や不正など、恣意的な評価が入るため、結果を信用できない」といった課題を感じています。
「GROW360」はすでに大手企業など約200社に導入済み。同社は、今後も信頼性の高い評価を導出するツールを通じて、データドリブンな人事施策をサポートしていきたいとしています。
(文・Higuchi)
- Original:https://techable.jp/archives/170791
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口
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