経済産業省は、ロボットを導入しやすい環境いわゆる“ロボットフレンドリー(ロボフレ)”を実現するため、2019年に「ロボット実装モデル構築推進タスクフォース(以下、TF)」を設置しました。
ロボフレ整備の対象のひとつである施設管理分野においては、施設内において複数のロボットが自律的にフロア移動しつつ、搬送・清掃・警備を実施することにフォーカスした取り組みを進めています。
そしてこのたび、TFの参加事業者である三菱地所株式会社(以下、三菱地所)が、経済産業省補助事業「令和3年度革新的ロボット研究開発等基盤構築事業(ロボットフレンドリーな環境構築支援事業)」を受託。パナソニック株式会社(以下、パナソニック)やNECネッツエスアイ株式会社(以下、NECネッツエスアイ)らと共に、大手町のオフィスビルにて実証実験を開始しました。
エレベーターに乗り、セキュリティドアをくぐる
まずは、「大手町フィナンシャルシティグランキューブ」および「大手町パークビルディング 3 階~5 階」にて実施されるロボットを活用した清掃サービスについて紹介しましょう。
同サービスは、ロボットと各種ビル設備(エレベーター・フラッパーゲート・セキュリティドア・入退管理システム)を連動させ、ロボットが各居室・フロアを移動しながら清掃を行うというもの。これを実現するシステムを開発し、実際に運用することで、ロボットの効率的な導入・運用および清掃業務の効率化を検討します。
導入するロボットは、パナソニックのロボット掃除機(実証モデル)。クラウドシステムと連携したスケジュール機能搭載で、設定時間になるとLiDARで共用部・専有部の掃除環境を自動認識し、決められたエリアの清掃を行います。
大手町フィナンシャルシティ グランキューブでは、エレベーターと連携した階をまたぐ清掃を、大手町パークビルディングでは、セキュリティドアやフラッパーゲートと連携した区画をまたぐ清掃を行うようです。
実証期間は、1月17日(月)~2月末の予定。パナソニックのほか株式会社セキュア、日本信号株式会社、株式会社日立製作所(以下、日立製作所)が参画します。
各階のテナント利用者に飲食物を配達
次に「大手町フィナンシャルシティグランキューブ」にて実施される、ロボットを活用したフードデリバリーサービスについて。
これは、スカイファーム株式会社が運営するフードデリバリーサービスと運搬ロボット、各種ビル設備を連携し、ロボットが屋内外の飲食店舗からオフィスまで食事を運ぶサービスです(1月25日時点では7つの飲食店が参加)。
運搬ロボットとしては、パナソニックの搬送ロボットとNECネッツエスアイの配送ロボット「YUNJI DELI(ユンジ デリ)」を導入。両ロボットともにエレベーターと連携し、各階の注文者に飲食物を届けます。また、パナソニックの搬送ロボットは、注文された飲食物を屋外の店舗まで取りに行くことも可能です。
実施期間は、1月12日(水)~2月末の予定。上記3社に加え日立製作所も参画します。
ちなみに、掃除サービス・フードデリバリーサービスともに、ロボットとエレベーターの連携においては統一規格を活用。これにより、メーカーの異なる複数のロボット導入を実現しています。
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経済産業省
三菱地所株式会社
パナソニック株式会社
(文・Higuchi)
- Original:https://techable.jp/archives/172030
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口
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