株式会社ZOZO NEXTと東京大学大学院情報学環 筧康明研究室および株式会社細尾(以下、細尾)は2020年より、伝統工芸・先端素材・インタラクション技術を組み合わせたテキスタイルの開発に関する共同研究プロジェクトを推進してきました。
そしてこのたび、3者が開発したスマートテキスタイル「Ambient Weaving」が、EU Comission主催の「STARTS Prize 2022」にてHonorary Mention(栄誉賞)を受賞したと発表しました。
電圧で発光したり、紫外線で硬化したり
「Ambient Weaving」は、機能性と美を両立するまったく新しいテキスタイル。西陣織の構造や意匠に先端素材やデバイスを掛け合わせることで、周囲の環境に応じて表情や質感を変化させるテキスタイルが完成しました。
Ambient Weavingのバーチャルギャラリーでは、光の透明度が可変的な織物や電圧で発光する織物、紫外線で瞬時に硬化する織物、糸のなかを染料が移動する織物などを鑑賞できます。
国内外での展示
Ambient Weavingは2021年に、細尾が運営する「HOSOO GALLERY」での展覧会に展示されました。このときは、外部温度によって色彩が変化する織物などいくつかのプロトタイプ作品を展示しています。
また、今年3月に米国テキサス州で開催された世界最大級のテクノロジーと音楽・映画の祭典「SXSW 2022」の“CREATIVE INDUSTRIES EXPO”にも出展。西陣織の持つ圧倒的な存在感と美しさに、「Wow…!」と声をもらす来場者も多くいたようです。
「まるで呼吸をしているかのように……」と評価
そんなAmbient Weavingが、欧州でのアワード「STARTS Prize 2022」にてHonorary Mention(栄誉賞)を受賞しました。
「STARTS Prize」は、オーストリアで活動する世界的なクリエイティブ機関“アルスエレクトロニカ”が欧州委員会からの任命を受けて開催しているアワード。アート領域における実践的な科学やテクノロジーのコラボレーション推進を目的としています。
同アワードにて、伝統工芸と先端テクノロジーを組み合わせたAmbient Weavingは、表現と技術の両面において新たな美を追求したことを評価されたようです。
審査委員はAmbient Weavingについて「まるで呼吸をしているかのようにリアルタイムに変化し、周囲の環境と織り成すファブリック」と表現し、「次の100年を生き抜く伝統工芸の未来が、見事に示されていました」とコメントしています。
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「Ambient Weaving」バーチャルギャラリー
(文・Higuchi)
- Original:https://techable.jp/archives/180903
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口
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