【YouTuber、はじめました!】
晴れてガジェット系YouTuberデビューを果たしたわけですが、YouTuberを始めて実感したのが「録音マイクの重要さ」です。そこで今回は、YouTube撮影収録機材をアップグレードするべく、カメラ上に取り付けられる外付けマイクを検討。YouTuber界隈で人気の5モデルを実際に用意して、屋内・屋外で録音テストをしてみました。
実機を用意したマイク機材は以下の5機種。
RODE「VideoMicro」(実勢価格:8630円前後)
RODE「VideoMic GO 2」(実勢価格:1万5630円前後)
ゼンハイザー「MKE 200」(実勢価格1万8810円前後)
ソニー「ECM-G1」(実勢価格:1万7700円前後)
ソニー「ECM-B10」(実勢価格:2万7700円前後)
今回の収録条件は、僕がいつもYouTuber動画を収録している屋内2mに加えて2.0~0.5mの距離でもテスト。そして屋外では、ロケをイメージしたカメラ自撮りの状態で収録しました。
屋外は夏なのでセミが鳴いていたりと、結構難しいシチェーションだと思います。屋内はセミの鳴き声を避けて深夜に収録しています。
■5機種それぞれの音質は?
▼RODE「VideoMicro」
今回紹介する機材で最もお手頃な機種が、オーストラリア発の録音機材メーカーRODEによる「VideoMicro」。指向性はカーディオイド(前方指向性)です。
屋内:お手頃なマイクですが帯域が広く、低い声の拾い具合は優秀。2mの距離でも使えますが1m以内が良く50cmが最高。
屋外:自撮りの距離での音は声に厚みがあって好印象。周囲の環境音は大きく拾い気味。
▼RODE「VideoMic GO 2」
RODEの入門クラスショットガンマイクが「VideoMic GO 2」です。3.5mmの接続だけでなくUSB-CによるPC/スマホ接続も対応。「VideoMicro」よりも指向性の狭いスーパーカーディオイド仕様です。
屋内:VideoMicroと同じく帯域は広め。低い声をよく拾ってくれます。距離はやはり1m以内が理想で50cmが最高。
屋外:自撮りの距離では「VideoMicro」よりも声の厚みがさらにアップ。周囲の環境音もやや抑えられていました。
▼ゼンハイザー「MKE 200」
イヤホンでも定番ブランドであるゼンハイザーが手掛ける、YouTuberにも人気のポータブルマイク「MKE200」。ウインドプロテクションとサスペンションマウントを内部に統合していて、一体型で利用できる仕様。重さは48g。指向性の狭いスーパーカーディオイドマイクです。
屋内:とにかく人の声をカチッと拾うところが特徴。音の拾い具合は2mも可だが50cm以内が理想的。
屋外:人の声のクッキリ具合が優秀。周囲の音の拾いは中程度でした。
▼ソニー「ECM-G1」
ソニー製カメラ専用品で、8月12日に発売されたばかりのショットガンマイク「ECM-G1」。ソニー製カメラのマルチインターフェースシュー端子で動作するため、外部のケーブル接続不要で、超小型かつ34gの超軽量。指向性の狭いスーパーカーディオイドマイクです。
屋内:ノイズが少なくクリアな音が特徴。1m以上の音量が小さく、レベル調整が必須でした。
屋外:人の声はナチュラルに拾うが、やや平坦な音に聞こえるところも。周囲の音の拾い具合は中程度。
▼ソニー「ECM-B10」
7月29日発売のソニー「ECM-B10」は、3つの指向性を切り替え可能なソニーのカメラ専用マイク。正面重視の鋭指向性、前方をカバーする単一指向性、そして全指向性を切替可能。デジタルマイクで4つのマイク搭載によるビームフォーミング機能にも対応しています。対応カメラではデジタル接続が可能ですが、検証したα7IIIではアナログ接続でした。NC(ノイズカット)/LC(ローカット)も設定可能です。
▲マイク本体で録音に関する設定カスタマイズが可能
屋内:2mの距離では鋭指向性の状態でも若干音量小さめのため要レベル調整。やはり距離は近いほど良い。マイク音質は総じてクリアで、屋内収録でもNC(ノイズカット)がエアコンの音をカットしてくれるのが便利。
屋外:鋭指向性では「ECM-G1」に近い音質だが、3段階の切り替えがユニーク。無指向性にすると周囲の音をもっと大きく取り込む。NC(ノイズカット)によって、周囲の環境音を1/5程度まで抑えられるのがとても優秀。
■結局、選んだマイクは…
先入観なしに5機種のマイク比較で収録をして音質を比較してみたのですが…最初に気づいてしまいました。僕がYouTubeを収録している屋内で約2mの距離だと、カメラ上に付ける外付けマイクって用途に合致していません!
▲約2mの距離で収録は…正直無理がありました
最も指向性の狭いスーパーカーディオイドマイクでも、2mは音が遠すぎて非推奨。音質はマイクに近づくと改善し、実用的なのはせいぜい1m以内。そして50cmでは別物というほど音質がアップします。逆に、屋外の自撮りは約50cmだったので、どの機種も音質十分というのが第一印象。
▲自撮り撮影なら約50cmで撮影できるので実用的
RODE「VideoMicro」「VideoMic GO 2」は、指向性と音質が若干違いますが、声の質感を出して録音してくれるので音質的には一番好み。ゼンハイザー「MKE 200」は中高域がクッキリしていて、人の声への特化型。ソニー「ECM-G1」はナチュラルで癖がない…というか味気ない音と感じてしまうかも。
▲3種類の指向性とNCを使えるソニー「ECM-B10」は最強
そしてソニー「ECM-B10」。こいつは1台で指向性も3種類切り替えられて、NC(ノイズカット)付きと多機能な機種。音質も自然だしNCの効果が劇的で、屋外で本格的に使うならコレは最高に便利。ソニー製カメラ専用だし、実勢価格2万7700円前後とダントツで高価だし、発売直後から人気殺到で品薄ですが、期待通りのスゴいマイクです。
ただ、録音テストをして気づきました。YouTube収録用に当初から導入したピンマイク、ソニー「ECM-LV1」(実勢価格:2820円前後)も同一条件で録音してみたのですが…これ屋内でも屋外でも音質が良いんですよ。理由は簡単で、胸元に付けていて口との距離が近いから。つまり、喋りメインのYouTuberなら、安いピンマイクで運用するのがベストという想定外の結論に導かれてしまいました。
▲実は最初からコレで良かった? ピンマイクのソニー「ECM-LV1」
でも、僕のピンマイクってミラーレス一眼のα7IIIから有線で接続しているので、屋外ではケーブルが邪魔すぎるんですよね。そこで次回は、このピンマイクをワイヤレス化できる機材や方法を検証していきます。
今回の記事内容は、YouTubeチャンネル「オリチャンネル」にて録音した音質サンプル入り動画をアップしていますので興味があればぜひ!
<取材・文/折原一也>
折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長。YouTube
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/471762/
- Source:&GP
- Author:&GP
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