ハンターカブ&クロスカブを専門メーカーのパーツでドレスアップ!【趣味と遊びの秘密基地ギア】

【趣味と遊びの秘密基地ギア】

日本が世界に誇る、ホンダ“スーパーカブ”。今、その血を受け継ぐ、CT125ハンターカブとクロスカブ110の人気が高まっている。この2車種をめいっぱい楽しむべく、カスタマイズパーツを手掛ける4メーカーのドレスアップ例を紹介していこう。

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初めて「カブ」という名が冠されたホンダ製品が発売されたのは1952年の“カブF型”。自転車の後輪に取り付ける、空冷2ストローク1馬力のエンジンだった。そして’58年8月、OHVストローク50ccエンジンを搭載した「スーパーカブC110」を発売。そこから世界中での快進撃が始まった。

現行のカブファミリーは、実用ビジネスバイクであるスーパーカブからレジャー志向を目指したモデル“ハンターカブ(以下CT125)”や“クロスカブ(以下CC110)”まで計8車種。中でもここ数年は、取得が比較的簡単な小型AT免許で乗れるCT125とCC110が人気を集めている。

街中からちょっとしたトレイルまで、高い走破性と取り回しの良さを発揮してくれるこの2車種は、50ccのように速度や二段階右折などの規制もなく、一般道で車の流れにもついていける。

ただし、高速道路や自動車専用道を走ることはできない。とはいえ、一般道で長距離をのんびり走るロングツーリングには十分な性能だ。

そんなカブでのツーリング旅を実行したいのであれば、十分な装備の積載を確保できるカスタムを施したい。また、「街中が中心だけど、たまにはオフもね」との思いでパーツ選びをすることも可能だ。

そして「どうしてもCT125のスタイルのまま、もう少しパワーアップして、高速を走ってストレスなく遠出をしたい」という人は、その希望を叶えられる排気量アップのチューニングだってできる。その場合は、普通自動二輪免許を持っていることと、陸運局へ届け出て、新規検査後に車両番号(ナンバー)の指定を受けることが必須だ。

また、ノーマルでの独特の車体デザインも秀逸ながら、そこにカスタムを施して楽しむ人も増えている。そこで、二輪、そしてカスタム初心者に向けて、パーツ専門メーカーのデモ車でカスタム例を紹介。法規を守ったカスタムチューンでバイクライフを楽しもう。

 

【DIRTFREAK】

▼軍用車をモチーフにオフロードの走破性や機能性を高めたカスタム

DIRTFREAK
「CT125 SURVIVAL.ADV」

オフロード車を中心にバイクパーツやバイク用品の輸入販売を行うダートフリーク製パーツを組み込んだCT125。ミリタリー風にまとめられたハード&タフネスな雰囲気が魅力。各パーツは組み付けが簡単で、初心者でも取り付けられる。

石飛などからライトを守ってくれる、ヘッドライトガードはアルミ製フレームと照射を妨げないポリカーボネート製プロテクターの組み合わせ。エンジンはもちろん、エキゾーストパイプのマウントヘッドまで守ってくれるアンダーガードの取り付けフレームは、純正よりも張り出させ、フォグランプなどの取り付けも可能。左サイドには、釣り好きのライダーのためにロッドホルダーも取り付けられる。

ロゴやマークを車体のマットなOD色に合わせてロービジュ化して、ミリタリー感を高めている。リムやスポーク、スイングアームには、オフロード走行に最適な高強度で耐久性や耐食性に優れた塗装、パウダーコーティングを施すことも可能だ。そのほか豊富なパーツが揃っている。

 

▼街中でも映えるスクランブラーをイメージしたスタイル

DIRTFREAK
「クロスカブ 110 スクランブラー」

元々はオンロードバイク向けのカブをオフロード走行を可能するスクランブラースタイルにカスタム。無駄を取り省き、全体にすっきりとシンプルにまとまられたフォルムは、街中の走行でもしっかり映えて、目立つこと間違いない。

見た目のワンポイントにもなるエンジンプラグは、アルミ合金を高精度マシンで加工した後にカラーアルマイト加工。整備性の向上と共に軽量化にも一役買う。ヘッドライトガードは、アルミとポリカーボネートのハイブリッド構造。排出ガス&騒音規制に適合したサイレンサーは、低回転域ではノーマル同等、中高回転域ではノーマルを上回るパワー特性を発揮する。

 

【KIJIMA】

▼トレイルでの使い勝手抜群!高い耐久性と実用性を備えたパーツ群

KIJIMA
「CT125ハンターカブ スペシャルパーツ」

60年以上に渡り、国内外バイク用パーツとアクセサリーを送り出しているキジマのCT125カスタム。ソロツーリング&キャンプに適した実用性と使いやすさを備えた、アウトドア感満載の仕様に仕上げられている。

ノーマル車体の空きスペースを利用したキャリアなど、積載量を最大限に増やす工夫が施されている。

スリーピングマットなど積むのに最適なフロントキャリアだが、荷物を乗せると視認性が悪くなるウインカーをヘッドライト脇に移設するステーなど、細かいところまで手が届く仕様。

リアキャリアは横や前後を伸ばすのではなく、縦に大きくすることで積載量を増加。ツーリング中の風雨や駐車時の盗難が心配だという人にはキーロック付きのボックスも用意されている。

 

▼見た目やスタイルはそのまま気の利いたパーツを装着し使いやすさをさらにアップ

KIJIMA
「2022y クロスカブ」

街でもアウトドアでも乗れて、遊べるクロスオーバースタイルデザインのCC110。そこにひと手間加えることで、さらに便利さの幅が広がるパーツが装着されている。シンプル&スリムのさりげないカスタムで乗りこなしたい。

緩い地盤や荷物満載時の駐車中の転倒を防止するために、設置面を拡張して車体から離れた位置へ接地するサイドスタンド。タンデムを楽にするダブルシートに、フロントライトストーンガードや同様のテールランプガードなど、目立たないが実用性が高いパーツがある。

 

【PLOT】

▼焦らず、慌てず、のんびりとアウトドアツーリングに出掛けたくなる

PLOT
「CT125 ハンターカブ LEISURELY ADVENTURE STYLE」

長旅に出るためには、できるだけ多くの荷物を積みたい。そんな思いから組み上げられたのがPLOTのCT125。大型バックに荷物を入れて積み込めば、ボックスよりも重量を軽減でき、そのままテントや宿に持ち込める利点がある。

円形の白デカールに反射素材を使用し、折り畳みやすく、好みの角度に調整もしやすいミラー。

手の大きさに合わせてポジションが調整できるブレーキレバーとグリップヒーターも装備している。

前後と底面に厚めの補強板を入れ、安定した積載が可能な60Lまで収納できる大型バッグ。

長時間のライディングで感じる臀部の疲れや痛みを軽減する、ゲルザブ(ゲル入り座布団)を装備。

 

▼街乗りがメインだけど時には自然の中で走りたいという人に

PLOT
「CT125 ハンターカブ TREKKING STYLE」

「街乗りではスッキリ、スマートに。でもその気になれば、トレイルだって行きたいね」という贅沢な希望を叶えてくれるカスタム。一見ノーマルに近いが、随所に細かなカスタムパーツを使用してドレスアップしている。

ノーマルより少しコンパクトになり、ネイキッドスポーツに近いポジションの舗装路向きハンドル。

ナビがわりに使用するスマホを取り付けられるマウントや、水平維持ドリンクホルダーも用意されている。

2本のバーだけでスッキリと仕上げられた、スチール製ヘッドライトガード。簡単に装着できる。

 

【SP TAKEGAWA】

▼もっとパワーを! そんな望みをかなえるチューンもできる

SP TAKEGAWA
「CT125 ハンターカブ スーパーヘッド・4V+R」

外装はもちろん、エンジンのボアアップキットを組み込んで排気量を増やし、パワーアップチューニング。143ccと181ccが用意されている。ただ、エンジンの分解と組み立てには知識と技術がいるので、組み込みはショップに任せよう。

キットには含まれていないが、ボアアップによって排熱量が上がる分、念のためにオイルクーラーを装着したほうがいい。純正エアクリーナでもいいが、ポテンシャルをフルに引き出すには、エアフィルターを使用したい。純正エンジンのエアクリーナーボックスをエアフィルターに交換するだけでも高回転域の出力アップが可能だ。

「ハイパーeステージボアアップキット143cc」であれば、最大出力は約13馬力。街中での使用がメインという人には、こちらでも十分パワーアップした感覚を得ることができるはずだ。

「スーパーヘッド4V+Rコンボキット181cc」でボアアップすると、最大で約16馬力超え。これはノーマルの約2倍のパワーで、出だしはもちろん、中速域から高速への加速も良くなる。

ノーマルとは違った、様々なスタイルの表示ができるメーター類も用意されている。この部分を交換するだけでも、カブに乗る楽しみが増える。

 

▼現行クロスカブでもレッグシールドが欲しい人に

SP TAKEGAWA
「クロスカブ110JA60 TAKEGAWA」

初代クロスカブ(JA10)にはレッグシールドが付いていたが、現行のJA60もそのスタイルで乗りたい、という人むけのカスタム。風防にフロントキャリア、フォグランプも付けて、乗り心地や夜間の安全性も向上する。

 

■もちろんそのまま乗って楽しいクロスカブ&ハンターカブ

カブの名を冠したトレイルモデルの元祖は、実は1961年にアメリカで発売された、49ccOHVエンジンの「CA100T TRAIL50」。これはスーパーカブC100をベースに、レッグシールドやフロントフェンダーを取り外し、大型のリアスプロケットやブロックタイヤを装着したものだった。

この背景には、アメリカのアウトドア愛好家がスーパーカブを自ら改造して積み込み、四輪では分け入れられない海や野山で遊ぶために使用していた光景を、当時のアメリカホンダの社員が目の当たりしたことからだった。

続いて山火事の原因となる太いエキゾーストパイプを細くした、54ccをベースにパワーアップした「C105T TRAIL55」を’62年に発売。そしていよいよハンターカブの原型となる、アップマフラーの「CA105 TRAIL55」が’63年に誕生する。

そんな流れを受け継ぎ、今また愛されているのが、CTとCCの名を持ったバイクたち。どちらのシリーズも、ノーマルのままでも街中からトレイルまで、自由に、そして楽しく軽快に走り抜けられる性能がある。

スクーターとは違い、バイク本来のスタイルを保ちながら、個性的なデザインも楽しめるクロスカブ&ハンターカブで、街中からトレイルまでを駆け抜ける爽快感を感じてみよう。

 

「CT125・ハンターカブ」(44万円〜)

エンジンは最高出力6.5ps/7000rpm、最大トルク10N・m/6250rpmと、トレッキングを想定して低回転域で力を発揮する特性。街中から野山まで様々な場所で走れる。

 

「クロスカブ110」(34万1000円〜)

大気や回転数に合わせて効率的なエンジン燃焼に制御するPGM-FIが余分な排出ガスを抑制し、排気系の触媒が有害物質の低減する、自然に配慮したモデル。

 

「クロスカブ 50」(29万7000円〜)

レッグシールドを廃し、全体的によりアクティブなデザインに仕上げられたカブ・ファミリーの末っ子。街にも自然の中にもフィットするクロスオーバーマシン。

>> 特集【趣味と遊びの秘密基地ギア】

※2022年9月6日発売「GoodsPress」10月号38-41ページの記事をもとに構成しています

<取材・文/松尾直俊>

 

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