今、薄型テレビ向けに人気のAmazonのFire TVシリーズ。その最上位にあたる「Fire TV Cube」(第3世代)が10月27日に発売されました。価格は1万9980円です。
Fire TVシリーズというと、お手頃価格の「Fire TV Stick」や4K対応の「Fire TV 4K Max」が人気ですが、スティック状ではない「Fire TV Cube」の最新モデルとなる第3世代は、最新の2GHzオクタコアプロセッサー搭載で前世代より20%処理能力アップ。これは「Fire TV 4K Max」と比較すると100%高速。Wi-Fi 6対応を果たしたことに加えて、HDMI入力端子という気になる新機能も。
そんな「Fire TV Cube」(第3世代)を自宅にセットして速攻レビューしていきます!
■レスポンスを測定したら速かった
▲キューブ型デザインでスマートスピーカー機能も内蔵
「Fire TV 4K Max」などのスティック型とは外観が異なります。Fire TV Cubeシリーズの基本的な特徴は、スピーカー一体型で、Amazon Alexaによるボイスアシスタントをハンズフリーで利用可能(Fire TV Stickではリモコンのボタンを押して操作)。つまり、テレビを音声でコントロールするデバイスという役割もあるんです。
▲背面にはHDMI入力端子も搭載。ちなみに有線LANも利用可
さらに第3世代はHDMI入力端子を搭載しました。これにより「BDレコーダーやゲーム機を接続しつつAlexaの機能が使える」というのがアマゾン・ジャパンの説明ですが、米国ではここにCATVチューナーを繋ぐそうで、本命の用途はそちらです。
▲アプリボタンなど変更点も
リモコンもAlexaの音声認識ボタンが付いた「Alexa対応音声認識リモコン」が付属します。ライブチャンネルや設定ボタンが付いていたり、ショートカットボタンが「PrimeVideo」「Netflix」「AmazonMusic」「AbemaTV」(過去はDAZN)だったりと、ボタンのデザインもアプリも変更されています。
▲テレビとHDMIケーブルで接続してセットアップ
せっかくなのでHDMIケーブル(別売)で薄型テレビに接続して初期設定から始めたのですが、これが意外と長丁場。
▲テレビ操作などの連動も初期設定で行います
Amazonアカウントのログイン以外に、初回のソフトウェア更新、テレビ操作関連のセットアップが必要です。
ようやく「Fire TV Cube」(第3世代)のホーム画面にたどり着くと…。
▲「Fire TV Cube」(第3世代)のホーム画面
過去のFire TVシリーズと同じでした。厳密には外部入力端子の切り替えボタン等があるんですが、レイアウトは変わりません。
▲Fire TVシリーズのアプリはすべて共通
もちろん使えるアプリも同じなので、「TVer」「NHKプラス」「ディズニープラス」もあります。
▲最高画質の視聴には4K出力への設定変更も必須
ちなみにテレビとの接続時、初期設定には注意点があります。今回僕は4Kテレビと接続したのですが、映像出力が1080p(2K)固定になってしまいました。これは設定を「自動」に切り替えると、きちんと4K出力になります。それに色深度の設定も初期設定はなぜか8bit固定なので、最大12bitに切り替えましょう。
プライム・ビデオで『力の指輪』を試聴してみると、ハイクオリティな4K/HDR映画の世界。でも、ここまでなら「Fire TV 4K Max」と大きな違いはありません。
「Fire TV Cube」(第3世代)と「Fire TV 4K Max」で違いが出たのはレスポンスでした。2台横並びで比較してみると、「Fire TV Cube」(第3世代)の方がボタンを押したらパッと付きます。時間を測定すると「Fire TV Cube」(第3世代)はプライム・ビデオ、YouTubeとも約2.5秒。一方の「Fire TV 4K Max」は約4秒。かなり高速化しています。
▲プライム・ビデオの起動時間は「Fire TV Cube」(第3世代)が約2.5秒、「Fire TV 4K Max」は約4秒
▲YouTubeも「Fire TV Cube」(第3世代)が約2.5秒、「Fire TV 4K Max」は約4秒でした
そしてHDMI入力はPS5接続でテストしましたが、こちらは基本的にはHDMI端子のスルー用途のみ。せめて2画面表示やPinP機能があれば活用できそうですが、そんな機能はないようです。
▲HDMI入力端子経由でPS5の画面も表示。もちろん4K/60p対応
最後に、これは新機能というわけではないのですが、「Fire TV Cube」(第3世代)はAlexaによる音声でテレビを操作できるところもポイントです。テレビ視聴中に「プライム・ビデオを見たい」と言えばシームレスに行き来が可能。
そして意外と便利な機能が「Alexa、テレビを付けて」でテレビ自体の電源オンをできること。個人的にはこの電源オンの操作が一番うれしいかも。
▲Alexaによる音声操作は本体スピーカーに呼びかけで可能
* * *
Fire TVシリーズの最上位として登場した「Fire TV Cube」(第3世代)。レスポンスの速さという万人向けの機能に加えて、HDMI入力対応、Alexaによる操作など各種機能を搭載。でも、「Fire TV 4K Max」が6980円で買えると考えると、「Fire TV Cube」(第3世代)の1万9980円は安くはないなと感じました。むしろ、「Fire TV 4K Max」が安すぎるんですが…。でも、最上位のデバイスの快適さと拡張を求めるなら、「Fire TV Cube」(第3世代)を選んでも良さそうです。
<取材・文/折原一也>
折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長。YouTube「オリチャンネル」
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/486907/
- Source:&GP
- Author:&GP
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