SDGsへの意識が高まり、フードロス問題にも注目が集まる昨今。一般に流通しない「未利用魚」を有効活用する動きが広がっています。
未利用魚を活用した魚のサブスクリプションサービス「Fishlle!(フィシュル)」を運営する株式会社ベンナーズが、8000万円の資金調達を実施しました。
調達した資金は、フィシュルの会員数拡大に向けたマーケティングの強化に充てるとともに、B2B事業の拡大や同サービスの全国展開をめざす方針です。
九州産の天然魚をミールパックに
フィシュルは、未利用魚を使用した冷凍ミールパックを月額4200円(税込)で提供するD2Cのサブスクサービスです。
未利用魚とは、サイズが小さい、形が悪い、下処理に手間がかかる、十分な水揚げ量がないなどの理由で価値が付かず、一般市場に出回らない魚のこと。ベンナーズによると、総水揚げ量の30〜40%が未利用魚とされているそうです。
フィシュルで使用するのは、同社が拠点を置く九州で獲れた天然の魚で、焼き魚用の味噌漬けやカルパッチョなど、魚にあった味付けを施し、家庭に届けます。
1年で二度の資金調達
ベンナーズは、魚のフードロス軽減を通じて、「日本における水産業の発展」と「作り手、使い手、社会を豊かにすること」をめざし、2021年3月から魚のサブスクリプションサービスをスタートしました。
2022年1月には、アカツキ、セゾン・ベンチャーズ、エンジェル投資家の海野慧氏を引受先とする第三者割当増資を実施し、総額3200万円の資金調達を実施。
約1年後の2023年1月、Dawn Capital、三菱UFJキャピタル、佐銀キャピタル&コンサルティング、Frontiveから8000万円の資金を調達したことを発表し、累計調達額は1億1200万円(融資額含む)となりました。
くら寿司やSoup Stock Tokyoでも
未利用魚や低利用魚を使用する取り組みは、ベンナーズに留まりません。
大手回転寿司チェーンくら寿司は、磯焼けの原因として駆除対象になっているニザダイに、廃棄予定のキャベツを与えて養殖した「キャベツニザダイ」を、2022年9月に期間・数量限定で販売しました。
また、スープ専門店チェーンのSoup Stock Tokyoでは、2021年10月に、未利用魚を使用した「長崎県五島産すり身団子のスープカレー」を期間限定で販売。2022年10月にも、同メニューを販売しました。
(文・Saki.A)
- Original:https://techable.jp/archives/188393
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:天野早紀
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