【グッとくるタフネスギア】
乗用車はSUV人気が長らく続いているが、よりタフなシャシー&ボディを採用し、高い走破性を誇るヘビーデューティモデルにも注目が集まっている。ここでは、先日発表されたトヨタの新型“ランクル”「ランドクルーザー 250」を中心に、各国の“ガチ”なオフローダーを紹介!
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一般的なSUVに比べ、よりタフで走破性に優れた生粋のオフローダー。これらにちょっとマニアックなイメージを持つ人もいるかもしれないが、モータージャーナリストの島下泰久さんによると「ヘビーデューティ系のオフローダーは、日本だけでなく世界的にもトレンド」だという。
「“ワークホース”と呼ばれるゴツゴツした無骨なスタイルや道具感満点のオフローダーは世界中で注目されています。先日発表されたトヨタの新型『ランドクルーザー250』は原点回帰を果たし、オフローダーとしての基本性能を向上させ、ランクルの名にふさわしい力強い走りを追求しています。スタイルは無骨でワイルドながら、モダンな印象も感じさせるデザインが特徴です。一方中身は最新のシステムや機能を備えているので、ヘビーデューティモデルながら静かでプレミアム感もあり、まさに最新進化系と言えるでしょう」
250と同時に発表されたのが、1984年に発売された「ランドクルーザー70」の復活。
「70は過去に台数限定で復活したこともありましたが、継続販売モデルとして復活します。こちらはタフさをより前面に押し出したデザインで、道具感が強くいまだにファンが多いモデル。先の復刻時はMTでしたが、今回はATというのもポイントです。欲しくてもパートナーがAT限定免許などで泣く泣く諦めた人もいるでしょう。静粛性や燃費性能も向上しているので、間口が広がりより選びやすくなったと思います。またオフローダーはランクル以外にも、スズキのジムニーやメルセデス・ベンツのGクラスなど、コンパクトなものから大きなものまでラインナップも多彩です。そちらもぜひチェックしてみてください」
モータージャーナリスト/島下泰久さん
日夜世界中を飛び回り、あらゆるメーカー・ジャンルのクルマに精通し、その魅力を分かりやすく伝えるモータージャーナリスト。クルマにロードバイクを積んで山に走りに行ったりキャンプをしたりと、アウトドア派な一面も持っている
■原点回帰でより強く快適になった最新進化系
TOYOTA
「LANDCRUISER250」(価格未定)
1951年の登場以来「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」として、これまで約170カ国、累計約1130万台もの台数を販売してきたキング・オブ・オフローダーの最新モデル。“生活と実用を支えるクルマ”として原点回帰が図られ、GA-Fプラットフォームや各種電子デバイスの採用により、悪路走破性が大幅に向上。オンロードも含めた操縦のしやすさや快適性も高まっている。2.4Lガソリンターボ、同ハイブリッド、2.8Lディーゼルターボに加え、2.7Lガソリンなど多様なパワートレインを用意。2024年前半の販売を予定。
■無骨なスタイルはそのままに時代に合わせて進化
TOYOTA
「LANDCRUISER70」(価格未定)
“ナナマル”の愛称で親しまれたランクルを代表するモデルのひとつ。道具感満載の無骨なスタイルや高い走破性はそのままに、パワートレインは力強い動力性能と低燃費を実現する2.8Lディーゼルターボ&6ATを搭載。静粛性やオンロードでの乗り心地を向上させるなど、時代のニーズに合わせてブラッシュアップされている。
▼人気があり過ぎて300系は受注停止中
2021年に登場した現行型となる300系は、高い走破性を備えながらもデザイン含めプレミアム感を重視したモデル。世界一過酷と称されるダカールラリー参戦で得た知見を車両開発に活かした「GR SPORT」もラインナップ。ただ現在両車とも生産能力を上回る注文が入っているため受注停止中。ランクル人気を象徴する状態となっている。
「LANDCRUISER GR SPORT」(770万円)
「LANDCRUISER」(510万円)
【LANDCRUISER HISTORY(主要モデル)】
▲1951年「BJ」
▲1955年「20系」
▲1960年「40系」
▲1967年「50系」
▲1984年「70系」
▲1989年「80系」
▲1998年「100系」
▲2007年「200系」
▲2021年「300系」
■軽量・コンパクトで狭い山道も豪快に駆け抜ける
SUZUKI
「JIMNY」(155万5400円〜)
ランクルと並び日本を代表する本格クロスカントリー。伝統のラダーフレーム構造を採用し、コンパクトなボディを活かして山道や林道といった狭い道も難なくこなすフットワークを持つ。高い脱出性能を実現するブレーキLSDトラクションコントロールなども搭載。カスタムパーツが豊富で、自分だけの一台にカスタマイズするファンも多い。
■高い走破性と安全性を兼備
LANDROVER
「DEFENDER」(856万円〜)
英国ランドローバー屈指の走破性を誇るヘビーデューティオフローダー。軽量アルミモノコック構造を採用し、同ブランド史上もっとも頑丈なボディ構造を実現している。高い走破性に加え、先進のシステムも多数搭載し、安全性や快適性も高めている。ショートホイールベースの90、ロングの110のほか、8人乗りの130もラインナップ。
■ジープブランド最強のオフローダー
JEEP
「WRANGLER」(870万円〜)
本格4WDと聞いてジープをイメージする人は少なくないだろうが、その走破性の高さを体現しているのがラングラー。特に世界一過酷と言われる米国の“ルビコントレイル”が由来のグレード「ルビコン」は、フルタイム4WD×前後デフロックを採用するなど、ジープブランド最強のオフローダーとなっている。趣向を凝らした特別仕様車が多いのも魅力。
■復活を遂げた世界的に有名なピックアップ
TOYOTA
「HILUX」(407万2000円〜)
1968年の登場以来、世界での累計販売台数が1700万台を超えるベストセラーピックアップ。2004年に生産中止となっていたが2017年に復活。「タフ&エモーショナル」をコンセプトに、迫力と躍動感のあるデザインとなり、アウトドアファンから高い支持を受けている。パワートレインは、2.4Lディーゼルに6ATを搭載。定員は5名。
■12年ぶりに帰ってくる新時代のピックアップ
MITSUBISHI
「TRITON」(価格未定)
三菱自動車が世界に先駆けタイで発売した1トンのピックアップトラック。「Power for Adventure」をコンセプトに、ラダーフレーム、エンジン、サスペンションなどを新開発。これからの時代に相応しいピックアップトラック像を具現化している。日本市場への投入は12年ぶりとなり、販売は来年初頭を予定。
■都会派と思いきや悪路も得意なSUV
TOYOTA
「RAV4」(293万8000円〜)
“シティ派SUV”のイメージが強いかもしれないが、現行モデルはオフロードもグイグイ走れる。世界初(当時)となる「ダイナミックトルクベクタリングAWD」を採用し、走行状況に応じて前後のトルク配分や後輪のトルクを左右で独立制御。悪路でも安定した走行を実現している。4WDながら燃費も15.2km/L(WLTCモード)と好燃費。
■実は世界屈指の本格オフローダー
Mercedes Benz
「G-Class」(1251万円〜)
1979年に登場した最高峰クロスカントリーの最新モデル。街中で見かける機会が多いものの、実は世界でも指折りのオフローダーとして有名。基本デザインは踏襲しつつも、ラダーフレームやサスペンションを新設計。最新技術でアップデートし、オン・オフ問わず高いパフォーマンスを発揮する。エンジンはV8 4Lのツインターボを搭載。
※2023年11月6日発売「GoodsPress」12月号70-73ページの記事をもとに構成しています
<文/島下泰久>
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