サムスン電子ジャパンが最新スマートフォン「Galaxy S24シリーズ」の日本発売を発表しました。4月3日から予約受付が開始され、4月11日に発売されます。
海外では1月31日から「Galaxy S24」「Galaxy S24+」「Galaxy S24 Ultra」の3モデルが発売されていますが、日本では最もコンパクトなベーシックモデル「Galaxy S24」と、シリーズ最強のスペックを備えた大画面モデル「Galaxy S24 Ultra」が発売されます。4月3日に発表会が開催され、実機が披露されました。
■スマホの用途を広げる「Galaxy AI」
同シリーズの最大の特徴は、サムスン独自の「Galaxy AI」を搭載していること。
クラウドベースのAIとオンデバイス(端末内)のAIを組み合わせた“ハイブリッド型” で、セキュリティに優れ、レスポンスが速いことも利点。例えば、データの検索・収集にはクラウドにアクセスし、翻訳・要約といった作業はオンデバイスでスピーディーに行われるわけです。
▲サムスンはGalaxy S24シリーズを移動通信サービスの常識を変える全く新しい 「AIフォン」と称している
発表会では、Galaxy AIを用いる機能として「リアルタイム通訳」「テキスト通話」「チャットアシスト」などが紹介されました。
スマホ初搭載となるのは音声通話時の「リアルタイム通訳」。通常の「電話」アプリで外国人と通話する際に、日本語で話すと、指定した言語に通訳される仕組み。相手が外国語で返答すると、日本語に通訳されて聞こえます。発表会では、あらかじめ収録されたデモ映像しか見られませんでしたが、海外渡航時のレストランの予約や、宿泊したいと思っているホテルへの問い合わせなどに役立ちそうです。
▲電話での会話を通訳してくれる「リアルタイム通訳」は日本語を含む13言語に対応
▲使用する言語のパックをダウンロードしておく必要がある
▲タッチ&トライで「リアルタイム通訳」の利用イメージを確認できた。このように会話がテキストで表示される「テキスト通話」も可能
もちろん、リアルで会う人との会話の「通訳」も可能。発表会では、日本語とスペイン語のやり取りのデモが披露されましたが、話し言葉でもスピーディーかつ正確に翻訳されることを確認できました。通訳として使えるアプリは従来からありますが、自然な会話の流れを止めることなく使えることに優位性がありそうです。
▲実際に会った人とのコミュニケーションに使える「通訳」機能は、翻訳されるのを待つ感じはなく、サクサクと使える印象
入力したメッセージを瞬時に翻訳して送信でき、受信した外国語のメッセージを翻訳して表示することも可能。サムスン純正のメッセージアプリだけでなく、「+メッセージ」「LINE」「Instagram」のダイレクトメッセージなどでも利用できます。ユニークなのは、送信相手やシチュエーションに合わせて適切な表現を提案してくれる機能。上司や取引先にメッセージを送りたいが、ていねいな表現に自信がないという人には心強いでしょう。
▲「LINE」のトークでの会話も翻訳できる
▲Samsungキーボードで入力すると、TPOに合わせた最適な表現をAIが提案してくれる機能を使える
プリインストールされている「ボイスレレコーダー」アプリも、Galaxy AIによって便利に使えます。録音した音声の自動文字起こしができて、話者を区分して、翻訳したり、要約したりすることも可能。Google Pixelにプリインされている「レコーダー」など、自動文字起こしができるアプリは増えていますが、同じアプリで翻訳・要約までできるのが画期的。さまざまなビジネスで重宝しそうです。
▲「ボイスレコーダー」アプリでは、「レコーディングアシスト」機能として文字起こし、翻訳、要約が利用できる
▲外国語で書かれたウェブページの翻訳・要約もスピーディーに行える
▲検索バーに文字を入力しなくても、画面内の画像や文字などを指定して検索できるグーグルの「かこって検索」にも対応している
■カメラ&ギャラリーもAIで進化
Galaxy S24シリーズはカメラも強化されています。上位モデルのGalaxy S24 Ultraは約2億画素をメインとする4眼カメラを搭載し、光学10倍相当のズーム撮影が可能。デジタルズームは最大100倍にでき、1倍から100倍までの全ての倍率でAIによる画質補完が行われます。なので、広いイベント会場の後方の席からでもステージを鮮明な画質で写すことが可能。
▲Galaxy S24シリーズのカメラの仕様
▲Galaxy S24 Ultraは2つの望遠を含むクアッドカメラを搭載
▲最大100倍のAIズームで撮影できる
Galaxy S24は5000万画素をメインとする3眼で、光学ズームは3倍、デジタルズームは最大30倍ですが、多くの人にとっては十分すぎるスペックと言えるでしょう。
▲Galaxy S24のカメラは3眼だが、これで十分と思う人は多いはず
Galaxy独自の写真管理アプリ「ギャラリー」の画像編集機能には「生成AI編集」が追加されています。例えば、写真の傾きを直すと、背景が足りなくなり、やむなく主要被写体を一部が欠けるトリミングをしなければならないことがある。その場合に、背景の不足部分をAIが生成してくれます。また、写真内の被写体を移動させたり、拡大したりすることも簡単にでき、そこで生じた余白にも自然な背景が生成されます。
▲「ギャラリー」に「生成AI編集」を追加
▲写真に写った人物を移動させて拡大し、空いた場所に背景を生成といった作業をあっという間に行えた
■2モデルのファーストインプレッション
Galaxy S24/S24 Ultraは、どちらも「Snapdragon 8 Gen 3 for Galaxy」という、現在最高峰のチップをGalaxy向けに最適化したものを搭載。メモリ(RAM)は S24が8GBで、S24 Ultraが12GB。どちらもハイエンド仕様ですが、「原神」のようなヘビーなゲームを楽しむのであれば、S24 Ultraを選んだほうがいいでしょう。
▲ゲーム性能の高さもアピールされた
発表会では、いち早く実機に触れられるタッチ&トライも実施されました。約6.2インチの有機ELディスプレイを搭載するGalaxy S24は、約167gという軽さが魅力。ほとんどの操作は片手でこなせる印象で、サクサクと軽快に操作できました。
▲Galaxy S24はコンパクトで軽く、片手で操作しやすいのが利点
▲落ち着いた光沢を放つ背面パネルも美しい
Galaxy S24 Ultraは約6.8インチの有機ELディスプレイを搭載し、約233gとスマホとしては重め。5000mAhの大容量バッテリーを内蔵し、Sペン(Galaxy専用のデジタルペン)も付属しています。今、日本で買えるスマホの中で最強のスペックを備えていると言って差し支えないでしょう。フレームにチタンを用いており、質感もリッチに仕上がっていました。
▲Galaxy S24 Ultraは約6.8インチの大画面が魅力
▲Sペンは端末に格納できる。手書きのメモをAIがテキスト化して、整理してくれる機能も搭載
▲フレームにチタンを採用し、いかにもハイグレードなデバイスという印象だ
■サムスン直販モデルも同時発売。一番安く買えるのは?
Galaxy S24シリーズは、キャリアではドコモとauが取り扱います。
ドコモはGalaxy S24、Galaxy S24 Ultraのどちらも3色展開で、S24 Ultraのチタニウムブラックのみオンライン限定。価格はGalaxy S24(256GB)が14万5970円。Galaxy S24 Ultraの256GBが21万8460円、512GBが23万2804円、1TBが26万1580円となっています。
▲ドコモが取り扱うモデル
auはどちらも2色展開で、Galaxy S24のオニキスブラックとGalaxy S24 Ultraのチタニウムブラックがオンライン限定。価格は、Galaxy S24(256GB)が14万4800円。Galaxy S24 Ultraは256GBが22万4800円、512GBが23万7800円、1TBが25万9800円。
▲au版のカラバリは、どちらも2色
なお、サムスン直販のSIMフリーモデルもキャリア向けモデルと同日に発売されます。Galaxy S24、Galaxy S24 Ultraともに3色展開で、価格はGalaxy S24の256GBが12万4700円、512GBが13万9000円。Galaxy S24 Ultraの256GBが18万9700円、512GBが20万4100円、1TBが23万3000円となっています。Samsungオンラインショップで予約・購入できます。
▲SIMフリーモデルがキャリア版と同時に発売されるのは、Galaxyでは初めて。なお、キャリア版もSIMロックはかかっていない
すでに発売されているGalaxyのスマホ・タブレットの一部機種が、4月中旬以降にGalaxy AIに対応することも発表されました。Galaxy S23シリーズ、Galaxy S23 FE、Galaxy Z Flip5 、Galaxy Z Fold5、そして、タブレットのGalaxy Tab S9シリーズも対象になります。Galaxy S24シリーズを買わなくても、愛用の機種でGalaxy AIが体験できるので注意しましょう。
▲昨年発売されたGalaxy S23、Galaxy Z Flip5などもアップデートでGalaxy AIに対応する
>> SAMSUNG
<取材・文/村元正剛(ゴーズ)>
村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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