Appleの自動運転車開発プロジェクト「Project Titan」終了の陰で、Apple Watch開発の中心人物であるテクノロジー担当副社長、ケビン・リンチ氏の興味深い担当変更があった、とBloombergのマーク・ガーマン記者が報じています。
Appleの自動車開発撤退の裏で興味深い異動
Appleが自動運転車の開発を断念し、大規模な人員整理に踏み切ったというニュースが話題となりましたが、その陰で重要人物の興味深い人事異動があった、とBloombergのマーク・ガーマン記者がニュースレターPower Onで伝えています。
その人物とは、ケビン・リンチ氏です。
製品計画段階からApple Watch開発を率いてきたリンチ氏はこれまで、最高執行責任者(COO)であるジェフ・ウィリアムズ氏のもと、Apple Watchのソフトウェア部門責任者をつとめています。
リンチ氏は現在、Googleから移籍してきたAI部門の責任者であるジョン・ジャナンドレア氏(機械学習およびAI戦略担当上級副社長)の指揮下に異動しています。なお、リンチ氏とウィリアムズ氏は引き続き、Apple Watchの担当も続けています。
リンチ氏の異動の目的は、混乱しているAppleのAI部門の立て直しにある、と事情に詳しい複数の関係者からの情報としてガーマン氏は報じています。
2021年にはリーダーが抜ける自動車部門を担当
リンチ氏の担当部門変更は、これが初めてではありません。
Appleの自動車開発部門を率いていたダグ・フィールド氏がFordに引き抜かれる数カ月前、リンチ氏は自動車開発部門の担当となっていたのです。
大規模言語モデルをはじめとするAI分野での遅れを取り戻せずにいるAppleのAI部門を立て直すため、優秀なエンジニアリングマネージャーと評価の高いリンチ氏に白羽の矢が立ったとみられます。
もし、ジャナンドレア氏がAppleを去ることになれば、リンチ氏が後任の上級副社長に就任する可能性がある、とガーマン氏は伝えています。
異例のクックCEOのAI製品予告、自信の表れ?焦りか?
現地時間6月10日に開幕する世界開発者会議(WWDC24)で発表されるiOS18では、AIを活用した新機能が数多く投入されると噂されています。
また、iOS18のAI機能をフル活用できるのは、最新モデルiPhone16に限られるとみられています。
屋台骨であるiPhoneを司るiOSにAIを取り込む革新は、Appleにとって失敗の許されない重大事業であり、リンチ氏への期待の高さがうかがわれます。
Appleの役員は、未発表の新製品やサービスについては言及することは滅多にありません。しかし、2024年2月の業績発表や株主総会の場で、ティム・クック最高経営責任者(CEO)が2024年のうちにAI関連の新製品あるいはサービスを投入すると予告し、極めて異例のこととして話題となりました。
これは、業界に先駆けてAIアシスタントのSiriを投入したAppleの巻き返しへの自信の表れなのか、ライバルのMicrosoft(Open AI)やAlphabet(Google)に後れをとっていることへの焦りによるものなのでしょうか。
Source: Power On/Bloomberg
- Original:https://iphone-mania.jp/news-578491/
- Source:iPhone Mania
- Author:hato
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