Appleは今年の世界開発者会議(WWDC24)でついに人工知能(AI)機能群「Apple Intelligence」を発表しましたが、同社にとって最も重要な市場の一つである中国での機能展開は一筋縄ではいかないだろう、と予想されています。
中国には厳しいAI規制が存在
Apple Intelligenceは、音声アシスタントSiriの改良版や、スマート要約機能などが目白押しで、今年の秋に英語(米国)で展開される見通しです。
ですが、中国での展開はそう簡単にはいかないだろう、というのがアナリストたちの見方です。調査会社IDCのデバイスリサーチ担当副社長のブライアン・マー氏によれば、「中国のAIに関する厳しい規則に阻まれる可能性がある」とのことです。
中国のAI規制には、大規模言語モデル(LLM)プロバイダーがモデルの商業利用の承認を得なければならなかったり、生成AIプロバイダーは違法コンテンツを削除しなければならなかったりと、簡単にはクリアできないものが含まれています。
OpenAI以外のパートナーが必須
Apple Intelligenceの機能には、オンデバイスで動作するもの、自社サーバーで動作するもの、そしてOpenAIのChatGPTに頼るものの3つのレイヤーが存在しますが、中国ではすでにChatGPTのネイティブクライアントアプリがApp Storeから取り下げられたこともあり、国内企業パートナーが必要といわれています。
可能性としては、すでに独自のLLMと音声アシスタントを有するBaiduとAlibabaが候補として挙げられています。
オンデバイス以外ではプライバシーの確保は不可?
Apple Intelligenceのオンライン機能「Private Cloud Compute」は、Appleが所有するサーバー上で処理されるためプライバシーが保護されるというのが謳い文句です。
ですが、iCloudの運営さえもサードパーティーが運営する中国のサーバーで行われている状況では、中国での自社サーバー所有は困難とみられています。
AI機能が今後の中国での成功の鍵に
中国でのiPhoneの売上低迷が幾度も取り上げられていますが、理由の一つとしてAI機能が欠如していることが指摘されていました。
Appleが中国ベンダーと競争するにあたってどのようにAI機能を提供できるかが鍵になってきますが、中国国内ではそこまでプライバシーは売りにできそうにないというのが現状のようです。
Source: CNBC
- Original:https://iphone-mania.jp/news-582175/
- Source:iPhone Mania
- Author:lexi
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