【アウトドア銘品図鑑】
去る11月15〜17日、「ペトロマックス ウンダバー」が開かれました。ペトロマックスの世界観に浸るキャンプイベントで、ランタンだけでなくダッチオーブンや焚き火台もフルラインナップ。
タイプの違う焚き火台すべてに薪をくべたのですが、そのときに改めて思い知ったのが「アタゴ」(4万2900円)の優秀さです。
「アタゴ」の登場は2014年ですから今年で10年。個性的なルックスが注目されがちですが、その扱いやすさは目を見張るものがありました。
知ってそうで知らなかった「アタゴ」の魅力に迫ってみましょう。
■多機能な3層構造の焚き火台
「アタゴ」は外枠とその上に伸びる上段の枠、そして火床を支える内枠の3層からなっています。
▲収納サイズφ40×H14cm、重量6.1kg
写真ではわかりづらいのですが、下段の外枠は一重で、上段の外枠は垂直の壁に見えますがじつは裾が広がった二重の壁になっています。
てっきり脚は底に蝶番で取り付けられていると思いましたが、上段の外枠と底にワイヤーで取り付けられています。このおかげでハンドルを持って上段の外枠を持ち上げることで脚が立ち、下げると脚が畳まれるというわけです。
高熱の影響を受ければ一発でワイヤーがやられちゃいそうな構造ですが、底は火床と離れているし、上段は末広がりでやはり離れているので、燃えさかる薪を壁面に立てかけても直接熱が伝わりません。よく考えられています。
▲使用サイズφ40×H28cm
組み立てはハンドルを引き上げ、脚が張り出したことを確認したら地面に下ろすだけ。
使っているうちに脚の動きが渋くなりますが、その場合は手で引き出して。軽い力で引き出せます。
撤収はもっと簡単。下段の外枠を持ち上げれば、上段が下段外枠と重なりながら脚が畳まれます。
▼スター商事による組み立て・撤収の動画
ちなみに地面から火床まで十分な高さを確保できるのでテーブルに載せてBBQグリルにしてもいいんです。
火床と地面との距離が短いので直火できる場所限定ですが、脚をたたんだ状態でも焚き火OK。「アタゴ」を使えば直火ライクな焚き火を楽しめるうえ、灰が地面に残りません。
■深型じゃないけどよく燃える
「アタゴ」は上部が二重壁になった焚き火台です。二次燃焼を促す焚き火台は「パイロン」みたいな煙突状やボックス型でも深いものが多いのですが、それらに比べると炉は浅め。はたしてその効果は?
50cmほどの薪なので飛び出ていますが、キャンプ場で販売されている30〜40cmの薪であればちょうどよく収まります。
炉の内側を見ると、下に大きめの空気孔、上にも小さな穴が点在しています。下の空気孔から入った空気が一次燃焼を助け、炉が暖まってくると上部の穴から熱風が出て二次燃焼を促していることがわかります。
広口なので煙突効果は期待できませんが、高火力であっても燃えすぎ注意というものでもありません。ちょうどいい。
それに取り入れる空気の量を調節するハンドルも付いています。
▲家族みんなで囲めるサイズ
φ40cmという大きめ焚き火台で、おまけに3層構造だからそこそこ重量がありますが、準備も後片付けもめちゃ簡単。
錆びは浮きますが、焚き火の熱を受けてもそうそうひどい歪みはなくロングライフ。
▲「ファイヤーボウル」は熾火でじっくり料理が得意。一方「アタゴ」は熾火を使った保温料理から、中華鍋を振るような豪快料理まで多彩
「アタゴ」の炉にはφ35cm以下のダッチオーブンやケトルがすっぽり入るので、蓄熱性の高さを活かして効率よく調理や保温ができます。少ない木炭でも熱がじんわりと鍋やケトル全体を包み込む。さらに別売の「コンベクションリッド」というアラミド製のふたを使えばより熱を無駄にしません。
カッコいいけどプライスがかわいくないと及び腰な人は多いと思いますが、この多機能ぶりとタフさは適正価格と言えるでしょう。
>> スター商事
<取材・文/大森弘恵>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。X
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/642066/
- Source:&GP
- Author:&GP
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