“Core”な魅力を抽出し、装備をスリム化!購入しやすくなったメルセデス・ベンツ新型SUVの実力は果たして

やっぱりいちどは乗りたいメルセデス・ベンツのSUV「GLC」。2025年3月、GLC220d 4MATICシリーズに、価格を抑えた「Core(コア)」というモデルが追加されました。基本性能は変わらず操縦性の高い、いいモデルです。

■コアな魅力はそのままに、装備をややスリム化して買いやすさを狙ったモデル

2リッターディーゼルエンジンに、全輪駆動システムを組み合わせた日本でのベストセラー、GLC220d 4MATICには2つの車型があります。荷室容量重視の標準モデル(SUVなどとも呼ばれます)と、ちょっとスタイリッシュなクーペ。Coreは2つの車型に設定されています。

Coreとはまさに読んで字のごとく「コアな魅力はそのままに、装備をややスリム化して買いやすさをねらったモデル」とは、企画した日本法人のメルセデス・ベンツ日本の担当者の言です。標準モデルより60万円近く価格が抑えられています。

車体色は3色に限定。室内色もブラックに限定(ただし「AMGラインパッケージ」では2色)、ダッシュボードとドアのトリム材を変更、オーディオの簡略化、えらべるオプションの簡略化、があげられます。通常は豊富なオプションですが、CoreではAMGラインパッケージとパノラミック・スライディングルーフのみが設定されています。

GLCのようなプレミアムモデルでは、豊富なオプションのなかから自分の好みの仕様に仕立てるのを好むオーナーもいるでしょう。一方で、後輪駆動ベースで、剛性感の高い車体に、すぐれた操縦性と、高い機能性で、頼りになる車両としてGLCを手に入れたいと思う人も少なからずいるはず。

■Coreの“いいところ”3つ

私が乗ったのは、GLC220d 4MATIC CoreのSUVタイプ。2890mmのロングホイールベースによる広い後席空間と、620リッターの容積を持つ荷室による機能性が特徴です。かつ、評判どおり、操縦性にすぐれていて、オフロードはあいにく知らないんですが、一般道では運転が楽しめるクルマなのです。

いいところその1は、フレキシブルなディーゼルエンジン。マイルドハイブリッドなのでモーターの力も借りて低回転域から力がぐーっと出て、しかも回転を上げていくときのマナーが期待いじょうにスムーズなのです。音もよくって、これ、ほんとにディーゼルかいな? と思ったほどです。

いいところその2は、ハンドリング。ステアリングフィールはCクラスのようなセダンみたいで、メルセデスの伝統的セダン、つまりCクラスとかEクラスで感じるフィールが健在なのです。

ステアリングホイールをカーブで操作すると、じわーっと車体がロールしていく独特の感覚があります。かつ、ステアリングホイール自体の復元力は弱め。強いトルクで中立付近に戻さないのは、昔からのメルセデス・ベンツ独特の安全思想です。かといって、いわゆるクロスカントリー型SUVのようにフィールがないわけでなく、しっかりと路面のインフォメーションが伝わってきます。

いってみれば上質な操縦性。それに加えて、いいところその3として、剛性感が高いシャシーと、うまく設定されたサスペンションシステムがあります、乗員を揺さぶらないフラットな姿勢保持と、路面の凹凸を吸収してくれて快適な乗り心地が、上質感につながります。

標準のGLC220d 4MATICが876万円。今回のGLC220d 4MATIC  Coreは819万円(ちなみに、GLC220d 4MATICクーペは916万円で、同Coreは866万円)。絶対的な価格をみると、800万円を払える人なら、標準モデルでもいいのでは、と思わないでもないですが、もし57万円を節約したいなら、Coreで失望することはないはずです。

【Specifications】
Mercedes-Benz GLC220d 4MATIC Core
全長×全幅×全高:4720×1890×1640mm
ホイールベース:2890mm
エンジン:1992cc4気筒ディーゼル+マイルドハイブリッド
駆動:全輪駆動
最高出力:エンジン145kW+モーター17kW
最大トルク:エンジン440Nm+モーター205Nm
乗車定員:5名
燃費:18.1km@l(WLTC)
価格:819万円

>> メルセデス・ベンツ日本

<文/小川フミオ>

オガワ・フミオ|自動車雑誌、グルメ誌、ライフスタイル誌の編集長を歴任。現在フリーランスのジャーナリストとして、自動車を中心にさまざまな分野の事柄について、幅広いメディアで執筆中

 

 

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