一度は乗ってみたい、超豪華で超楽しいSUVがベントレー「ベンテイガ・スピード」。パワフルなエンジンとともに走りの機能強化のモデルとして、2025年6月に発表され、同月、米国で乗る機会にめぐまれました。
■最高出力650PS、最大トルク850NmのV8ツインターボエンジン
「サーキットでもオフロードでも、ここまでの性能を持ったSUVはほかにあるでしょうか。私はないと思いますね」
英国ベントレーモーターズの開発責任者がそう語るほど、ラインナップに追加されたベンテイガ・スピードは、気合いの入ったモデルであります。
エンジンは4リッターのV型8気筒ツインターボ。650PS(478kW)の最高出力と850Nmの最大トルクでもって、全輪を駆動します。
パワーを最大限活かすため、電子制御技術でもって、サスペンションシステム、ブレーキ、トランスミッションなどをコントロール。さらに後輪操舵システムも備えています。
米国西海岸近くで、国境をはさんでカナダに隣接しているモンタナ州で乗ったとき、広大な牧場もドライブコース。クルマ1台が通れる砂利敷きの道が屈曲しながら上ったり下ったりのコースを走りました。
■砂利道でも目をみはる安定感
3000万円を超える超高級SUVのベンテイガ・スピード。もしコースから飛び出して車体にキズつけたらたいへん…と乗る前から背中にいやな汗をかきました。
ところが、安定感たるや、目をみはるものでした。ドライブモードは「ベントレー」モード。一般ではノーマルモードにあたるものです。
砂利道で静止状態からおもいっきりアクセルペダルを踏み込みました。すると、一瞬のあと滑りやすい路面をしっかりグリップし、まっすぐ、まさに矢のように車体が飛び出しました。
そこから急ブレーキ。一瞬だけリアが流れましたが、ごくわずかな量だし、車体はまっすぐに前を向いて、即座に停止です。「スポーツ」モードでは、あえてリアを流すようなドライブができます。
■オンロードでの走行性能
サーキットは走れませんでしたが、先に書いたように、オンロードの走行性能の高さは、ベンテイガ・スピードのもうひとつの特長です。
カーブを曲がっていくのが大得意で、スポーツカーのような軽快さと思うぐらい。今回、「スピード」モデルをハイブリッド化しなかったのは「軽量化を追求したため」と、先の開発責任者は説明。
特にオフロードでも試した「スポーツ」モードが真価を発揮するのはオンロード。今回は一般道なので、節度ある走りに終始しましたが、それでもたとえ速度が上がっていなくても、加減速における俊敏さや、操縦安定性の高さはびんびん伝わってきました。
一方、「ベントレー」モードあるいは「コンフォート」モードでの乗り心地は良好です。剛性をアップしたというシャシー、路面の凹凸をていねいに吸収するサスペンションシステム、それにクッションの厚いシートなどで、ゆったりとした気分で乗っていられます。
ドライバーズシートが特等席ですが、実は、長いホイールベースを活かした余裕ある空間を持つ後席も気持ちよい場所です。とくにホールド性がより高い独立タイプのシートを並べた2人がけの後席は、雰囲気とともに快適。
大きな荷物を運びたいっていう人は、後席は「2+1」シートを選ぶといいでしょう。中央部が倒れて長尺モノも運べます。
素材や色も選択肢が多様で、SUVの美点が豊富なのがベンテイガ・スピードの魅力だとかんじられました。
【Specifications】
Bentley Bentayga Speed
全長×全幅×全高:5144×2010×1728mm
ホイールベース:2995mm
車重:2470kg
エンジン:3996cc V型8気筒
駆動:全輪駆動
最高出力:478kW
最大トルク:850Nm
0-100kph加速:3.6秒
最高速:310kph
乗車定員:4(5)名
価格:3408万円
<文/小川フミオ>
オガワ・フミオ|自動車雑誌、グルメ誌、ライフスタイル誌の編集長を歴任。現在フリーランスのジャーナリストとして、自動車を中心にさまざまな分野の事柄について、幅広いメディアで執筆中
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/684449/
- Source:&GP
- Author:&GP
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