約45秒でセルフ健康診断!「HUAWEI WATCH 5」ひとつで健康もスポーツもしっかりカバー

ファーウェイ・ジャパンが6月3日に発売したスマートウォッチ「HUAWEI WATCH 5」を使ってみました。

ファーウェイは複数のスマートウォッチをラインナップを展開していますが、HUAWEI WATCHは先進的な機能をいち早く搭載するフラッグシップシリーズ。HUAWEI WATCH 5は3モデルが用意され、46mmのブラックが6万4800円、46mmのパープルが6万9800円、42mmのベージュが6万9800円(2025年7月10日時点の公式オンラインストアでの価格)。売れ筋のWATCH GTシリーズやWATCH FITシリーズより、やや高い価格設定になっています。

▲筆者は46mmのパープルをiPhone 16 Proとペアリングして使った。なお、Androidにも対応している

 

■未来感のある球面デザイン。強度も支障なし

HUAWEI WATCH 5は円形の文字盤を搭載し、球面のサファイアガラスで覆われています。高級感はありますが、アナログの腕時計とは一線を画する未来感のあるデザイン。筆者がレビュー用に借りたパープルは1.5インチの有機ELディスプレイを搭載し、多彩な文字盤デザインから好きなものを選んで設定できます。

▲未来感のある球面フォルム。カラーによって材質が異なり、筆者が試用したパープルはケースにチタニウム、背面にセラミックが用いられている

▲スマホに「HUAWEI Health」アプリをインストールして、ウォッチと接続し、各種設定を行える。文字盤はダウンロードして追加できる

球面ガラスなのでキズがつかないかと不安だったのですが、サファイアガラスは非常に丈夫で、何度か物にぶつけたりしましたが、細かいキズすらついていませんでした。アクティブに使っても問題なさそうです。

ウォッチの厚さは約11.3mm。腕に巻くと、かなり分厚く感じましたが、数日で気にならなくなりました。ただし、シャツの袖口には多少余裕が要るでしょう。

▲やや厚みがあるのが気になるところ

▲背面に光学式心拍センサー、体温センサーなど、各種センサーを搭載

ベルトは汗や熱に強いフルオロエラストマー製。ワンボタンでカチッと外せる仕様で、サードパーティー製のベルトに交換することも可能。ですが、本体とベルトが一体感のあるデザインになっているので、そのまま使うのがよさそうです。

▲フルオロエラストマーベルトの表面には立体織物加工が施されている

 

■わずか45秒で身体の状態を総チェックできる

HUAWEI WATCH 5の最大の特徴は、右側面に搭載された「HUAWEI X-TAP」。圧力センサー、電極、PPGセンサー(光電式容積脈波センサー)を一体化したセンサーで、ここに指を当てるだけで、心電図、心拍数、血中酸素レベル、体表面温度、ストレスレベルをまとめて測定できるというもの。

▲右側面には回して操作できるデジタルクラウン、HUAWEI X-TAP、機能ボタンを搭載

使い方は簡単。HUAWEI X-TAPを軽く押すように人差し指(他の指でもよい)を当てると「3 、2、1」というカウント表示が出て、まず心電図が測定されます。画面に表示される案内にしたがって30秒静止。その間に心拍数も測定されます。30秒が経過すると、指を外して、引き続き静止。15秒じっとしていることで、血中酸素レベルなどが測定されます。また、一定時間装着していることで、心拍変動(HRV)、情緒、睡眠時呼吸乱れも測定されるようになっています。

▲右側のX-TAPセンサーに指を当てて3秒で測定が始まる。カウントダウン中に体勢を整える

▲画面に表示される案内に従って測定開始

▲X-TAPセンサーには電極が搭載されていて、30秒間指を当てることで心電図が測定される

▲続いて15秒間の測定で、血中酸素レベル、体表面温度などが測定される

▲7項目の測定結果が表示された

▲個別の測定結果を確認できる

それぞれを別に測定することもできますが、その場合、それぞれのアプリを起動させる手間が生じます。HUAWEI X-TAPによって、わずか45秒で、簡易なセルフ健康診断ができるわけです。無精な人でも容易に習慣づけられること請け合いです。

▲詳細な結果は「HUAWEI Health」アプリで確認できる。睡眠の質も細かく分析される

日本の医療機器として承認された心電図機能を搭載するスマートウォッチはまだ少なく、Apple Watch(Series 4以降とUltra)とHUAWEI WATCH(WATCH 5、FIT 4 Pro、GT 5 Pro、D2)のみ。測定できるのは心房細動だけなので、おそらく多くの人は毎日正常であることを示す「洞調律」と表示されるでしょう。しかし、継続してチェックすることで病気の早期発見につながるかもしれません。実は、筆者は循環器に基礎疾患があるのですが、筆者のような人にとっては非常に心強い機能であり、結果をプリントして医師に見せたりすることもできます。

▲心電図の測定結果はプリントアウトしたり、PDFファイルにしてオンライン診療で共有したりできる

 

■ワークアウト機能は下位モデルと同等

ワークアウト機能も充実しています。100種類以降のワークアウトモードを搭載し、その中にはゴルフ、登山、水深40mまでのダイビング、スキーなども含まれます。

ファーウェイは近年、ゴルフのナビゲーション機能に力を入れていて、上位モデルではゴルフ場マップをインストールするとグリーンまでの距離がわかったり、風速や風向きがわかったり、プレイを後押ししてくれる情報を得られます。全国2300以上のゴルフ場マップを「HUAWEI Helath」アプリからダウンロード可能。筆者はゴルフをしないので自分では試していませんが、以前、取材でデモンストレーションを見せてもらったときには位置情報の精度の高さに驚かされました。

▲利用するゴルフ場のコースマップをダウンロードして、ウォッチに同期できる

▲ゴルフ場ではGPSと連携してナビゲーションされる

HUAWEI WATCH 5には「マップ」アプリがプリインストールされていますが、オフラインで利用できるマップもインストール可能。登山ルートのGPXデータを読みこむこともでき、登山中にオフラインでも現在地を確認でき、来たルートを戻る案内も利用できます。

▲等高線入りのオフラインマップをダウンロードしたり、ウェブから入手した登山ルートを読み込んで、オフラインマップに重ねて表示したりもできる

筆者は主にランニングやウォーキングで使いましたが、画面が大きいので情報が見やすく、ランニング時に距離やペースを知らせてくれる音声ガイドも便利に感じました。「HUAWEI Health」アプリで詳細な記録を振り返られることも利点。

▲画面が大きく、視認性が高いことが利点

▲ワークアウト後は「HUAWEI Health」アプリで詳細な結果が見られる

ただし、ワークアウト機能は下位モデルのWATCH GT 5 ProやWATCH FIT 4 Proと同等で、HUAWEI WATCH 5独自の機能は見当たりませんでした。毎日の運動の記録のために購入を考えているのであれば、それらのモデルを選ぶのが得策かもしれません。

なお、HUAWEI WATCHには「ボディメーカー」という独自機能があり、WATCH 5にも搭載されています。食事で摂取したカロリー量を入力すると、ウォッチが算出した消費カロリー量と差し引きされて、カロリーの過不足がわかるというもの。ウォッチで簡単に入力できるなど、以前よりも使い勝手が向上していました。「今日は食べ過ぎたから少し走ろう」など、運動の動機付けになる良い機能だと感じました。

▲「ボディメーカー」はダイエットに役立つこと必至

 

■eSIMを入れると、単体での通話・SMSが可能

前モデルのHUAWEI WATCH 4に続き、eSIMに対応していることも魅力。スマートフォンと接続しなくても、ウォッチ単体で電話を発着信できるわけです。ただし、Apple WatchやGoogle Pixel Watchのように、スマホと同じ電話番号を併用する「ワンナンバーサービス」などには非対応。HUAWEI WATCH 5で使う回線を新たに契約する必要があります。プレスリリースによると、2025年5月1日時点でソフトバンク、KDDI、楽天モバイルのeSIMで利用できることが確認されているとのこと。前モデルはドコモ回線にも対応していたと記憶しているので注意が必要です。

筆者はIIJmioのau回線のeSIMを契約。まず「HUAWEI Health」アプリにインストールし有効化すると、すぐにウォッチに同期され、使えるようになりました。実際に試したところ、電話の発着信、SMSの送受信ができ、「マップ」アプリでナビゲーションを利用できることも確認できました。スマホを持たずにランニングする時はもちろん、スマホが電池切れしたときの予備回線として役立ちそうです。ですがやはり、ワンナンバーへの対応を期待したいですね。

▲eSIMは「HUAWEI Health」アプリで設定する。「2つのデバイスで1つの番号を共有」が推奨されるが、日本では利用不可。「スタンドアロン番号」を選択する必要がある

▲「HUAWEI Health」アプリで通信事業者が発行したeSIM情報のQRコードを読み取るなどして有効化すると、ウォッチに自動でインストールされて利用可能に

 

■唯一の弱点はウォレット機能がないこと

バッテリーは「標準モード」で約4.5日間、「節約モード」で約11日間持つとのこと(46mmモデルの場合)。使い方によって結構差が出るようで、筆者は常に「標準モード」で、毎日40分ほどGPSを使い、就寝時にも装着していましたが、5日以上持ちました。充電は週に1〜2回で済むでしょう。

▲付属の充電器で充電もスムーズに行えた

ウォッチを装着して手の親指と人差し指を用いる「スマートジェスチャー」機能も新たに追加されていました。電話の応答やアラームの停止などをスムーズに行える機能で、個人的にはさほど必要とは思いませんが、今後の機能強化に期待したいところ。

強いて残念なところを挙げると、Suicaなどの決済サービスは利用できません。HUAWEI WATCH 5にはNFCが搭載されていて、国・地域によってはファーウェイ独自の決済サービスが利用できるようですが、日本では利用できません。Suicaなどの交通系ICカード、あるいはクレジットカードのタッチ決済に対応してくれたら…と思ったのが本音。ですが、そこに妥協できれば、申し分のないスマートウォッチと言えそうです。

>> HUAWEI「HUAWEI WATCH 5」

<取材・文/村元正剛(ゴーズ)

村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。

 

 

 

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