オフロード特化モード搭載! “究極のタフさとラグジュアリーさを併せ持つ特別な存在”ランドローバーのSUV「ディフェンダー・オクタ」

英国から「ディフェンダー・オクタ」というSUVがやってきました。日本でも人気のディフェンダー110をベースに、オンロードとオフロードどちらでも性能アップしたモデルです。

SUVとひとくちに言っても、キャラクターはさまざま。ディフェンダーは、イメージ的には懐のあったかい人が乗る、ぜいたくなクルマ。

オクタは、しかし、たんに豪華なクルマではありません。オフロードとオンロードともにかなりの性能ぶりを堪能させてくれるSUVなのです。2025年6月に、バカンスシーズンが始まる前の鬼押出しかいわいと、オフロードコースの浅間サーキットを走って、感心しました。

■ディフェンダー初のオフロード走行パフォーマンスに特化した専用モード搭載

オクタは「(ランドローバーの)4x4ファミリー史上最もタフで、最も走破性が高く、最もラグジュアリーな新たなヒーローモデル」とうたわれるクルマ。

ベースになったディフェンダー110より車高を28mm上げ、悪路でのロードクリアランスをより広く確保。渡河深度も1mと、かなりのものです。

「6Dダイナミクスサスペンション」を採用。足回りの設計を見直すとともに、従来のコンポーネンツの一部を強化し、アクティブダンパーを組み込むなどしています。

はたして「オンロードではロールを抑え、いかなる路面においても、他に類をみない信頼感と制御性を確保」とメーカー。「オクタ」モードというドライブモードを起動させると、オフロードでの走破性がうんと上がります。

オクタモードは、ステアリングホイールのスポークに設けられたボタンで起動させます。「ディフェンダー初のオフロード走行時のパフォーマンスに特化した専用モード」と説明されるドライブモードです。

私も前述の浅間サーキットのオフロードコースで、オクタモードを試す機会にめぐまれました。石がごろごろしている路面と、アップとダウン、それにカーブが多いコースです。

オクタモードを選択すると、そんな道でも安心してドライブすることが出来ます。小さなカーブだろうと、けっこうな速度を維持して入っていけるし、直線ではさっと加速します。

オクタモードの本質的な性能は、タイヤの接地性を確保するところにあるようです。グリップをつねに保つのが、クルマを安全にかつ速く走らせるための基本。

しっかりした操舵感と、反応のよい加速性を体験すると、オクタモードの効果が伝わってきます。ためしに、がばっとアクセルペダルを踏み込んでみましたが、タイヤが石を弾き飛ばすような加速はしません。

安全に着実に、がランドローバーの考えるオフロード走行の基本なのだと、オクタモードを体験すると実感します。オフロードで加速性を発揮するオフロードローンチモードもあるにはあるし、自分好みの設定を選ぶことも可能です。

■究極のタフさとラグジュアリーさを併せ持つ特別な存在

ディフェンダー・オクタは、2026年のダカールラリー参戦も決まっていて、メーカーの本気度が感じられます。

オンロードでの走行も、48ボルトで駆動される電気モーターを使ったパワフルな8気筒エンジンを搭載していながら、やたらスポーティというものではありません。トルクもたっぷりありますが、どちらかというとリラックスして走っていられるかんじ。

操舵したときも、車体の反応はクイックすぎず、かといって鈍ではありません。ドライバーである私と“会話”しながら走るような、絶妙ともいえる設定です。

加速も同様。アクセルペダルの踏み始めところはストロークが長い設定。つまりちょっと踏んだだけでがばっと加速するのでは、このクルマの使用目的からして、ふさわしくないということです。

意識的にアクセルペダルを踏み込んでいくと、力強い加速がはじまります。アクセルペダルの踏み方は、オーナーになれば、すぐなれるでしょう。

速度を上げての走行時は、6Dダイナミクスサスペンションが車体のロールを抑え、高いコーナリング能力を発揮してくれます。

室内の基本デザインは、ディフェンダー110に準じたもの。機能主義的造型と、質感の高い素材の組合せが独特の世界観を作っています。

着座位置も高く、ボンネットもよく見えます。オフロードでの長年の経験が、基本デザインを生み出したことに思いが至ります。

オクタは「ボディ&ソウルシート」なる、音楽再生をたのしめるシステムを組み込んだフロントシートを搭載。バックレストに背中をくっつけていると、音楽が自分のまわりで広がって聞こえます。

究極のタフさとラグジュアリーさを併せ持つ特別な存在、というのがメーカーの言。オクタの車名は「地球上で最も硬く、魅力的な鉱石であるダイヤモンド(の8面体(octahedron)形状)からとられたそうです。

いい音楽を聴きながら、オフロードだってこなしちゃう。他に類のないクルマづくりが堪能できるクルマであります。

【Specifications】
Defender Octa
全長×全幅×全高:4940×2065×2000mm
ホイールベース:3020mm
車重:2610kg
エンジン:4394cc V型8気筒マイルドハイブリッド
駆動:全輪駆動
最高出力:467kW
最大トルク:750Nm
乗車定員:5名
価格: 2099万円~

>> ランドローバー

<文/小川フミオ>

オガワ・フミオ|自動車雑誌、グルメ誌、ライフスタイル誌の編集長を歴任。現在フリーランスのジャーナリストとして、自動車を中心にさまざまな分野の事柄について、幅広いメディアで執筆中

 

 

【関連記事】
◆リムジン顔負けの居住性と悪路も走れる走破性! ランドローバーの8人乗りSUV新型「ディフェンダー130」は全方位的にすごい
◆最強のオン/オフロード性能! 最大トルク850NmのV8エンジン搭載SUV・ベントレー「ベンテイガ・スピード」
◆71年ぶりの進化でキャラ変!新しいランドローバー「ディフェンダー」は舗装路もイケる


Amazonベストセラー

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA