クッソ暑い日は甘くて苦くて冷たいベトナムコーヒーが飲みたくなる

今年もやっぱり暑い。こうも暑いと飲みたくなるのがベトナムコーヒー。脳天に突き刺さるような甘~い飲み物を摂取したくなるんですよ。なぜだかわかりませんが。

ベトナムコーヒーといえば、コンデンスミルクが入ったアイスコーヒー"カフェスダ"(cà phê sữa đá/カフェスアダー)が有名です。いまや下手すりゃ東南アジアのベトナムより暑い日本で、カフェスダづくりにレッツチャレンジ。

 

■現地に近い味にするにはコーヒー選びが大事

用意するのは3つ。

カフェフィン(cà phê phin)というベトナムコーヒー用のドリッパーと、コーヒー粉(豆を買って自分で挽くもアリ)、そしてコンデンスミルク。

カフェフィンは、かなり前に買ったような気がする手持ちのものを使います。

▲左上から時計回りに、ドリッパー、下皿、中蓋、上蓋

カフェフィンは4つのパーツに分かれていてサイズはコンパクト。ベトナムに行くと、いろんなところで500円ぐらいで売ってます。

そして肝心要のコーヒーは、チュングエン(TRUNG NGUYÊN)のコーヒー粉「SANG TAO 1」を入手しました。

チュングエンは、ベトナムのスーパーに行けば必ず売っているインスタントコーヒー「G7」や、ベトナム全土に店舗展開しているチュングエンレジェンドというカフェを手掛ける企業。これは、そんなチュングエンのスタンダードなコーヒー粉なんですが、ポイントは「1」であること。

数字いくつまであるかは忘れちゃいましたが、たしか「1」だけはロブスタ100%なんです。これがより現地感のあるベトナムコーヒーにしてくれます。

▲粉は中挽きぐらい。焙煎は深めで、ダークチョコのような香りが特徴。めっちゃいい香り

そして3つめはコンデンスミルク。これがないとカフェスダができません。

▲商品名は“トーじいちゃん”という意味らしい。ヒゲすごい

ベトナム食材店で見つけたヴィナミルク(VINAMILK)の「オーントー(Ông Thọ)」(購入価格270円ぐらい)。ベトナムの大手乳製品メーカー・ヴィナミルク社の超定番コンデンスミルクです。

これで役者はそろいました。ではさっそく淹れていきます。何も難しいことはありません。モノさえあれば、誰でも簡単に激甘&激苦のカフェスダが作れちゃいますよ。

 

■コツらしいコツはありません

では順を追って見ていきましょう。

▲コンデンスミルクを耐熱コップに入れます。量は20g程度でいいんですが、何度か作って好みの量を見つけるのがいいかも

▲コップの上にカフェフィンの下皿、その上にドリッパーをのせ、ドリッパーに粉を入れます。粉の量は12~15g程度が目安ですが、こちらも好みに合わせてOK。苦みを強くしたいならいっぱい入れるのもアリです

▲粉の上に中蓋をのせます

▲ドリッパーに粉を入れると、ちょっとだけ下に落ちてきますがちっちゃいことは気にしない(笑)

▲ゆっくりお湯をドリッパーに注ぎます。まずは20gぐらい注いで30秒ほど蒸らします。この蒸らしの工程はなくても問題なし。面倒ならすっ飛ばしましょう

▲30秒ほど経ったら、100gほどお湯を注ぎます。水位がドリッパーの高さの6~7割ぐらいまでになればOK。蒸らしなしで一気にお湯を注ぐ場合は、7~8割ぐらいの高さになると思います

▲あとは蓋をして落ちきるのを待つだけ

▲コンデンスミルクの上に濃~いコーヒーがポタポタ落ちてきます。どちらも濃いため決して混ざりあうことがないビジュアルが強烈!

▲7~10分程度でコーヒーが落ちきります。ポタポタ落ちてこなくなったら終了です。終わったら蓋をお皿代わりにして下皿ごとのせられるのが便利

▲最後に氷をめいっぱいぶち込みます。これにてカフェスダの完成!

どうです? 簡単じゃないですか? コンデンスミルクや粉の量も、大体でOK。何度が淹れていく中で、もうちょっと苦くしたいなと思ったら粉を増やせばいいし、甘さを抑えたいならコンデンスミルクを減らせばいい。適当にお湯を注いでもまったく問題なし。なのに美味しい。最高です。

自宅ベランダにキャンプ用のチェアとコンパクトテーブルを出して、ベトナムの街角にあるカフェのテラス席気分に浸ります。が、暑い…。

マドラーでコーヒーとコンデンスミルクと氷が混ざるようにガシガシかき混ぜたら、いただきます。

く~~~~っ、甘い! そして苦い! まず強烈な甘さが襲ってくるんですが、間髪入れずに強烈な苦さも感じます。決して混ざり合うことのない甘さと苦さ、これこそがカフェスダの魅力。そして、炎天下35℃を超える暑さの中で飲むと、ものすごく美味しい。普段、コーヒーには何も入れないんですが、カフェスダだけはなぜか飲んじゃうんですよね。

 

■旅行者からも愛されているカフェスダ

今年5月にベトナム・ハノイに行った時は、歩き疲れたら、そこら中にあるローカルなカフェやチェーン系カフェで“カフェスダ”飲みまくってました。

ベトナムは、コーヒー生産量が世界2位(1位はブラジル)というコーヒー大国。そして主な栽培品種がロブスタ(カネフォラ種)であることが他の生産国とは異なる特徴になります。普段、我々がよく飲んでいるドリップコーヒーはアラビカ種。アラビカはフルーティな酸味がありますが、ロブスタはなんといっても強烈な苦みという個性を持っています。

そんな苦いコーヒーだからこそ、ミルクで割って飲みやすくしようと思うのは当然です。でも今ほど冷蔵技術が発達しておらず、新鮮なミルクを入手するのが難しかった時代に、常温保存が可能なコンデンスミルクを入れて飲んだことが、カフェスア/カフェスダというベトナムコーヒーが生まれたきっかけだといいます。

カフェスダは、アメリカの旅行&グルメメディア「Taste Atlas」が発表した"Best Coffee Types in the World"で「Vietnamese Iced Coffee」として6位に入っているように、世界中の旅行者からも愛されるコーヒーです。暑さでバテた体に甘くて苦くて冷たいコーヒーは、本当に染みるんです。興味ある人はぜひチャレンジしてみてください。

▲こちらはコンデンスミルクなしのカフェデンダー(Cà phê đen đá)。ミルクは入ってなくても甘い場合が多い(甘さが必要ないなら注文時にノーシュガーと言えばOK)。チェーンではなく街角のカフェでは、口直し用にチャダー(Tra da)というアイスティー(蓮茶の場合が多い)も一緒に出してくれることがあります

<取材・文/円道秀和(&GP)

円道秀和|&GP編集部所属。担当ジャンルはITデジタル、オーディオビジュアル、ホビー他。好きなものはコーヒー、旅行、キャンプ、乗り物全般、カレー、ラーメン、アジア料理、小さいギア。好きが高じてSCAJコーヒーマイスターの資格を取得。

 

 

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