デザイン一新の「Xperia 10 VII」 カメラが使いやすくて音もいい!

ソニーが9月12日に、ミッドレンジスマートフォンの最新モデル「Xperia 10 VII(エクスペリア テン マークセブン)」を発表しました。9月中旬以降に、日本を含むグローバルで発売されます。いち早く実機に触れることができたので、インプレッションを交えて、特徴を紹介します。

 

■画面左右比やカメラレイアウトを変更

Xperia 10 VIIは、昨年7月に発売された「Xperia 10 VI」の後継モデル。ですが、新シリーズと呼びたくなるほど、デザインが変更されています。まず、従来は21:9だった画面の縦横比が19.5:9になりました。これはハイエンドのXperia 1 VIIと同じ画面比で、Xperia 1シリーズでの好評を受けて、10シリーズの仕様も変更した形です。

▲左がXperia 10 VII、右が前モデルのXperia 10 VI。前モデルと同じ約6.1インチだが、左右比の変更により、表示領域が広くなった。また、リフレッシュレートも60Hzから最大120Hzに向上した

▲上がXperia 10 VII、下がXperia 10 VI。16:9のコンテンツを表示した場合の表示面積は約13%広がった

従来モデルでは、リアカメラは左上に縦並びで搭載されていましたが、Xperia 10 VIIではレンズが横並びになっています。一見、Google Pixelに似ていると思うかもしれませんが、カメラ部はさほど出っ張っておらず、全体的にフラットな印象です。

▲左がXperia 10 VII、右が前モデルのXperia 10 VI。レンズのレイアウトが変更された

▲カメラ部は出っ張っているが、背面パネルと同一色で一体感がある。カメラ部の上にスペースを設け、端末を横向きにして撮影する場合に、手がレンズにかかりにくいように配慮されている

本体サイズは約153×72×8.2mmで、重さは約168g。Androidスマホは大画面化の傾向にあり、ミッドレンジでも重い機種が増えていますが、Xperia 10 VIIは軽くて、片手で操作しやすい印象。

▲片手で扱いやすいサイズ感

▲右側面に音量ボタン、指紋センサーを兼ねる電源ボタン、そして新設の「即撮りボタン」を搭載

▲左側面にはnanoSIMとmicroSDのスロットを搭載。eSIMにも対応している

カラバリはターコイズ、ホワイト、チャコールブラックの3色。いずれもマット仕上げで、スムーズな手触りでした。

▲カラバリは3色

▲カメラ部は本体カラーに馴染み、下方向にグラデーションになっている純正のクリアケースも販売される。透明な部分にお気に入りの写真などを入れられる趣向

 

■新搭載の「即撮りボタン」はスクショも撮れる

リアカメラは超広角(約1300万画素)+広角(約5000万画素)の2眼。望遠カメラはありませんが、広角カメラは画像センサーの中心部を使って光学2倍相当で撮影することが可能。広角カメラの画像センサーが前モデルの1/2.0インチから1/1.5インチへと大きくなり、暗い場所での撮影性能が向上したことも特徴としています。なお、フロントカメラは約800万画素。

▲超広角+広角のデュアルカメラを搭載

▲センサーサイズが大きくなり、低照度性能が向上

そして、最も大きな特徴が右側面に「即撮りボタン」が搭載されたこと。長押しでカメラが起動し、再度押すと撮影できます。カメラを起動してから長押しすると動画撮影がスタートします。また、即撮りボタンを押すだけでスクリーンショットを撮ることも可能。うっかり触れただけで撮れたスクショが溜まっていくのでは…と心配になる人は、この機能をオフにすることもできます。

▲右側面の「即撮りボタン」を長押しするだけでカメラが起動。片手で持った場合に親指を当てやすい位置にあり、非常に使いやすい印象

ハイエンドのXperia 1シリーズにもシャッターボタンはありますが、配置が若干異なり、Xperia 10 VIIではやや高い位置に搭載されています。縦向きでの撮りやすさに配慮したもので、ポケットから出して片手で素早くシャッターを切れることが利点。なお、1シリーズとのシャッターボタンとは異なり、半押しやAFロックには対応していません。

 

■ミッドレンジながら、とことん高音質を追求

内蔵スピーカーの音質向上も図られています。前モデルもフロントステレオスピーカーを搭載していましたが、左右のスピーカーに差分がありました。前モデルでは右側(縦向きの下側)のスピーカーだけがエンクロージャー(箱)に囲まれていて、左側のスピーカーはいわば剥き出しの状態でした。そのため、端末内にも音が伝わり、本体が振動したり、音が濁ったりする原因になっていたとのこと。Xperia 10 VIIでは、左右どちらのスピーカーにもエンクロージャーを採用し、音圧・音質が向上しています。

▲Xperia 10シリーズでは初めて左右のスピーカーユニットにエンクロージャーを採用

実際に聴き比べてみると、左右のバランスがよく、臨場感のあるサウンドを楽しめました。ささやくようなボーカルや、静かに刻まれるドラムなど、細かい音も明瞭に聴こえました。

▲いくつかの楽曲を聴き比べてみたが、違いは明瞭だった

ワイヤレスイヤホンで聴く場合の快適性も改善。Bluetoothの送信電力が前モデル比で2倍になり、音が途切れにくくなったとのこと。通信環境によってビットレートが最適化される「Adaptive Bitrate」にも対応し、ソニーのワイヤレスイヤホンと接続させた場合は、人混みが多い場所でも音が途切れにくいそうです。

また、有線ヘッドフォンで聴く場合の音質も向上。LRチャンネルクロストークが低減され、音のクリアさと立体感、低域の音圧が向上したとのこと。こちらも前モデルと聴き比べさせてもらいましたが、ソニー製のハイグレードなヘッドホンでハイレゾ音源を聴いたためか、前モデルでも非常にいい音で聴こえて、筆者の耳には小幅の進化と感じました。

▲3.5mmのオーディオジャックを搭載し、お気に入りのヘッドホンで聴けることも魅力

世界的な音響メーカーとして、ソニーはXperiaの音質にも注力していますが、ミッドレンジの10シリーズの音にここまで力を入れたのは初めてではないかと思います。音楽を聴くことが多い人が満足すること請け合い。ですが、とことん音質を追求するなら、上位モデルのXperia 1 VIIが優位であることは言うまでもないでしょう。

 

■バッテリーは2日持ち、4年使い続けられる

プロセッサーはSnapdragon 6 Gen 3。RAMは前モデルの6GBから8GBへと増えています。内部ストレージは128GBですが、microSD(最大2TB)を装着して拡張可能。

バッテリーは5000mAh。ソニーによると標準的な使い方で1日使っても50%以上残り、2日以上の連続使用を見込めるとのこと。

4年使っても劣化しにくい超寿命バッテリーを搭載。また、OSバージョンアップは最大4回、セキュリティアップでアップデートは6年間と長くなったため、安心して長く使えそうです。

▲電池寿命やソフトウェアのアップデート期間も長くなった

昨年来、スマホの機能としても注目を集めているAI。ですが、Xperia 10 VIIのAI機能は少なめ。Xperia独自のAI技術は、カメラや音響性能などに生かされているそうですが、ユーザーが能動的に使うものとしては搭載されていません。しかし、GoogleのAIサービスにはしっかり対応。電源ボタンの長押しで「Gemini」、ホームボタンの長押しで「かこって検索」を起動可能。「フォト」アプリの多彩な編集機能も利用できます。

Xperia 10 VIIは、10シリーズの従来モデルより、機能や使い勝手がワンランク上がった印象。まだ販売チャネルや価格は発表されていませんが、多くの通信事業者からミッドレンジ相当の価格で発売されると予測されます。

>> ソニー「Xperia 10 VII」

<取材・文/村元正剛(ゴーズ)

村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。

 

 

 

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