尻尾の縞模様を変更して『ジュラシック・ワールド/復活の大地』仕様スピノサウルス完成!【ジュラシック・パークIII スピノサウルス 】

【達人のプラモ術】
エクスプラス
「1/35 ジュラシック・パークIII スピノサウルス」
03/03

今回でスピノサウルス完成です。いつもより短い連載での完成ですが、エクスプラスのスピノサウルスは、ビギナーモデラーでもストレスなく組み上げることができる良キットなので、映画を見たあとの興奮覚めやらぬテンションでモデリングが楽しめる、それも匂いのないアクリル絵の具での塗装で気軽に楽しめちゃいます。ウィークエンドモデリングで是非チャレンジしてみてください。ハマること請け合いですよ。(全3回の最終回/1回目2回目

長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。タミヤ公式YouTubeチャンネルなどでもハウツーレビューを配信中。

 

■尻尾の縞模様を塗り直す

前回、復活の大地版スピノサウルスの特徴でもある背ビレから尻尾にかけて派手なオレンジの縞を体に描き込み、復活の大地版スピノサウルスがほぼ完成! となったワケですが、シマシマに塗り分けた長い尻尾がアライグマみたいになってしまい、これじゃない違和感がありまくりだったので、塗り直しました。

リング上に塗り分けていたオレンジの帯を、胴体と同じく背中側から下側に伸びる縦縞状に修正しました。また同時に、オレンジの色調がやや暗く感じたので、塗り重ねることで明度をアップ。体色とに比べてより明るく鮮やかに見えるようにしています。

▼Before

▲劇場販売されていたスピノサウルスのオモチャを参考に、当初は尻尾を縦縞に塗り分けたのだが、凶暴な肉食恐竜のはずが、そこだけアライグマみたいになってしまった

▼After

▲尻尾の模様は、胴体から尻尾にかけて自然に繋がるイメージで、背骨側から腹側に入る縦縞状のパターンに塗り直した

▲俺は凶暴だぜ! と周りに主張する警戒色のイメージで、オレンジ自体も色を塗り重ねて明度をアップ

▲縞模様がより鮮やかに見えるように変更した

 

■目と口腔内はグロス塗装で生物感を強調

体の縞模様を塗り直して、良い感じになったので、くわっと開いた口腔内を仕上げていきます。

体のサイズに比べて小さな目は、ほんの少し濁らせた白で塗り、わずかに赤で周囲を囲み、涙腺部分が充血しているような感じを再現。そこから爬虫類的な縦に長い瞳孔を黒で書き込んでいます。乾燥後にグロスバーニッシュ(U-35用ツヤ出し剤)を上からの塗ることで、ギラリと輝く目に仕上げます。にしてもスピノサウルスは目つき悪いです、悪役顔してます。

口腔内と口を大きく開くための付け根のヒダ状の部分(正確にはなんと呼ぶんだろう?)はピンク系の色で塗り、濁らせた赤を重ねて陰影をつけていきます。長く大きな舌はやや赤みをもたせた色調で塗装、グロスバーニッシュを塗り重ねてヌラヌラした感じを出しています。

いかにも肉食! って感じの鋭い歯は濁らせた白で塗装しています。

▲いかにも凶暴な肉食恐竜といった感じの目。縦長の瞳孔は爬虫類イメージで描いていく(注:恐竜は爬虫類ではない)。目から鼻腔にかけての凹んだ部分は、薄めた黒を差し色で追加し、複雑な顔のシルエットを強調している

▲口腔内はグロスバーニッシュを塗り重ねて光沢を出し、ヌラヌラ感を強調。歯は白にわずかにローアンバーを加えて、黄ばんだ感じに塗装する

▲手と足の爪は下地に白を塗ってから黒とローアンバーを塗り重ねて、黒い爪に仕上げている。展示用のベースは口腔内と同じくグロスバーニッシュを上から重ねて、濡れた泥の感じを演出

 

■スピノサウルス完成しました!

いやー、恐竜の筆塗りは楽しいです。自身の想像力を活かして自由に塗れますからね。

さてキットには、簡易の丸い展示台ベースと、崩れたクレーンなども再現されたジオラマ風のベースが付属しています。ジオラマ風のベースには、スピノサウルスが跳ね上げた水飛沫がリアルに再現されているんですね。これを使わない手はないなぁと思い、ジオラマベースも製作しちゃいました。キットのベースをそのまま使っても良いのですが、今回は『ジュラシック・ワールド/復活の大地』仕様なので、イメージ的には海岸です。

座礁した船から逃げ出した人間たちを波打ち際で追いかけるスピノサウルス、といったイメージで自作しました。ベースはいつものようにスタイロフォームを使い、そこにキットの水が跳ね上がるベースを埋め込んで固定。モデリングペーストで波を表現し、岩はスタイロフォームから削り出しています。

海面や岩はスピノサウルスと同じくU-35の筆塗りで仕上げています。 さらに今回は、南の海のギラッとした感じを出したかったので、水面はタミヤの透明エポキシ樹脂を塗布して透明感を強調してみました。簡単な展示ベースですが良い感じになったと思います。やはり映画の雰囲気を出すならば単体より、やっぱりジオラマですね。

▲キットのベースには走るスピノサウルスを強調する水飛沫がパーツで再現されている。作例はこのパーツを活かしてジオラマベースを自作している

▲自作した展示ベース。サイズは30×20cm。海面はアクリル絵の具のブルーを重ねて表現。今回は透明感が高い透明エポキシ樹脂を流して南海の青い海を再現

▲タミヤ「透明エポキシ樹脂」(1980円) 水を再現するのに最適な、透明度が高く黄変しにくいエポキシ樹脂。主剤と硬化剤を2:1の割合で混ぜることで約24時間で完全硬化。粘度が低く、型などへ注入することも可能。タミヤカラー・エナメル塗料を混ぜて着色もできる

▲キット付属のパーツベースに組み込んで、波打ち際を水を跳ね上げて人間を追い回して捕食しようとするスピノサウルスを表現

▲映画のスピノサウルスは、泳ぎも得意で海で魚を狩っていたという学説に基づいており、大きな背びれでサメのように水面を切り裂きながら船を襲ってくる

 

■『ジュラシック・ワールド/復活の大地』スピノサウルス・ジオラマギャラリー

>> [連載]達人のプラモ術

<製作・写真・文/長谷川迷人>

 

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