【大“電動化”時代到来!特集「バッテリー」】
多くの人にとって絶対に避けたいシチュエーションが“スマホの電池切れ”。通信や支払いができなくなるのは、本当に死活問題です。スマホの重要度が格段に上がった今、電池切れ=使えないを避けるべく、備えてとしての「モバイルバッテリー」の存在感が以前より増しています。
とはいえ、普及が進むことで新たな懸念も。それが“発火問題”。電車内や飛行機内でモバイルバッテリーが発火したり発煙したりといったニュースをここ1~2年よく耳にするようになりました。
かといって持ち歩かないわけにはいかない。ではどう扱うべきで、何が危険なのか。身近なわりに意外と知らないモバイルバッテリーの基本的な部分から寿命、そして捨て方までを、アンカー・ジャパンに聞いてきました。
▲今回、モバイルバッテリーについて教えてくれた、アンカー・ジャパン株式会社 事業戦略本部 チャージング事業部 リードマネージャーのバッカーホルスト 飛勇さん
■モバイルバッテリーを使ううえで気をつけるべきこと
「そもそもリチウムイオン電池はの影響を受けやすく取り扱いには注意が必要です」
そう話すのは、アンカー・ジャパンでモバイルバッテリーや充電器等の事業責任者を務めるバッカーホルスト 飛勇さんです。
「だからモバイルバッテリーについても、衝撃を与えないことが重要です、そして水気(みずけ)も避けてください」

見た目がシンプルで、外側にはポートぐらいしかないため忘れがちですが、モバイルバッテリーも電化製品。そのためショートする可能性もあります。たとえ防水機能付きのものでも、使用時は通電することになります。そのため基本的には水濡れは避けるべきとのこと。
また気温や温度にも気をつけるべきだと言います。
「Ankerのモバイルバッテリーの使用範囲は0~40℃としていて、それ以下もしくはそれ以上は危険になってきます。たとえば夏場にクルマのダッシュボードに置き忘れてしまうなどは危険です。車内に置きっぱなしは避けてください。また氷点下も避けたほうがいいですね。スマホでもそうですが、氷点下ではバッテリー残量が100%から急に0%になったりなど温度環境によって通常とは異なる挙動が起こることがあります。このような極端な気温はバッテリー本体の寿命を考えても避けたほうがいいですね」
落としても外観には影響がないように思われるため、とかく雑に扱いがちなモバイルバッテリーですが、よく言われているように衝撃を与えることは絶対NG。また雨の日に外で、つなぎっぱなしでスマホを使うといった場面もあるかもしれませんが、こちらも避けましょう。
■そもそもモバイルバッテリーの寿命とは
見た目や機能のシンプルさゆえに、そもそも寿命が分からないのもモバイルバッテリーにはありがちな話。リチウムイオン電池でいえば、ガラケーしかなかった頃は、残量がある状態での継ぎ足し充電はバッテリーの寿命を縮めるから避けたほうがいい、なんて話もありました。
「今のモバイルバッテリーでは、そこまで気にする必要はないですね。内部でしっかり制御されていて、残量が0%に近い時は出力を上げて充電したり、100%に近づいてきたら出力を抑えたりといった機能が搭載されています。バッテリーの残量次第で電圧を調整するといったイメージです」
ただし、長期間使用しない場合は気をつけるべきことがあるといいます。
「過放電になってしまうと、モバイルバッテリーが使えなくなってしまうことがあります。なので、長期間使わない場合も、定期的に充電したほうが故障しにくくなります」

0%の状態が続くと、安全装置のようなものが作動してモバイルバッテリー自体が使えなくなってしまうそう。保管時は残量20~80%の状態が理想といいます。それ以上やそれ以下の場合は、状態を見て定期的に充電してあげる。リチウムイオン電池が自然放電もすることを考えると、過放電によって気付かないうちに残量20%以下になってしまう可能性があります。だからこそ、たまに充電してあげる必要があるということですね。
「災害対策という観点でも、やはりある程度充電されていたほうがいいですよね。いざという時に残量ゼロでは困りますから」
ここまでの話の中で、「長持ちする」といったモバイルバッテリー自体の寿命の話が出てきましたが、そもそもどうなったら寿命と捉えればいいのでしょうか。
「技術的な話になりますが、メーカーとしてはモバイルバッテリーにはサイクル回数というものを設定しています。空っぽの状態から充電して100%になり、そこから0%まで使い切って1サイクルです。そして現在、モバイルバッテリーで主に使われている三元系のリチウムイオン電池は、300~500サイクル繰り返すと寿命としています。この寿命とは、“リチウムイオン電池の容量が当初の80%を下回った時”となります」
このあたりピンと来づらいかもしれません。たとえばiPhoneの場合で考えると、「バッテリーの状態」で表示される最大容量と同じようなものだと思えばいいかもしれません。新品時のバッテリー容量と比べて、現在使えるバッテリー容量は何%かがポイントで、これが80%より下になると寿命と考えるべき、となります。
Ankerの場合、一部の製品でサイクル数を確認できるモノがあり、今後はそういったモデルも増やしていきたいとのこと。
「毎日使う人であれば、1年から1年半ほどで寿命になると考えておけばいいと思います」
▲5000mAhのような小型のモバイルバッテリーは、頻繁に使い切って充電しているという人は多いのでは。こちらは5000mAhの「Anker Nano Power Bank (22.5W, Built-In USB-C Connector) 」(3490円)
普段使っているモバイルバッテリーは数年前に買ったもので頻繁に使ってるから、もう寿命かも。なんて思った人もいるのではないでしょうか。容量が80%以下になったとして使おうと思えば当然使えてしまいます。では寿命と言われる状態でも使うリスクはあるのでしょうか。
「そもそもバッテリー自体が消耗品なので、内部の部品やバッテリーセル自体が古くなってくると、摩耗などが原因で充電不良を引き起こし、最悪の場合には発火などのリスクにつながることはあります」
そういう意味では、同じくリチウムイオン電池が入っているスマホはよくできているのかもしれません。2年で買い替えというサイクルができていて、買い換えることでバッテリーに関するリスクを避けられるようになっています。とはいえ最近は、長期間使う人も増えてはいますが。
月に1回や週に1回しか使わないという人であれば、2年以上使っていても問題ないですが、ほぼ毎日使ってモバイルバッテリーを充電しているという人は注意してください。
では、寿命がきたモバイルバッテリー、どうやって捨てればいいのでしょうか。近年はリチウムイオン電池を可燃ごみと一緒に出して、清掃車で圧壊され発火するという事故も起きています。
「我々もいま、省庁や自治体と一緒に捨て方の啓発活動を行っているところです。捨てようと思ったら、まず住んでいる自治体に確認してみてください。ごみとして出せる場合もあります。ただし、何ごみの日にどうやって出せばいいのかは自治体によって異なるので、そこを確認してもらえればと思います。またメーカーが回収していたり、家電量販店などの販売店で回収ボックスを設置していることもあるので、そちらもメーカーサイトなどで確認してみてください。廃棄できる場所自体は増えてきています」
▲Ankerのモバイルバッテリーには、PSE認証ロゴや飛行機への持ち込み可能かを示すマークなどと並んで、ゴミ箱に×が書かれたマークも描かれている
モバイルバッテリーだけでなく、リチウムイオン電池を搭載している製品は以前と比べて大幅に増えました。使えなくなった、または使わなくなったリチウムイオン電池搭載製品を、いらないからと可燃ごみで捨ててしまうのはもってのほか。また保管しておいてもリスクはあります。だからこそ、廃棄方法は誰もが一度確認しておくべきことなのかもしれません。
また購入の際は事前に、回収を行っているメーカーなのか、使わなくなった場合はどうすればいいのか、これらをしっかり情報提供しているメーカーのものを買う、といったことも大事になってくるのではないでしょうか。
■人気モバイルバッテリーの特徴
モバイルバッテリーは大まかに、5000mAh前後の小容量モデル、10000mAhの中容量モデル、20000mAh以上の大容量モデルと、3つの容量帯があります。
▼小容量モデル=スマホ約1回分(※)
▲5000mAh「Anker Nano Power Bank (22.5W, Built-In USB-C Connector) 」(3490円)
▼中容量モデル=スマホ約2回分
▲「Anker Power Bank (10000mAh, Fusion, Built-In USB-C ケーブル)」(7990円)
▼大容量モデル=スマホ約4回分ないしはノートPC約1回分
▲「Anker Power Bank (20000mAh, 87W, Built-In USB-C ケーブル)」(7990円)
※厳密には5000mAhではスマホを1回フル充電ができないこともあります。詳しくはこちらの記事にて
>> 5000mAhのモバイルバッテリーでiPhone 17をフル充電できないって知ってた?
では、どのあたりの容量が売れているのでしょうか。
「最も売れているのは10000mAhですね。充電するのはスマホだけで十分です、という人であれば、サイズとしてもさほど持ち歩くのに苦ではないので、いいのではないかと思います。ただおもしろいのが、オンラインストアでは圧倒的に10000mAhが人気なんですが、家電量販店などの店頭では5000mAhも同じぐらい売れているんです。外出先で必要になった人がパッと見て、サイズで選ばれているのかもしれません」
たしかに10000mAhの実物は案外大きくて重く、つなぎながらスマホを使うことを考えると5000mAhを選んでしまうのも納得ではあります。
▲コンセントプラグとUSB-Cケーブルが付いているモデルが増加中
「プラグ一体型、もしくはケーブル一体型というものが昨年、一昨年頃から伸びています。またケーブル巻取り式のものがモバイルバッテリーに限らずACアダプター(充電器)にも増えていて、このようなモデルは荷物を減らしたい女性やビジネスパーソンに人気がありますね」
▲ケーブル巻取り式の「Anker Nano Power Bank (10000mAh, 45W, 巻取り式 USB-Cケーブル)」(6990円)
さらにマグネット式ワイヤレス充電に対応したタイプも増えてきているといいます。
「販売量はかなり増えています。やはりラクですから。それにワイヤレスでの充電速度も、元々は7.5Wしかなかったものが、今は速いスマホだと25Wのものも出てきています。そういった充電技術の進化というところも大きいかと思います」
▲「Anker Nano Power Bank (5000mAh, MagGo, Slim)」(6990円)
元々、ワイヤレス充電タイプのモバイルバッテリーは海外では売れていたといいます。
「これは私の仮説なんですが、日本の場合、スマホケースにMagSafeといったマグネット式に対応していないものを使用している方がとても多いんじゃないかなと。そういう事情もあってか、海外と比べて日本では普及が遅くなったという部分はあるかと思います」
* * *
発火事故や、それを受けての飛行機内での使用の厳格化など、安全面を懸念されることが増えたモバイルバッテリー。
Ankerでは昨年、中国本社の開発部門で自社ラボを設立し独自の安全性試験を行うなど、品質と安全性の向上に努めているとバッカーホルストさんは話します。またモバイルバッテリーの外殻部分には難燃性の高い素材を使い、電気の入力、蓄電、出力という3つのプロセスそれぞれに保護機能を搭載するなど、かなり厳しい基準を持って製造しているとのこと。
容量やサイズ、デザイン、機能といった部分で選びがちなモバイルバッテリーですが、やはり安全性という部分も選ぶうえでの大事な要素になってきます。気軽に購入する前に、まずはメーカーサイトで安全面や廃棄方法をしっかりチェックしてから買うことが必要になってくるのではないでしょうか。
>> Anker
<取材・文/円道秀和(GoodsPress Web) 写真/湯浅立志(Y2)>
【関連記事】
◆5000mAhのモバイルバッテリーでiPhone 17をフル充電できないって知ってた?
◆Anker最強のモバイルバッテリーといえば、やっぱり「Primeシリーズ」でしょ
◆Anker初! 毎日の携帯に便利なケーブル内蔵型の急速充電器が便利そう
- Original:https://www.goodspress.jp/howto/716465/
- Source:GoodsPress Web
- Author:GoodsPress Web
Amazonベストセラー
Now loading...