【今こそ知りたい!カメラの世界】
今、世間では空前のコンパクトデジタルカメラブーム。各メーカーからこぞって新しいコンデジが登場しているうえに、若い世代を中心にスマホではなくコンデジを持ち歩き、撮影するというムーブメントが巻き起こっています。コンデジのデザイン自体もそうですし、スマホに比べて少し不器用っぽく撮れる写真たちが“エモい”と人気のようですが、やはりカメラメーカーの真髄は一眼にあります。言わば技術の結晶と言っても過言ではない一眼カメラ。
とは言え、何を選べば良いかと問われると実に難しい問題。そこで今回は初心者でも扱いやすい、「軽量性」と「コンパクト性」に特化した一眼カメラをピックアップ。小さいのにそのスペックの高さは言わずもがな。早速一眼カメラの世界に触れていきましょう。
■一眼カメラの最大のメリット。それはレンズ交換にアリ

何と言っても一眼カメラとコンデジの1番の違いはレンズが交換できるかどうかではないでしょうか。一般に単焦点とズームレンズがありますが、そのどちらも得意なフィールドが異なります。レンズにおいて何を選ぶかは、ひとえに「何を撮りたいか」。単焦点はその名の通り、焦点距離(=画角。写真が写る範囲)が固定されています。それだけ聞くと使い勝手が悪いように思うかもしれませんが、その代わりにズームレンズと比べてレンズ自体が明るいため暗所にも強く、明るいが故に開放(最小F値)で撮影すると背景を効果的にボケさせられます。
また、ズームレンズは単焦点と逆でさまざまな焦点距離で撮れるため、例えば遠くの被写体を撮影したり、逆に近くのものを撮影したりと表現のレンジが広がります。普段、どのようにカメラを使いたいか、これによって単焦点レンズにするかズームレンズにするかを考えると良いでしょう。このレンズを選べる、というのはコンデジにはない要素。コンデジは確かに取り回しに長けているカメラですが、より写真による表現を楽しみたいのであれば、レンズ交換式の一眼カメラに分があるわけです。
■日本の5大メーカー勢揃い! 初心者~中級者まで楽しめる軽量&コンパクトなデジタル一眼カメラたち
世界では、特にドイツと日本がカメラ大国と言われています。ユーザーが多いというよりも、この2か国が知名度・技術ともに高いカメラを作るメーカーが集まっているのです。そこで今回は日本のメーカーに絞って軽量&コンパクトなデジタル一眼をご紹介。世界に誇る日本の技術、そしてデザイン性に注目です。
1. ジャパン・カメラのパイオニアが送り出す本格コンパクト一眼
ニコン
「Z50II 16-50 VR レンズキット」(公式オンライン価格:16万6100円)

日本のカメラメーカーの筆頭株、ニコン。その歴史は古く1917年まで遡り、名前の由来は創業当時の会社名「日本光学工業」の頭文字から来ています。それだけにその技術は折り紙付きで、作家やプロ、そして初心者まで幅広い層に支持されているメーカーです。この「Z50II」はAPS-Cサイズ/DXフォーマットカメラとしてニコンでは初めて「イメージングレシピ」に対応。有名なクリエイターが作成した「イメージングレシピ」を取り込むことで好みの表現・画作りが可能になっています。

また、シャッターボタン近くにピクチャーコントロールボタンを新たに搭載。瞬時に「イメージングレシピ」や「ピクチャーコントロール」を変更でき、そのまま背面モニターで確認できます。加えて9種類もの被写体検出機能で、人物(顔、瞳、頭部、胴体)や犬、猫、鳥、飛行機、クルマ、バイク、自転車、列車と設定しておけば優先してピントを合わせてくれるスグレモノ。もちろん動画にも対応し、4K UHDによる美しい撮影が可能です。ボディサイズ約127×96.8×66.5mm、重量約495g(本体のみ)。
▲ザ・一眼レフ、な硬派な印象のボタン類
▼明所と暗所のメリハリは流石の一言
▲f/5.6、1/125秒、ISO400、32mm(35mm換算で48mm)、スタンダードモードで撮影(JPEG、ノーレタッチ)
今回、基本的には同じ条件(同じにできないモノは近い条件)で撮影してみました。暗所と明所、そのいずれも飛びや潰れが少なく、それでいてコントラストはしっかりとある、流石はニコンと言うべき仕上がりです。ニコンはデジタル黎明期から良い意味でニュートラルと言いますかフラットな写真が撮れるイメージでしたが、進化した今も撮影者が撮影したあとに自分好みに現像・出力しやすい画となっているのがわかります。
>> ニコン
2. プロからも信頼が厚いソニーの軽量&コンパクトモデル
ソニー
「α7C II」(公式オンライン価格:30万6900円~)、「FE 24-50mm F2.8 G」(公式オンライン価格:18万400円)

ミラーレス一眼をここまで一般的にしたのはソニーの功績が大きいでしょう。特に「α」シリーズはプロだけではなく、本格的に写真や動画を楽しみたい初級~中級ユーザーからも人気を博しています。静止画はもちろんですが、ソニーのカメラはご存じの通り動画にも強く、最高60pの4K動画も撮影できるため静止画・動画どちらも始めたいという人には特に勧めたい1台。動きが早い被写体を撮影しても自然で滑らかな映像を記録でき、「S-Cinetone」をピクチャープロファイルのプリセットとして搭載しているため美しい肌色を再現します。加えて、「AIプロセッシングユニット」でAIによる高度な被写体認識、そして高精度なAFを実現しています。

この「α7C II」が凄いのはコンパクトでありながらもフルサイズのCMOSセンサーを採用しているということ。これにより高画質で高いクオリティの撮影が可能になっています。さらに最新の画像処理エンジンとAEアルゴリズムで画面内の顔の肌領域を検出して最適な明るさに調整。逆光でも直射日光下でも美しい仕上がりに。また、カメラ内には全10種類のプリセット「クリエイティブルック」を搭載。好みに合わせた画作りが静止画でも動画でも選べるため、さまざまな表現が楽しめます。ボディサイズ約124×71.1×63.4mm、重量約429g(本体のみ)。
▲多機能なのにボタン周りは至ってシンプル
▼明るさ、色味、そのすべてが好バランス
▲f/5.6、1/125秒、ISO400、50mm、スタンダードモードで撮影(JPEG、ノーレタッチ)
ご覧の通り、明るすぎる箇所は抑えられ、暗いところは明るく起こしてくれているのが見てわかります。細部までしっかりと表現されていて、“撮って出し”の状態でここまでクオリティが高いのか、と正直驚きました。とは言え無理矢理調整している感じも一切せず、自然な仕上がりでソニーの技術の高さが伺えます。正直、この1台があればどんな被写体でも撮れるだろうと信頼と期待に胸が膨らむ、そんなパーフェクトなカメラです。
>> ソニー
3. フィルム一眼を彷彿とさせるクラシカルなデザインが魅力
富士フイルム
「X-T30 III」(公式オンライン価格:15万2900円)、「フジノンレンズ XC13-33mmF3.5-6.3 OIS」(公式オンライン価格:5万5000円)

「写ルンです」や銀塩写真フィルムでお馴染みの富士フイルム。最近では「チェキ」シリーズも人気ですが、デジタル一眼も注目すべきメーカーです。同メーカーのカメラで特筆すべき点はやはりそのデザイン。「X half」などフィルムカメラ時代からひと際目を引く個性豊かな名品を多数世に送り出しています。こちらの「X-T30 III」もレトロなフィルム一眼を彷彿とさせる質実剛健なルックスが逆に新鮮。デジタル一眼でありながら、“エモさ”も持ち合わせた1台です。

次に特徴的なのが背面のモニター。他メーカーでは横に出せるタイプが多いのに対し、「X-T30 III」は基本的には縦移動。可動域は横出しタイプよりも狭いものの、素早く構図を確認できるため、まさにスナップ向き。軽量でコンパクトということもあり、スナップシューターとしての機能を高めていることがわかります。また、ユニークなのが全20種類のフィルムシミュレーションモード。階調やコントラストなどフィルムの色合いをデジタルで再現しています。まさにフィルムメーカーならではな仕様です。ボディサイズ約118.4×82.8×46.8mm、重量約329g(本体のみ)。
▲ボタン類もクラシカルなフィルムカメラを彷彿とさせる
▼富士フイルムらしい自然で明るい仕上がりに
▲f/6.3、1/80秒、ISO500、32mm(35mm換算で48mm)、スタンダードモードで撮影(JPEG、ノーレタッチ)
こちらはf/6.3、1/80秒、ISO500と若干ほかのカメラとは違う撮影条件にカメラ・レンズの仕様上なっていますが、そこまで大きい変更にならないように撮影した1枚。F値は数字が大きいほうが被写界深度(ピントが合う範囲)は深くなり、全体がくっきりするものの、背景のボケも自然に仕上がっています。暗所部分も自然に明るくなっていて明暗のバランスも良いため、これからカメラを始めようと思っている人にもうってつけな1台と言えるでしょう。
>> 富士フイルム
4. 無駄な装飾を省いた武骨なルックスが男心をくすぐる1台
ルミックス
「DC-S9」(公式オンライン価格:19万3050円)、「S-R1840」(公式オンライン価格:7万1280円)、「S-R2060」(公式オンライン価格:7万3260円)

国内大手家電メーカーのパナソニックによるカメラブランド、ルミックス。2001年からスタートし、四半世紀にわたりファンを獲得し続けています。同ブランド最大の特徴は、やはりライカのライセンス許諾を受けた高性能レンズが挙げられるでしょう。その高性能なレンズに加え、約24.2MのフルサイズCMOSセンサー、そしてライカと共同開発したエルスクエア・テクノロジー搭載のヴィーナスエンジンで高精細でありながらも自然な質感の写真撮影を可能にしています。また、他ブランドと一線を画すソリッドなデザインもユーザーを魅了します。

また、ルミックス「DC-S9」はファインダーが付いていません。ミニマルなデザインに合わせているのもあると思いますが、ファインダーを普段覗かないスマホやデジカメに慣れた現代の人たちに使い勝手を合わせているとも言えます。しかし、機能面はご安心を。進化したリアルタイム認識のオートフォーカスや手ブレ補正システムで暗所や動きのある被写体の撮影もラクラク。シンプルで使いやすく、それでいて機能的というあらゆる面で無駄のないカメラなのです。ボディサイズ約126×73.9×46.7mm、重量約403g(本体のみ)。
▲海外メーカーのフィルムカメラのようなソリッドなルックスがかっこいい
▼ディテールの色彩まで逃さない豊かな表現力
▲f/6.3、1/125秒、ISO400、40mm、スタンダードモードで撮影(JPEG、ノーレタッチ)
ルミックス「DC-S9」で最も感じるのは色彩の力強さ、表現力の豊かさ。ほかと同じくレタッチをしていない状態で、白飛びしがちな空などもしっかりと青さと言いますか、空の色が表現できています。また、背景に生い茂る緑も自然で美しい色味です。暗所はやや暗いものの、それでも潰れていませんし、それはレタッチや露出測光を暗所部に合わせれば問題ないですし、撮って出しの状態で色調にこだわる人にとっては特に満足行くカメラではないでしょうか。
>> ルミックス
5. 見た目の可愛らしさに反して機能・表現力は本格派
キヤノン
「EOS R50」(公式オンライン価格:11万1100円~)、「RF-S55-210mm F5-7.1 IS STM」(公式オンライン価格:6万500円~)

歴史ある国内カメラメーカーの雄、キヤノン。1937年に創立されて以来、プロ・アマ問わず幅広い層に愛されています。特にキヤノンの超望遠レンズは、野球やサッカーなどプロスポーツの現場で構えているカメラマンたちの姿を一度は目にしたことがあるはず。そんなキヤノンはデジタル黎明期からプロ用だけではなく初級者にも注力しており、「EOS Kiss」が初めてのカメラだったという人も多いのではないでしょうか。この「EOS R50」も「EOS Kiss」のようにコンパクトで扱いやすいカメラとなっています。

キヤノンの魅力のひとつ、それは他社では見られないボディカラーの採用にあります。ブラックやシルバーが多い中、こちらの「EOS R50」は潔い純白カラー。ポップで可愛らしい外見ですが、機能はしっかりとキヤノンクオリティ。被写体に自動で照準を合わせ続けるオートフォーカス機能や高速AF、連写性能、そして暗所でもノイズが少ないクリアな撮影を可能にするAPS-Cサイズのセンサーと映像エンジンDIGIC X。おまけに必要に応じて自動で複数枚の画像を合成し、最適な仕上がりへと導いてくれる「アドバンスA+」など嬉しい機能が詰まっています。ボディサイズ約116.3×85.5×68.8mm、重量約329g(本体のみ)。
▲55~210mmというレンジの広いズームレンズ。多様なレンズが選べるのもキヤノンならでは
▼ズームレンズでもこの表現力。そこには確かなキヤノンの技術力が
▲f/5.6、1/125秒、ISO400、55mm、スタンダードモードで撮影(JPEG、ノーレタッチ)
こちらは使用したレンズが55-210mmだったため、55mmで撮影した1枚。ほかの数値は極力別のメーカーと合わせています。やや望遠気味ですが、それでも背景はまだまだボケが利いていますし、表現力の高さが伺えます。それでいて超軽量なのにブレはほとんど見られません。また、暗部も比較的自然に明るく起こされていて、さすがはキヤノンと言ったところ。色彩のバランスも良く、まさにデジタル一眼の入門機と言っても差し支えないでしょう。
>> キヤノン
<取材・文/手柴太一(GoodsPress Web) 写真/高橋絵里奈>
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- Original:https://www.goodspress.jp/features/721159/
- Source:GoodsPress Web
- Author:GoodsPress Web
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