【ビギナー歓迎。いま知っておきたい最新カメラ事情】
最近、20代を中心に独特の雰囲気がレトロでエモいと人気を集めているのがフィルムカメラ。 今回は“今、新品で買えるもの”だけを実際に編集部員が使用し、それぞれのカメラの魅力と作例を紹介。
連載「趣味カメラの世界」で監修・執筆をされているプロカメラマンの田中利幸さんを交えて、アナログだからこその写真の楽しみ方を再確認していきます。

田中利幸(たなかとしゆき)|ファッション誌などでブツ撮りやポートレートを中心に活動するフォトグラファー。カメラ・ガジェット好きで自身で運営するブログ「Tanaka Blog」において、カメラやガジェットに関するちょっとマニアックなことを書いている。
■誰もがお世話になったアナログカメラと言えば「写ルンです」
富士フイルム
「写ルンです」(実勢価格:2800円前後)

まず紹介するのは、富士フイルムの「写ルンです」。1986年に発売された“レンズ付フィルム”で、1980年代から90年代にかけて大ヒットしたアイテム。30代以上であれば誰もがお世話になったはず。そんな「写ルンです」ですが、スマホが当たり前になった現在でもその独特の風合いで若者を中心に人気再燃中。

説明するまでもありませんが、操作はシンプル。本体右上のダイヤルを回してフィルムを巻き、シャッターを押すだけで撮影可能。本体前面のスイッチを上にスライドするだけでフラッシュを焚けますが、このフラッシュを使った写真がノスタルジックな雰囲気でエモいというのがブーム再燃の理由のひとつ。

昔は観光地のお土産屋さんなどに吊るしてあり、1000円程度で手軽に買えた懐かしい記憶があります。撮影前に“カリカリカリ…”とフィルムを巻く行為が懐かしい…。フラッシュも昔はチャージに時間がかかっていましたが、今はすぐに光るんだね。現像するまでどんな写真が撮れているか分からないっていう、かつては当たり前だったそのワクワク感がやっぱりイイ!(編集部・円道)
■モダンで落ち着いたビジュアルの“THE アナログカメラ”の王道「チェキ」
富士フイルム
「“チェキ” instax mini 41」(実勢価格:1万6500円前後)

1998年に発売され、撮ったその場で現像できる手軽さで一世を風靡した“チェキ”。カメラを構えてシャッターを切れば、“ウィーン”という音とともにフィルムを排出。待ってる間にじわじわと画像が浮き上がっていく様子を皆でワクワクしながら待っていた、なんて経験をした人も多いはず。そんなチェキですが、アナログモデル以外にもアナログとデジタル(そして動画も!)を組み合わせたハイブリッドモデルがラインナップ。令和の世でもレトロな写真の楽しさを伝え続けています。

今回紹介するモデルは、アナログモデルの中でもクラシックなビジュアルでつい持ち運びたくなるような「“チェキ” instax mini 41」。専用プリント紙「チェキ専用フィルム 1パック」(814円)を背面にセットし、シャッターリングを回して電源ON。ファインダーを覗いてシャッターを切るだけのシンプルな構造。ただ、さすがは令和版チェキ。シャッタースピードやフラッシュの光量は、シーンに合わせて自動で調整してくれます。アナログだって進化してる!
フィルムが1パック10枚入りなので、“しっかり狙って撮らなきゃ”という緊張感(?)が久々に楽しい! 「“チェキ” instax mini 41」にはカメラ正面に“セルフィーミラー”があり、“クローズアップモード”(接写時に中心をずらさずに撮影できる機能)を使えば、思った通りの自撮りを手軽にできるのも嬉しい。ギュウギュウに集まって撮る写真ってなんだか楽しいものですね、おじさん同士でしたけど(笑)(編集部・ヤマケン)
>> 富士フイルム「“チェキ” instax mini 41」
■令和の本格派アナログカメラ筆頭。ひと手間が楽しい「PENTAX 17」
リコーイメージング
「PENTAX 17」(8万8000円)

1952年に発売された同社初の一眼フィルムカメラから半世紀以上を経て登場した、「これぞフィルムカメラ!」といったレトロなデザインの「PENTAX 17」。約20年ぶりに登場したアナログカメラの上部には懐かしの旭光学のロゴが印字され、往年のカメラ好きなら思わずニヤリ。そのほか、ISOや露出、撮影モードを変更するダイヤル類がズラリと並ぶサマは、クラシカルな王道フィルムカメラといった趣でとにかくかっこいい。

この「PENTAX 17」はハーフカメラ。35ミリ判(36×24mm)フィルム1コマに2コマずつ記録するため、1枚の写真に2枚の画像が現像されます。なので、横イチにしたい場合はカメラを縦に構え、縦イチにしたい場合はカメラを横に構えて撮影します。この感覚はスマホ撮影にはない面白い仕様です。また、2つの画像が1枚に現像されるため、連続性が生まれるのも楽しいポイント。また、薄型かつ軽量(電池込み約315g)で、いつでもどこでも持ち運びたくなる逸品です。
>> このひと手間が楽しい。「PENTAX 17」と過ごす、フィルムカメラのある日常

本体は割と軽く作られていますが、撮影後にフィルムを「カリカリ」と手動で巻く操作など、現代においてあえてフィルムカメラらしい硬派な機能・デザインに仕上がっています。せっかくのハーフカメラなのでストーリーを考えながら撮影していたんですが、現像してみたらうっかりズレちゃってて。でもそれが意外な写真がつながりを産んでくれたりして、その“偶然性”もまたこのカメラの魅力のひとつかも。(編集部・若澤)
■アイコニックなデザインに一目惚れ。元祖インスタントカメラの「ポラロイド」
Polaroid(ポラロイド)
「Polaroid Now Generation 3」(2万4900円)

撮影後すぐに現像できる“インスタントカメラ”として、1947年に登場した「ポラロイド」が、クラシカルなデザインはそのままに、色鮮やかなカラーと基本機能を向上させて生まれ変わったのが「Polaroid Now Generation 3」。この独特の本体形状はポラロイドならでは。このオンリーワンのデザインも長年愛され続ける人気のひとつです。フィルムカメラ全盛の時代には“ポラを切る”と言って、プロのカメラマンが撮影前のチェックとして「ポラロイド」を使っていたなんて歴史も。

性能面では“2レンズオートフォーカスシステム”により、被写体との距離に応じてレンズを自動で選択してくれるので、前面のアイコニックな赤いシャッターボタンを押すだけで誰でも撮影を楽しめます。また、センサー類やレンズ回りをアップデートしたことで、明るい屋外でもシャープで鮮明な撮影が可能。他にも本体底面に3脚穴と“セルフタイマー”機能と組み合わせることで集合写真などにも対応でき、“二重露光モード”を使えば他にはない唯一無二の写真に仕上がります。

鮮やかなカラーですが、ポラロイドのイメージである“レインボー”のラインがしっかりとあしらわれていて、往年の“ポラ”の雰囲気はしっかり残っていますよね。『ポラロイド』のフィルムフィルターをかけたような独特の色味、雰囲気に仕上がるので、なんとなく撮った風景でも一気におしゃれに仕上がります。書き込みしやすい少し大判のフィルムサイズだから皆で盛り上がるのにピッタリ!(編集部・手柴)
>>Polaroid
ここからは田中さんのコメントと合わせて、各カメラで実際に撮った写真を見ながらそれぞれの雰囲気を見てみましょう! ちなみにテーマは“相棒”。果たしてGoodsPress Web編集部員はどんな相棒を撮ってきたのか。
▼「写ルンです」の作例
まずは編集部・円道の撮ってきた「写ルンです」の写真を見てみましょう。
▲桜とパンダの遊具は…相棒…なのか?
円道:週末に早朝ウォーキングしているんですが、そのウォーキングの相棒です。特にいつも履いているシューズにフォーカスしようと撮ってみたんですが、暗いかなと思ってフラッシュを焚いたら、ちょっとよく分からない写真になっちゃって…(笑)

田中さん:いや、すごく良いと思います。「写ルンです」特有の雰囲気がよく出ていますし、シューズの周りの地面の様子や余白感、謎のポーズも含めて作例として良さそうな気がします。何より、“相棒”というテーマにピッタリだと思います
▼「“チェキ” instax mini 41」の作例
続いて、「“チェキ” instax mini 41」を使ってヤマケンはどんな相棒を撮ったのか?
ヤマケン:私の作例はコレです!

ヤマケン:GoodsPress Web編集部として? やっぱり日々ともに仕事をしているこのメンバーが私にとっての相棒、みたいな? 俺達みんなでGoodsPress Webでしょ!卍 みたいな?
▲直前に撮った。ズルって言うな!
田中さん:まぁ〜…、パフォーマンスを含めての“ズルさ”は感じつつも、でも、この“チェキ”の良いところを使っている写真ですよね。“チェキ”だからこそ撮れる写真というか、ならではの楽しさを的確に表現した写真なので、ややズルいですけど、素敵な写真に仕上がっていると思います
▼「PENTAX 17」の作例
若澤が使用したのは「PENTAX 17」。令和のフィルムカメラ、しかもハーフカメラ。アイディアや表現力が試されそうな逸品ですが、果たしてどんな作例に仕上がったでしょうか。

若澤:横浜の元町で色々と撮影してきました。この辺って、坂が多かったり、海の景色が撮れたり、素敵なカフェがあったり…。写真映えがする場所がすごく多いんですよ。昔から、家族で祝い事などがあれば必ず元町に出かけて過ごしてきた街で、かなり思い入れがあるんですよね。テーマは“相棒”ですが、モノに限った話じゃないと思うので、言うなれば心の相棒を撮ってきました!

田中さん:…相棒かどうかは一旦置いておいて、この1枚はかなり素敵ですね。現像時のミスで現像中に感光してしまったのかもしれませんが、この偶然性もフィルムカメラならではですからね。写真の右側の空の青さと、写真左側の感光の赤がいい具合に対比になっていて雰囲気が出ています。
▼「Polaroid Now Generation 3」の作例
最後は手柴が使った「Polaroid Now Generation 3」。ファッションやカルチャー、美術に詳しい編集部員が撮る“相棒”とは?

手柴:あの〜…。「あ、やっちゃった」と思ってたんですが、テーマのことはすっかり忘れてしまっていて、“屋内”、“屋外”、“接写”の3パターンで撮ってきちゃいました。1番左の写真は、ウチの編集長の澤村なので相棒と言えば相棒…。1番右は接写ができるのか試してみたら、寄り過ぎてうまくピントが合わなかったって感じです。

田中さん:テーマは考えないことにして。この葉っぱの写真、好きですね。フィルムカメラを使ったアーティストがこういう写真を撮っていたりするんですが、この寄り感や構図、ピントが合わないという点も込みで、アート作品のような雰囲気があります。あとはこの「ポラロイド」フィルムの出す独特の色味っていうのも、その後押しをしているような気がします。これはこれで素敵な1枚ですね
* * *

無駄にできないからこそ、しっかり考えて撮る。
現像するまでどう撮れているか分からないからこそ、仕上がりにワクワクする。
デジタルを中心とした世界だからこそ、現物として残る嬉しさが感じる。
スマホの普及と進化で、パシャリと撮った写真を即SNSにアップするのが当たり前になりました。ただ、むしろそういう世の中だからこそ、このアナログなフィルムカメラの楽しさ、良さが際立つのかもしれません。
<取材/GoodsPress Web編集部 文/山口健壱(GoodsPress Web) 撮影協力/田中利幸>

山口健壱|キャンプ・アウトドアと動画担当。2年半ほどキャンプ場をぐるぐる回って、回り回ってGoodsPress Web編集部所属。“キャンプの何でも屋”としてキャンプを中心にライティング、動画製作、イベントMCなどを行う。2026年の目標が富士登山になったので、慌てて運動を始めました。
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/720366/
- Source:GoodsPress Web
- Author:GoodsPress Web
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