今チェックすべき“アウトドアシューズ”のキーワード「グラベル」「ゼロドロップ」とは

【“いまどき”アウトドアシューズ解体新書】

街でもよく見かけるようになったアウトドアシューズですが、ひと口に”アウトドアシューズ”と言っても、実は用途別に細分化されています。登山靴(トレッキングシューズ)、ハイキングシューズ、トレイルランニングシューズなど、目的に合わせたモデルを選ぶのが一般的なのですが、近年は広くさまざまなシーンで使えるモデルや、特殊な構造が注目を集めるモデルも登場しています。

そんな中からGoodsPress Webが注目したのが「グラベル」と「ゼロドロップ」というふたつのキーワード。これらは、そもそもどういうシューズなのか、そして代表するシューズにはどのようなものがあるのでしょうか。

 

■近所はキレイな道ばかりじゃないから「グラベル」で

スポーツ自転車にグラベルバイク(グラベルロード)というジャンルがあります。見た目はドロップハンドルが付いたロードバイクなのですが、太く凹凸の付いたタイヤを履き、舗装路から砂利道などの不整地まで走れるようにした自転車になります。

このグラベルバイクの考え方をシューズに持ってきたのがグラベルシューズです。

ベースはあくまでロードランニングシューズ。ただし接地するアウトソールにラグ(凹凸)を付けて滑りづらくすることで、アスファルトの路面から不整地や濡れた路面まで安心して走れるようになっています。

河川敷をランニング中、舗装されていない場所がある。公園内を走っていて、途中で土の部分がある。雨上がりの濡れた道路を走っている時、マンホールで滑って転びかけた。そんな人にとっては、ロードランニングシューズよりも安心感があると言ってもいいのかもしれません。

では各ブランドのグラベルモデルを見ていきましょう。

 

1. サロモン「AERO GLIDE 4 GRVL」(1万8700円)

クッション性の高いロードランニングモデル「AERO GLIDE 4」をベースモデルとしているグラベルロードシューズです。

アメアスポーツジャパン サロモンマーケティングの鰐渕 航さんは「走る人なら誰でもOK。履き手を選ばないシューズだと思います」と話します。

「ずっと山を走るんだったらトレイルランニングシューズを履いたほうがいいわけです。そういう視点で見ると、これはオールラウンドランニングって言ってもいいのかなと。例えば低山を登りたいとなったらこれでも行けるし、登れなくはない。ちょっとしたオフロードも全然行けるので。そういった『この靴だったら行けないな』みたいなものを取り払って、視野を広げることができるシューズだと思います」

サロモンが“グラベル”というカテゴリーを設定して約2年が経ちます。アウトドアブランドですが、近年はロードランニングシューズにも注力しており、だからこそ生まれたカテゴリーであるのではないでしょうか。

もちろんサロモンらしさも備えています。

「(引っ張るだけで全体を締められる)クイックレースをロードランニングでも使えるシューズに初めて採用したという点にも注目していただければ」

いかにもなテック系ではなくパイソンっぽいナチュラルなカラーリングと豊富なカラバリ(メンズ6色、ウイメンズ7色)で、普段履きも十分アリです。

>> Salomon

アメアスポーツジャパン
PR Marketing Specialist SALOMON Department
鰐渕 航さん

 

 

 

2. キーン「ローム」(2万3100円)

つま先側が大きく広がったシルエットが特徴の「ROAM(ローム)」。これにより、多くの人が快適だと感じられる履き心地を実現した一足です。

キーン・ジャパンの中込敦志さんは「人や場所といった特定のターゲット設定はありません。1%のエリートではなく、99%のランナーのことを考えて開発されています」と話します。

「トレイルランという専門的なスポーツにこだわらず、ロードでもトレイルでもシームレスに楽しめるモデルになっています。そしてスピードレベルにもこだわらず、99%のランナーが“快適さ”を感じられるモデルです」

アウトソールに付けられた3mmのラグは耐久性が高く、さまざまな路面をしっかりグリップ。ミッドソールも、クッション性の高さだけでなく長距離もこなす耐久性を備えています。

「グラベルは“Road to Trail”と表現されることが多いと思いますが、『ROAM』は“Door to Trail”。パフォーマンスシューズの機能を、玄関をでた一歩目から体感できる。だから普段履きもアリですよ!」

独自のオリジナルフットプリントで人間本来の足型にフィットし、指先を自由に使えるような自然な履き心地は、初めて履いた瞬間から違和感なく快適に走りだせる。その快適さは走る時だけなんてもったいない。

>> KEEN

キーン・ジャパン
Performance Category MD
中込敦志さん

 

 

 

3. マウント・トゥ・コースト「H1」(2万7500円)

2024年にアメリカで設立されたMount To Coast。その名の通り、山から海岸まであらゆる地形を駆け抜ける長距離ランナー向けのパフォーマンスフットウエアブランドです。4月23日より日本での本格展開が始まったのですが、日本展開最初のラインナップのひとつがこの「H1」です。

日本の代理店であるストライドの西尾洋佑さんは「H1」の特性を「ロードとトレイルの両方に対応できる汎用性の高さが魅力のハイブリッドモデルです。クッション性と反発性のバランスが取れており、変化する地形にも対応し、幅広いスピードレンジで高いパフォーマンスを維持できます」と話します

100%再生可能な原料を使った超臨界発泡ミッドソール、前足部と中足部それぞれでフィット感を変えられるシューレース、通気性に優れたメッシュに耐摩耗性に優れたアラミド繊維を混紡した素材を加えたアッパーなど、超長距離を走るウルトラランナーを想定したパフォーマンスと耐久性を兼ね備えた一足になっています。

ここまで聞くと、ガチランナー向けのシューズだと思ってしまいますが、西尾さんによると「使われているサークルセルミッドソールは履き心地もソフトなので、日常遣いにも適しています。また、前足部はクイックシューレースなので、夕方以降の足のむくみにもクイックに対応できますよ」と普段履きもアリとのこと。

すっきりしたシンプルなデザイン、2色あるカラーはどちらも全体のトーンを合わせたものなので、たしかにどんなスタイルにも似合う日常使いしやすいシューズになっていますよ。

>> Mount To Coast

ストライド
PR
西尾洋佑さん

 

 

4. メレル「プロモーフ」(2万900円)

“街から山まで、さまざまなフィールドで万能に対応する高機能マルチアウトドアランニングシューズ”という開発コンセプトで誕生した「ProMorph(プロモーフ)」。メレルにはロードランニングシューズはないのですが、トレランシューズをロードランニングに寄せたモデルと言えるそうです。

丸紅コンシューマーリンク メレル事業部の丹下雄介さんは「“オールインワン”で活躍するシューズであり、走る=舗装路と決めつけるのではなく、トレイル(不整地や自然環境)も含めてあらゆる場所で“走るのは楽しいことだ”と伝えられるモデルであると考えています」と話します。

「旅行や出張の荷物の中に忍ばせておくことで、現地で走る範囲を狭めることなく一足で対応できる優れモノとしてオススメです」

メレルにはハイキングシューズ「MOAB(モアブ)」や、トレランシューズ「AGILITY PEAK(アジリティーピーク)」、それらの中間にあたるマルチアウトドアシューズ「MOAB SPEED(モアブ スピード)」がありますが、「プロモーフ」はそのどれにも属しないモデルです。

そんな“マルチ”なモデルに、高い反発性とクッション性、安定性のある超臨界発泡フォームやヴィブラム社の新スタンダードグリップを採用するなど、一見中途半端に見えるポジションのモデルに最新技術を惜しみなく投入することで、「アウトドアカルチャーの変革や定着、裾の拡大を目指す」(丹下さん)という、実はかなり野心的なシューズなんです。

とはいえ、他のモデルと同様に黒のワントーンも用意されていてスニーカーライクに使えるため、街での普段履きにもオススメですよ。

>> MERRELL

丸紅コンシューマーリンク
メレル事業部
フィールドマーケティング担当
丹下雄介さん

 

 

 

■自然な姿勢で立つことを促す「ゼロドロップ」

この1~2年、シューズ界隈で話題となっているのが“ゼロドロップシューズ”。一般的に靴は、つま先の高さとかかとの高さが異なるのですが(かかとの方が高い)、そもそも裸足で地面に立った場合、つま先とかかとは同じ高さになりますよね。そんな裸足に近い自然な姿勢で立てる状態をシューズでも作り出しているのがゼロドロップシューズになります。

体が本来持っている自然なバランスを保つことで、走ったり歩いたりする際の体への負担を減らし、結果的に正しい走り方や歩き方が身につきやすいというメリットがあるといいます。

実はこのゼロドロップという構造、以前は“ベアフット”という薄いソールで裸足感覚で履けるシューズとして知られていました。もちろん今もベアフットシューズは存在していますが、最近のゼロドロップは必ずしも薄底ではなく、スニーカーのようなソールを持ったモデルも発売されています。

メリットがあるなら履いてみようかなと思ったかもしれませんが、普通のシューズからいきなりゼロドロップシューズにすると、違和感を覚えてうまく歩けない可能性も。気になる人は必ず試し履きしたうえで、違和感が大きければ、まずはつま先とかかとの高低差(ドロップ差)が少ないモデルから始めてみるといいかもしれませんよ。

 

1. アルトラ「TIMP 6」(2万5850円)

かかとから着地するヒールストライクで膝や腰へ掛かる負担を軽減するためにゼロドロップシューズを生み出すことから始まったアメリカ・ユタ州発のランニングシューズブランド、ALTRA(アルトラ)。現在はロードランニングからトレイルランニングそしてハイキングまで、幅広いジャンルのシューズを手掛けています。

中でもこの「TIMP 6」は、トレイルカテゴリーで最もオールラウンドなモデルになります。ストライドの西尾さんによると「トレイルシューズとして求められる全ての要素をバランスよく兼ね備えた、ALTRAの中でも定番のモデルになります」とのこと。

「柔軟性とほどよい接地感の『LONE PEAK(ローンピーク)』、クッション性と安定感に優れた『OLYMPUS(オリンパス)』、このふたつの中間に位置しており、しっかりとしたクッション性と反発性がありつつ、柔軟性や軽量性にも優れており、両モデルのいいとこ取りをしたようなモデルです」

アウトソールにはアウトドアシューズでは定評のあるヴィブラム メガグリップを採用し、さらにALTRA全モデルに共通の特徴であるゆとりをもたせた前足部の“トゥボックス”、そして通気性が良くと足当たりがやさしいアッパーなど、快適さとパフォーマンスの高さを兼ね備えたスペックになっています。

「最近はALTRAを普段履きとして着用される方が増えている印象です。ゼロドロップで自然な姿勢が得られやすいというのもそうですが、単純に足形の広い“トゥボックス”が履いていてストレスがないというのも大きいと感じています。デザイン的な主張も強すぎず、元々オールテレーン(全地形)的な設計思想があるシリーズなので普段履きには非常にオススメです」

>> ALTRA

ストライド
PR
西尾洋佑さん

 

 

 

2. トポアスレチック「コネクト」(2万900円)

2013年、アメリカ・マサチューセッツ州で創業したランニングシューズブランド、Topo Athletic(トポアスレチック)。創業者がランニングによるケガに悩まされたことから、足の自然な動きを妨げない設計を追求したシューズを展開しています。ラインナップは豊富で、ロードランニングシューズからトレイルランニングシューズ、ハイキングシューズまでそろっており、その中にはベアフットやゼロドロップ、低ドロップモデルも含まれます。

そしてこの「CONNECT(コネクト)」は、ゼロドロップかつミッドソールがなく足から地面までが10.5mmというベアフットに近い構造になっています。

日本でTopo Athleticを展開する正規代理店のアルコでPRを務める百合草 雄之介さんは、その特徴を「ウォーキング、普段使い、ランニングなど、さまざまな地形に対応できる、ミニマルで汎用性の高いシューズをお探しのユーザー向けに設計されています」と話します。

「軽いトレイルや舗装路など、あらゆる路面状況に対応し、ミニマルなプラットフォームは、足が地面と自然に連動する柔軟な履き心地を実現します。エンジニアードメッシュのアッパーは、独自のTopoフィット感を提供しながらも、軽量で通気性に優れた快適な履き心地を維持してくれますよ」

Topo Athleticの中でも最もミニマルなデザインですが、深さ2mmのラグが刻まれたヴィブラムソールや、インソールを外しても快適に履けるよう中底にカバーが付く(インソールなしの場合は底面まで5.5mm)など、独自かつ独特な設計が目を引きます。

「最も自然な足裏感覚を実現しています」と百合草さんが話すように、ゼロドロップではありますがベアフットともいえる個性的な一足です。

>> Topo Athletic

アルコ
Sales Div.リーダー 兼 PR
百合草 雄之介さん

 

 

 

 

>> 【“いまどき”アウトドアシューズ解体新書】

<文/円道秀和(GoodsPress Web)>

 

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