カセットテープ型スピーカーに、あの頃の思い出をぜんぶ掘り起こされた気持ちになった

<GoodsPress Web編集部員が買ってみた!使ってみた!>

カセットテープというものに、どれくらいリアルな思い出があるだろうか。

僕はギリギリ触れていた世代で、小学生のときに父のラジカセを勝手に持ち出し、『エキセントリック少年ボウイのテーマ』を流しながらその辺の道を走るというのが田中兄妹(双子)との間で空前のブームになった。田舎なので公園というものがなく、走る場所はその辺の道だ。なにがそんなに面白かったのかは今になっては分からないけど、確かそのブームは1週間で終わった。

録音ボタンを押すタイミングが遅れ過ぎて、今日も地球が平和な理由がエキセントリック少年ボウイのおかげかなのかどうか最後まで分からなかったし、友達に貸したらサビの部分にはお父さんにバチギレされてる田中(兄)の声が上書きされていたし、最終的には田中(妹)がセーラーマーキュリーになるまでの様子で全て上書きされた。エキセントリック少年ボウイがセーラーマーキュリー(自称)に上書きされたことにうちの母は割と本気で怒っていたし、僕は僕で「さすがに小学3年生でマーキュリーになるのはどうなの?」と思ったけどクラスのみんなには内緒にした。それでも最高に楽しかったのだ。

そんな思い出を持つ僕が、雑貨ブランドOpt!(オプト)の「Cassette Speaker OPT 90」(3960円)を見て反応しないわけがないのだ。

■カセットテープそのものの見た目、でもスピーカー

▲電源ON/OFF時にはカセットテープを再生する時やラジカセから取り出す時のようなSEが設定されており、謎のこだわりを感じる

誕生日を迎える友人へのギフトを探していて見つけたのだが、届いてちょっと触ってみたらなんか良くて、気づいたら自分でも買っていた。あげる前に触るなよな。

本当にカセットテープだ。いや、雰囲気を寄せているけど本物の足元には及ばない微妙さはあるし、個人的には艶無しの紙っぽい印刷紙だったらよかったのにとは思う。ただ、SIDE AとSIDE Bの表記やアルバム名や曲名を書き込むためのINDEXまで再現されているところは良い。両親がよくマクセルのカセットテープ(クリア)を買っていたような覚えがあるのだが、あのシールにせっせと曲名を書き込んでいたような気がしてきた。

▲Bluetooth接続待機時には青いライトが点滅する

ところで、幼少期に病気がちだった僕は、病院に向かう母の運転するクルマの中でもよくカセットテープで音楽を聴いていた。乗っていたのはSUZUKI(スズキ)のアルトで冬になると座席が凍りつくような寒さだったが、平日、しかも日中にも関わらず母と居られることに心を暖かくしていたかもしれない。

そんな真冬のドライブには必ずマッキーが流れていた。“元カノにもらっためざまし時計を使い続けていたら今カノが怒って出て行っちゃった”みたいなフレーズを軽快なメロディーとともに歌い上げるマッキー。「マッキー、なんでそんなことしちゃったの…?」と子どもながらに思っていたことを、なぜか今でもはっきり覚えている。もう少しちゃんとしたカセットテープにまつわる思い出はないの? 閑話休題。

■スマホのスピーカーで十分な時代に、コレを使う必然性はない

 

▲スピーカーはA面の向かって右側に1基。もちろん低音などは感じられない薄いサウンドだ。だがそれがいい。

正直に言うと、必然性はないと思っている。今日び、スマホのスピーカーはかなり優秀でよっぽどのこだわりがなければ何かに繋がずとも十分だ。一方、このスピーカーの音質はトイスピーカーの類。音質を重視したいならそのままスマホで聴いたほうが随分良い。ただ、この音質が妙に悪くないのだ。昔ラジカセで親に内緒で夜ふかししながら聴いたラジオのこもった響きが戻ってくるような、そんなノスタルジーを感じさせてくれる。あ、セーラーマーキュリー(田中)は結構です。

最近は夜にシティポップやらインディーポップを流しながら過ごすのにハマっていて、作業の邪魔をしない音量感がちょうどいい。スペックの高くなさが、結果的にいい方向に転んでいる印象だ。

ちなみに、かなり古い規格ではあるものの接続はBluetooth 3.2で、スマートフォンやPC、タブレットとペアリング。またスマホ側で操作するので正直あまり使っていないが、本体に音量の上げ下げやトラックのスキップ機能も搭載。充電はUSB-Cで意外とちゃんと“スピーカー”している。microSDにも対応しているからオリジナルテープもとい、オリジナルmicroSDを作って好きな人にプレゼントしたって良いし、しなくたって良い。僕はしないし語呂は悪い。

■3960円で、あの頃のノスタルジーが戻ってくるとしたら

ギフトとしても、インテリアとしても、3960円という価格帯は使いやすい。カセットテープと一緒に育った世代には刺さるだろうし、知らない世代にはレトロなかわいさがあるだろう。あるよね? ないかな。流行ってるんだよね、レトロ…?

当時から20年どころか30年近く経ち、僕も37歳。先日、聴いているプレイリストが大昔の元カノの作ったものだとなんとなく妻が知ってからここ数日なんとなく気まずい。僕の内なるマッキーよ。どうしようもない僕のところには、天使はまだ降りてこないらしい。…あ、部屋の掃除で怒ってるだけ? あぁ、そうですか…。

>> Sinsere-inc

<取材・文/山口健壱(GoodsPress Web)>

山口健壱|キャンプ・アウトドアと動画担当。2年半ほどキャンプ場をぐるぐる回って、回り回ってGoodsPress Web編集部所属。“キャンプの何でも屋”としてキャンプを中心にライティング、動画製作、イベントMCなどを行う。2026年の目標が富士登山になったので、慌てて運動を始めました。

 

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