
スマホをひったくる犯人の標的が、iPhoneからAndroidへ移りつつある。そんな指摘が、ロンドン警視庁トップの発言をきっかけに海外で注目を集めています。背景にあるのは、iPhoneの盗難対策が転売市場を成り立ちにくくしているという見方です。なぜ盗まれたiPhoneは売れない端末になったのか。仕組みから、日本のユーザーが今できる備えまでを整理します。
盗んだiPhoneが「ただの文鎮」になりつつある
海外メディアの報道によると、ロンドン警視庁トップのマーク・ローリー警視総監は、最近盗まれたiPhoneの大多数が初期化されないままになっていると明かしました。犯人が欲しいのはスマホ自体ではなく、転売で得られる利益です。ロックを解除して初期化できなければ、売り物になりません。肝心の初期化そのものが、もう成立しなくなっているのです。
被害の規模は、もともと深刻でした。ロンドンでは1年間で約80,000台ものスマホが盗まれたとされます。状況に変化が表れ、2026年5月までの1年間で、ロンドン全体の携帯電話の盗難・強盗は18%減りました。被害が大きかったウェストミンスター地区に限れば、年初からの減少率は45.8%に達します。もっとも、この減少をすべてiPhone対策の効果と見なすことはできませんが、潮目が変わりつつあるのは確かでしょう。
カギを握る「盗難デバイスの保護」
転売を阻む中心的な役割を担うのが、iOS26.4(2026年3月)からデフォルトで有効になった「盗難デバイスの保護」です。iOS26.4での盗難対策強化が予告されたときから注目を集めてきた機能でもあります。この機能をオンにしておくと、紛失モードの解除や端末の消去といった重要な操作のたびに、iPhoneが顔や指紋による認証を求めます。操作によっては時間差のロックもかかり、持ち主が「探す」で紛失登録を済ませる猶予が生まれます。
見逃せないのは、たとえパスコードを盗み見られても、顔や指紋がなければ初期化できない点です。さらにアクティベーションロックも残るため、他人が新しいAppleアカウントで使い始めることもできません。
iPhoneでは、画面やバッテリーといった主要部品を本体と紐づけて管理する仕組みもあり、奪った部品を売りさばくのも難しくなっていると言われています。あわせてAppleとロンドン警視庁は、端末ごとの識別番号(IMEI)を共有する連携でも合意しました。盗難品の再有効化や海外への持ち出し、部品取りの追跡につなげる狙いがあるとみられます。
標的はAndroidへ移りつつある?
興味深いのは、犯罪者側の動きそのものが変わり始めている点です。かつてiPhoneを奪ってAndroidを投げ捨てていた窃盗団が、今はその逆を選ぶようになったと報じられています。ローリー氏も、内務大臣への書簡で他のメーカーに同様の対策を促す一方、SamsungやGoogleもすでに改善を進めていると認めているといいます。
ただし、これはあくまで現地の捜査当局による見立てがベースです。Android側でも、奪われた瞬間を検知して自動でロックする機能などの導入が進んでおり、力関係は今後変わっていくかもしれません。
日本のユーザーが今できること
ここまでは海外の話ですが、日本のユーザーにとっても無縁ではありません。日本でも、電車内の置き引きや旅行先でのひったくりは決して珍しくないからです。スマホを失えば、銀行やSNS、写真といった「生活そのもの」を他人に握られる可能性があります。
まだ確認していない方は、設定を見直しておくと安心です。「設定」アプリの「Face IDとパスコード」を開き、「盗難デバイスの保護」と「探す」がどちらもオンになっているか確かめておきましょう。中古でiPhoneを売買するときも、出品前のサインアウトや、購入時にアクティベーションロックが残っていないかの確認を忘れないでください。
盗まれても「ただの文鎮」にしておくこと、それが、盗難そのものを減らす一番の近道なのかもしれません。

Photo:Apple
- Original:https://iphone-mania.jp/apple-602892/
- Source:iPhone Mania
- Author:Yutel_06
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