オフロードに強いうえ、価格も魅力!スズキ「ジムニー ノマド」改良新型に試乗して分かった本格クロカンの実力

スズキが「ジムニー ノマド」の仕様を変更。2026年7月1日に発売しました。しかも増産体制。入手しやすくなったというのもニュースです。

ジムニー ノマド(以下・ノマド)は、全長4.3mとコンパクトな車体を持ちますが、内容は本格派のクロスカントリー型4WD。

オフロードに強いうえ、機能美を感じさせるボディデザインと、200万円台という比較的買いやすい価格で、高い人気を保っています。

ところが、といいますか、2025年1月に発売されたときは、あまりの注文数の多さに、わずか4日間で注文を締め切り。

依頼、スズキはこつこつと生産と納車を続けてきましたが、26年1月に改良版を発表。

衝突被害軽減ブレーキに車線逸脱抑制機能を追加した「デュアルセンサーブレーキサポートⅡ」を標準装備。自動ブレーキの作動対象をモーターサイクルや二輪車まで拡大しています。

カラー化されたマルチインフォメーションディスプレイと、AT車にのアダプティブクルーズコントロールには全車速追従機能が用意されます。

車体色は7色。うち、「グラナイトグレーメタリック」が新たに設定されています。後方カメラ付ディスプレイオーディオ(スズキコネクト対応通信機)もオプションで搭載できます。

自動ブレーキの作動対象をモーターサイクルや二輪車まで拡大。加えて、車線逸脱抑制機能と、フロントにパーキングセンサーを追加(AT車)。

ノマドの成り立ちをざっとおさらいしておきましょう。

2ドアのシエラのホイールベースを延ばし、後席の居住性を上げたモデルです。快適性が重要なテーマで、後席の居心地の良さは、プレミアムSUVなみです。

▲ホイールベースがシエラより340mm延長され後席空間は拡大し、後席シートはリクライニングも可能

後席はヘッドルームもレッグルームも余裕があって、かつ着座位置を前席より高く設定。そのため、前席シートのヘッドレストの上から前方の景色が眺められるのも美点です。

▲高さ850mm、幅1015mmと広い開口部に加え荷室は4名乗車で奥行き590mm、後席シートを倒せば1240mmが確保される

 

■オフロード性能はやはりジムニー

▲モーグルのような路面でいっぽうの脚が圧縮されると片側が伸びるように接地性を確保するのが固定式サスペンションの利点

快適さを追求といっても、基本のオフロード性能はしっかり守っています。

頑強さがうりもののラダーフレームに、前後リジッドのサスペンション。

車体が傾いたときに設置している車輪に車重がのり、駆動トルクがしっかりかかるのが、リジッド(固定式)サスペンションの利点であるところに注目しています。

駆動系は、1.5リッターエンジンに、パートタイム4WDシステムの組合せ。レバー操作の副変速機により、一般道では後輪駆動で、悪路ではヨンクで、と使い分け可能です。

悪路では、片輪が浮いたり滑ったりすることもあるため、もう片輪へはトルクが伝わるよう、電子制御のリミテッドスリップディファレンシャルギア搭載。

今回、スズキがオフロードコースに特設した、大きなモーグルのコース(スキーのモーグル競技を思い浮かべて)を走りました。

途中で車輪が浮きます。そうすると、アクセルペダルを踏んでも接地輪も空転。しかし1500rpmぐらいのエンジン回転を保ったままでいると、しばらくして接地輪にトルクがかかりはじめます。

するとググーッと、強い力でもって、車体は前へと進み始めるのです。ゲーム感覚でもありますが、オフロードでは命を守ってくれる大事な機構なのです。

▲ペダル操作なしで急勾配の坂を下るとき効果を発揮するのが「昼デザインとコントロール」

一方、先に触れたとおり、オンロードでも、期待以上に気持ち良く走ってくれます。

パワーもあって、加速性はいいし、なによりエンジンノイズ、路面からの擦過音、風切り音といったものが、ほとんど気にならないのにはびっくりです。

「遮音に気をつかっているのと、ノイズの周波数コントロールがうまくいった結果です」。スズキのエンジニアはそう説明してくれます。

直進安定性もやはり期待以上。悪路においてサスペンションの動きの自由度を上げるために、リアにはスタビライザーを付けない構造ですが、舗装路面でも意外なほどしゃきっと走ります。

▲オプションでリアビューカメラ付ディスプレイオーディオ(スズキコネクト対応)が用意される

今回は、オフロードではクラッチ操作で戸惑わないようAT車で、オンロードではMT車に乗りました。

▲マニュアル変速機のシフターの根元の短いレバーが「2H・4H・4L」とマニュアルで切り替えられる副変速機用

どっちを買うべきか……。好みでとしか言えませんが、先述の運転支援装備など利便性を求めるなら、AT車でしょうか。

でもMT車は5段のうちトップギアが直結。ぜんたいにローギアードなので、エンジントルクをしっかり使って走れて、なかなか痛快です。迷いますねー。

specifications
Suzuki Jimny Nomade
全長×全幅×全高:3890×1645×1725mm
ホイールベース:2590mm
最低地上高:210mm
車重:1210kg(1200kg)
エンジン:1460cc 4気筒
駆動:パートタイム4輪駆動
最高出力:74kW@6000rpm
最大トルク:130Nm@4000Nm
変速機:4段オートマチック(5段マニュアル)+副変速機
乗車定員:4名
燃費:13.6(14.9)km@l(WLTC)
価格:292万6000円
(カッコ内はマニュアル車・価格は同一)

<写真と文/小川フミオ>

オガワ・フミオ|自動車雑誌、グルメ誌、ライフスタイル誌の編集長を歴任。現在フリーランスのジャーナリストとして、自動車を中心にさまざまな分野の事柄について、幅広いメディアで執筆中

 

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