旬顔筆頭の2種、どちらを選ぶ? 落ち着いた雰囲気の“クラシック”か、武骨さ溢れる“ラグスポ”か

腕時計の見た目を大きく左右するフェイスデザイン。特に大人であれば装いやTPOに寄り添った“面構え”を携える必要があるのではないでしょうか。と、同時に時計選びにおいて見た目はやはり重要なファクターとなるものです。いざ新調するとなれば、今のトレンドデザインを押さえておくに越したことはありません。そこで今回は今旬のフェイスデザイン2種類に絞って魅力を読み解いていきます。

■今、狙うべきはこのふたつ。大人が相棒に選ぶべき、“クラシック”顔と“ラグスポ”デザイン10本

現在、トレンドの面構えとして筆頭と言えるデザインが“クラシック”と“ラグスポ”です。クラシックはその名の通り、古き良き意匠を継承しているモノ。腕時計が誕生して200年余りが経ちますが、その歴史や伝統を感じられる佇まいは年齢を重ねた大人との相性は蜜月です。

一方、ラグスポはラグジュアリースポーツの略語でステンレスをはじめとした高級感のある素材感とドレッシーなデザインに、スポーツウォッチ由来の機能性や実用性を兼ね備えたモノ。スタイリッシュながらもどこか武骨な印象を持ち合わせた魅力を放ちます。

■腕元に上品さと知的さを呼び込む、クラシックな腕時計たち

アンティークやヴィンテージから着想を得たクラシック顔は古き良き時計の良さを実感できます。その繊細なディテールの数々は腕元に品を与え、インテリジェンスな雰囲気を漂わせてくれるだけに自身を格上げするにももってこい。ここでは伝統的なデザインを取り入れた注目の5本をご紹介します。

1. 約200年という長い歴史が紡ぐ絵画のような美しさ

LONGINES
「ロンジン マスターコレクション クロノ モノプッシャー」(56万2100円)

その成り立ちは1832年。およそ200年にも及ぶ歴史を持つスイスの老舗、ロンジン。その伝統とクラフトマンシップを象徴するコレクションである「ロンジン マスターコレクション」から登場した新作ウォッチは、同ブランドらしいタイムレスなエレガンスさが大きな魅力。内部機構には毎時28800振動、約68時間のパワーリザーブを誇る高品質の手巻き機械式ムーブメントを搭載したクロノグラフを採用。精巧なモノ作りを実感できる一品です。

そして、時計の魅力を一段と引き上げているフェイスデザインは淡いブルーを基調としたカラーリングに“バーリーコーン”と呼ばれる大麦が並んでいるような細やかなパターンを採用しています。そこへリーフ針や繊細なインデックスなど伝統的な意匠を加えることでクラシックなムードを加速。過度ではない落ち着きのある華やかさと上品な佇まいを併せ持つ、大人のための1本に仕上がっています。

[SPEC]
ケース径41mm、3気圧防水、ステンレススチールケース、アリゲーターレザーストラップ、機械式(手巻き)、スクラッチレジスタント サファイアクリスタル風防、シースルーバック

>> ロンジン

2. 男ゴコロをくすぐる、チラりと覗くメカニカルな構造

HAMILTON
「ジャズマスター オープン ハート オート 40MM」(17万6000円)

時計の本場であるスイスの技術力とアメリカの自由な発想が融合するハミルトン。多くの銀幕スターやアーティストが身に着けてきたことからもその人気が窺えます。実は歴史が130年を越える由緒正しきブランドで、今回紹介する「ジャズマスター」は代表作のひとつに数えられる名作。クラシックという言葉がよく似合う、古き良きフェイスデザインに機械式ムーブメント、そして味わい深いレザーベルトの組み合わせが大人の嗜好に刺さります。

本作を象徴するデザインであるオープンハートは内部機構が垣間見られる伝統的な意匠で、ムーブメントの刻むリズムを堪能できるだけでなく機構そのものをデザインのひとつとして表現した、計算されたアートワークです。ダイヤルはシンプルなデザインを施し、サンレイ仕上げの文字盤や無駄を省いた針とインデックスにすることでオープンハートの美しさを一層引き立てています。

[SPEC]
ケース径40mm、5気圧防水、ステンレススチールケース、カーフレザーベルト、機械式(自動巻き)、サファイアクリスタル風防、シースルーバック

>> ハミルトン

3. ブランドを象徴するキャッチーなレトロデザイン

ORIS
「BIG CROWN POINTER DATE BULLSEYE」(36万8500円)

スイスにあるヘルシュタインという小さな村で1904年に創業したオリス。その象徴的なモデルのひとつとして挙げられるのが1938年に発表された「ビッグクラウン ポインターデイト」です。大型のリューズに大きめのアラビアンインデックス、そしてユニークなポインターデイト機能を備えた時計は時代を超えて愛されてきました。そして、今年この「ブルズアイ」が約30年ぶりにリバイバル。クラシックがトレンドとなっている潮流も相まって、まさに今注目したい逸品です。

射撃やダーツの的の中心のようなことから「ブルズアイ」と呼ばれるデザインは、オリスでは1910年代から導入されていたアイコン的な意匠。この特徴的でありながらレトロな雰囲気を漂わせる見た目に、38mmという小ぶりなケースやドーム型の風防も加わることでよりクラシカルな印象へ。シンプルな見た目の多いクラシック顔の中で、ほかと一線を画す個性を放つ1本です。

[SPEC]
ケース径38mm、5気圧防水、ステンレススチールケース、鹿革ストラップ、機械式(自動巻き)、ドーム型サファイアガラス風防、シースルーバック

>> オリス

4. スイスの名家による計算し尽くされた造形美

BAUME&MERCIER
「Classima 10857」(19万8000円)

ボーム&メルシエは腕時計創世記の1830年に誕生。誠実で丁寧なモノ作りと繊細な造形美が魅力の老舗スイスウォッチメーカーです。今回紹介するのは、そんなブランドの礎と高い技術力が感じられる「クラシマ」シリーズの新作で、現代的な解釈により名の通りクラシックを表現した1本。懐古的でありながらもどこかモダンさも感じられるスタイリッシュな美しさは、腕元から気品を醸し出し、大人相応の華やかさを与えてくれます。

ポリッシュ仕上げを施した40mm径のPVD 4N ステンレススチール製ケースに、グランドルジュ彫りとサンバースト仕上げを施したサテンシルバーのダイヤルをオン。そこへケース同様の4Nゴールドを使用したインデックス&リーフ針を加えることで、無駄のないシンプルな中に奥行きのある品性を感じさせます。また、今作はクォーツ式を採用しており、高い精度での時刻確認を気軽に行える点も日常的に使ううえで大きな魅力となっています。

[SPEC]
ケース径40mm、5気圧防水、ステンレススチールケース、レザーストラップ、クォーツ

>> ボーム&メルシエ

5. ファッション使いにも最適な高コスパのクラシック

TIMEX
「マーリンOG」(4万1800円)

1910年代に初めて腕時計型の軍用時計を開発したタイメックス。そのためミリタリーウォッチの印象が強いブランドですが、1950年代半ばにはシンプルなドレスウォッチも発表しています。それがこちらの「マーリン」です。当時では珍しく“防水・防塵・耐衝撃性”を謳ったモデルで大きな人気を獲得。約60年の歳月を経て、現代へと復刻を果たしました。当時を思わせるレトロな外観と手巻きの機械式ムーブメント、それでいて手に取りやすい価格となっているためセカンドウォッチとしてもおすすめのファッションウォッチです。

スマートな見た目の小型&薄型ケースにぷっくりとしたドーム型風防という、まさにクラシックの王道なデザイン。当時は金属にメッキを施したケースでしたが復刻ではより堅牢製の高いステンレススチールを採用し、リザード型押しのカーフレザーストラップによりドレス感を強調。ダイヤルはアンティーク調のカラーリングを施し、インデックスもレトロなムードが漂います。クラシックウォッチの導入にもうってつけな1本と言えるでしょう。

[SPEC]
ケース径34mm、3気圧防水、ステンレススチールケース、レザーストラップ、機械式(手巻き)、ドーム型アクリル風防

>> タイメックス

■力強さと高級感、そして遊び心が共存するラグスポウォッチ

ラグスポデザインが放つオーラは、スポーティなエッセンスに加えて男性的でエネルギッシュな印象。そのため、活発なライフスタイルを送る人に寄り添ってくれる存在となりうる時計です。また、素材やディテールが優雅な雰囲気も漂わせるため、ビジネスシーンでも有用。そんな幅広いニーズに応える5本をセレクトしました。

6. 大人の色気を放つ上品で優雅なカラーリング

KING SEIKO
「SDKV001」(39万6000円)

1961年に誕生し、60年代の国産機械式腕時計を牽引したキングセイコー。2022年に復活を遂げ、セイコーが誇るハイエンドメカニカルウォッチブランドとしてその地位を確立しています。今回セレクトしたのはスポーティなデザインと鮮やかなカラーリングが特徴の「VANAC」シリーズの新作。ムーブメントには動力ゼンマイをスペックアップすることで約72時間のパワーリザーブを達成し、長い持続時間と安定した精度を両立したキャリバー8L45を採用しています。

気品の漂うパープルカラーをダイヤルに採用し、東京の水平線をイメージしたストライプの型打ちパターンを加えることで唯一無二の存在感を放つこちら。そこへゴールドを部分的にあしらうことで華やかな印象をオン。削り出しのような力強いステンレススチールケースも相まって、高級感とスポーティさを併せ持つ仕上がりとなっています。カラーダイヤルでありながらも主張しすぎない絶妙なバランスはビジネスシーンでも着用しやすく、それでいて個性も感じられる1本です。

[SPEC]
ケース径41mm、日常生活用強化防水(10気圧)、ステンレススチールケース&ブレス、機械式(自動巻き)、ボックス型サファイアガラス風防、シースルーバック

>> キングセイコー

7. ドレッシーな佇まいの高性能ダイバーズウォッチ

RADO
「CAPTAIN COOK AUTOMATIC」(39万6000円)

1917年に創業したスイスの名匠、ラドー。スイスらしい緻密な内部構造に独自性のある革新的な外観を提供し続けることから“マスター・オブ・マテリアル(=マテリアルの名匠)”として世界中で知られるウォッチメーカーです。代表作のひとつ「CAPTAIN COOK」は自動巻きムーブメントR763を搭載し、耐磁製の高いひげゼンマイを用いることで長時間かつ高精度の時間計測を実現しました。そのうえで30気圧という高い防水性を持ち合わせた技術力の詰まった一作です。

ブラックからターコイズへとグラデーションする美しいダイヤルにはダイバーズウォッチらしい視認性の高い針とインデックスデザインを採用。この組み合わせが上品かつ力強い印象へと導きます。さらに、ポリッシュとブラッシュ仕上げを組み合わせた7連のライスグレインブレスレットにすることでエレガントな雰囲気をプラス。まさにラグジュアリーとスポーツを兼ね備えた“ラグスポ”を体現したウォッチと言えるでしょう。

[SPEC]
ケース径39mm、30気圧(300m)防水、ステンレススチールケース&ブレス、機械式(自動巻き)、ボックス型サファイアクリスタル風防

>> ラドー

8. 海を感じさせるようなタフさと爽やかさを腕元に

CITIZEN Series8
「NB6060-07A」(18万7000円)

シチズンが100年以上にわたり磨き続けてきた機械式腕時計を現代のライフスタイルに合わせてアップデートし、モダンさと実用性を兼ね備えたブランドとして打ち出したシリーズエイト。その中から今回ピックアップしたのは武骨かつスタイリッシュなオクタゴンベゼルに、ウレタンベルトを組み合わせたスポーティな表情が際立つ20気圧防水モデルです。ホワイトとブルーの爽やかなカラーリングがマリンスタイルを想起させます。

2時位置にはインナーベゼル操作用のリュウズを配置。ダイバーズ由来のディテールにより、機能性だけでなく見た目や操作感までもスポーティなイメージに。センターケースの両サイドにはガードパーツを組み合わせ、全体を5体構造で仕上げたエッジ感の強いケースデザインがタフさを強調し、ヘアラインとミラーの複雑な磨き分けによりエレガントな質感を表現。海を思わせるディテールと機能性が男らしさを引き立ててくれるに違いありません。

[SPEC]
ケースサイズ42.6mm、20気圧防水、ステンレススチールケース、ウレタンベルト、機械式(自動巻き)、サファイアガラス風防(クラリティ・コーティング)、シースルーバック

>> シチズン シリーズエイト

9. タフネスの象徴が放つ堅牢&高精度パイロットウォッチ

G-SHOCK
「MATER OF G-AIR GRAVITYMASTER GWR-B3000-1AJF」(11万円)

タフなスポーティ感を味わいたいならG-SHOCKは外せないブランドのひとつ。なかでも今回紹介する「GRAVITYMASTER」は過酷な空の環境やパイロットの任務を支えるために開発された「MASTER OF G」シリーズのコンセプトモデルです。今作はムーブメントがTOUGH MVT.2へと進化し、自動での時刻修正や針位置の自動補正機能に加え時刻精度に影響を及ぼす外乱を検知する機能、そして専用アプリによる時刻情報やフライトログの取得といった多彩な機能を備えた超本格的なパイロットウォッチとして君臨します。

この時計の核となるのは最適化同時解析(トポロジー)を駆使して開発されたデュアル中空構造。衝撃力・遠心力・振動に耐えるトリプルGレジストが最適化され、各要素が相互に作用する統合的なタフネス構造を実現しています。また、外装のガードが中心ケースを包み込み4点のビスで支持する浮遊構造が立体感と造形美を両立。正面からだけでなくサイドから見た際の武骨さまでもとことんこだわり抜いた逸品です。

[SPEC]
ケースサイズ47.3×56.7mm、20気圧防水、カーボンファイバー強化樹脂&ステンレススチールケース、ソフトウレタンバンド、ソーラー、内面反射防止コーティングサファイアガラス風防

>> G-SHOCK「MATER OF G-AIR GRAVITYMASTER」

10. 機械式の魅力を存分に味わうフルスケルトン

D1 MILANO
「スケルトン リスタイリング オートマチック シルバー」(13万7500円)

2013年にイタリアで生まれたD1 MILANOは世界中のアスリートやアーティストから支持されているワールドワイドなウォッチブランド。1970年代のイタリアが持つ美的感覚にインスパイアを受けたデザインを現代風に落とし込み、唯一無二の存在感を放つラインナップが並びます。今作もブランドを象徴するモデルの1本で、ムーブメントの躍動感が手に取るように視認できる、メカニック好きにはたまらない仕上がりとなっています。

削り出したようなエッジを利かせたステンレススチールケースがスポーティさとゴージャスさを兼備。ブレスレットはケースから繋がるような一体感があるため、美しい造形美が感じられます。加えて象徴的なダイヤル部は3層に重ねたレイヤーデザインを採用しており、奥行きを感じるスケルトン構造が高級感を引き出します。デザインによる存在感は特大ながら、繊細な作りを施しているためプロダクトとしての完成度にも納得するはずです。

[SPEC]
ケースサイズ41.5mm、5気圧防水、ステンレススチールケース&ブレス、機械式(自動巻き)、サファイアガラス風防、シースルーバック

>> D1 MILANO

>> 【特集】個性を放つ1本がここに。腕時計は“語る”

<構成/手柴太一(GoodsPress Web) 取材・文/小林大甫 写真/坂下丈洋>

 

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