MacやiPad、年末も供給制約〜Appleがメモリ不足を認める

Appleは現地時間11月2日の決算説明会で、MacとiPadの供給制約が2026年末まで続く見通しを明らかにしました。主な原因はメモリ不足です。7〜9月期には先端半導体の製造能力が供給を制限していましたが、その問題が緩和される一方、メモリ不足が新たな制約となっています。メモリ価格の高騰も続いており、Appleの利益率にも影響が広がっています。

Mac・iPadの供給制約は年末商戦も続く見通し

Appleのサビ・カーン最高執行責任者(COO)は、2026年度第4四半期決算の説明会で、MacとiPadの供給制約が10〜12月期も続くとの見通しを示しました。

カーンCOOによると、MacとiPadの需要がAppleの予想を上回っており、メモリの供給が主な制約になっているとのことです。

2026年7〜9月期には、Macの売上高は前年同期比24%増加した一方、iPadは10%減少しました。AppleはiPadの減収について、供給制約に加え、前年に発売したA16搭載iPadの販売実績との比較が影響したと説明しています。

なお、Appleが供給制約について具体的に言及したのは2026年10〜12月期までで、2027年以降も供給不足が続くかどうかは明らかにしていません。

また、供給制約があるからといって、すべてのMac・iPadで配送が遅れるとは限りません。

Appleは10月、新たにM6搭載14インチMacBook Pro、PROLED XDRディスプレイ搭載MacBook Pro、A20 Pro搭載iPad miniを発表しました。いずれも11月6日に発売されます。

最新Mac・iPad miniの配送予定

本稿執筆時点(2026年11月3日午前)における、日本のAppleオンラインストアで確認した新製品の配送予定は以下のとおりです。

製品・構成配送予定
M6 MacBook Pro 14インチ(標準構成)11月6日
PROLED XDR MacBook Pro 14インチ(標準構成)2〜3週間
PROLED XDR MacBook Pro 16インチ(標準構成)2〜3週間
iPad mini 128GB11月6日
iPad mini 256GB7〜10営業日
iPad mini 512GB2〜3週間

先端SoCからメモリへ、供給制約の原因が変化

カーンCOOによると、7〜9月期のiPhone、Mac、iPadの供給制約は、主にSoC(システム・オン・チップ)を製造する先端半導体プロセスの生産能力が原因でした。

Appleによると、製品の2nmプロセスへの移行が進み、先端半導体の供給制約は緩和されつつあります。

その一方、10〜12月期にはメモリ不足がMac・iPadの供給を制限する見通しです。

つまり、Appleが直面している問題は、先端チップの製造能力から、メモリの調達へと移りつつあることになります。

年末商戦を控えて新製品が登場する中、供給制約はAppleの販売機会損失につながる可能性もあります。

メモリ価格は「前例のない状況」、利益率にも影響

供給数量だけでなく、メモリ価格の上昇もAppleにとって大きな問題となっています。

ジョン・ターナス最高経営責任者(CEO)は、現在のメモリ価格について「前例のない状況」と説明しました。

Appleは6月末にMacやiPadなどの価格を改定しています。ターナスCEOによると、これらの値上げや、以前に確保したメモリ在庫、ほかの部品のコスト低下によって、メモリ価格上昇の影響を一部抑えてきました。

しかし、10〜12月期にはさらにメモリの調達コストが上昇し、その後も価格上昇が続くと予想しています。

Appleが示した売上総利益率の見通しにも、その影響が表れています。

期間売上総利益率
2026年7〜9月期(実績)47.9%
2026年10〜12月期(予想)45〜46%

ケバン・パレク最高財務責任者(CFO)は、10〜12月期に見込む利益率低下の大部分が、メモリコストの上昇によるものだと説明しました。

なお、7〜9月期の利益率には関税還付による約1ポイントの押し上げ効果が含まれ、また、10〜12月期の利益率には、Siri AIのクラウド運用コストなども影響する見通しです。

Appleのメモリ調達力にも変化、今後の価格は?

AIデータセンター向けの需要拡大によってAppleのメモリ調達における価格交渉力が弱まっていると報じられています。

主要サプライヤーのSK hynixは、メモリの需要が供給を上回る状態が2030年まで続くと予測しています。

これまではサプライヤー側の見通しや市場調査を中心とした情報でしたが、今回の決算説明会では、Apple自身がメモリ不足による製品供給と利益への影響を具体的に説明しました。

すでにAppleは製品価格を引き上げていますが、現時点で追加値上げは発表していません。

Appleはメモリの調達コストが10〜12月期以降も上昇すると予想しています。供給不足がいつまで続くかは明らかになっておらず、今後の製品価格への影響も気になるところです。

Source: Apple, AppleInsider (1), (2), Six Colors
Photo: Apple (1), (2)


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