自称「グローバル・スタートアップ・ジェネレーター」で、アーリーステージ・ベンチャーキャピタル企業であるAntlerは5000万ドル(約54億円)の追加資金をアムステルダム、ロンドン、ニューヨーク、ストックホルム、シドニー、ナイロビ、シンガポールの各地で調達した。
注目すべき新たな投資家には、Facebookの共同ファウンダー、Eduardo Saverin(エドゥアルド・サベリン)氏と妻のElaine Saverin(エレイン・サベリン)氏、投資家で慈善家のChristen Sveeas(クリステン・スベアス)氏(Kistefos経由)、Canica Internationalおよび革新的な日本の金融サービス会社、クレディセゾンらがいる。
2018年に、Magnus Grimeland(マグナス・グライムランド)氏(Zaloraを共同設立、その後Global Fashion Groupに売却)がシンガポールで設立したAntler は、複数の地域で企業設立支援プログラムを運営している。ロンドン拠点の人材育成会社でプレチーム、プレアイデアと呼ばれる人材投資モデルの先駆者でもあるEntrepreneur First(EF)と似ていないこともない。
EFと同様に、Antlerは参加者が同社のさまざまなプログラムを通じて共同ファウンダーを見つけ、新しいスタートアップのアイデアを確立することを目的としている。最初の2カ月間、参加者の基本的生活費を支援し、プレシード資金を出資する。成功した企業には後期ステージの資金提供も行う。この資金を得るために、Antlerはそれぞれの地域でファンドを設立している。
「Antlerでは、業界や専門性によらず、明確な特長と意欲と気概のある傑出した人材を求めている」とグライムランド氏は語る。「多様性にも力を入れており、優れた技術者、商品開発者、運営者などを融合させることも目的にしている。これまでの出身者には、Spotify、iZettle、Grab、Lazadaといったすばらしいテクノロジー企業の設立に関わったり、過去にスタートアップを売却したことがある驚くほど有能な人々もいる」
AntlerのファウンダーでCEOのグライムランド氏は投資方針について、同社が注目するのは広い範囲のテクノロジーであり「ディープなテクノロジーだけではない」と語った。これは、フィンテック(金融)、プロップテック(不動産)、ロボテック、D2Cブランドなど多くの分野での同社の投資に見て取れる。「我々のプログラムでは、出資先企業がヒット製品を作り、デモデーを待たずに実績を上げて欲しいと考えている」と同氏は説明した。
AntlerはEFのクローンと考えてよいか(グライムランド氏が以前Rocket Internetに深く関わっていたことを踏まえると下衆な質問だった)と聞かれた氏は強く「ノー」と答えた。「個人が企業を立ち上げたりスケールアップするのを助けるビジネスモデルには、胸躍らせるものがいくらでもあり、それぞれが異なり、独自の観点を持っている。我々は、Antlerでユニークなことを行っている」
2018年の設立以来、Antlerは120を超える企業に投資しており、その中には著名なVCから追加資金を調達した会社がいくつもある。例えば、AriraloとCogniceptはSequioaに、SampinganはGolden Gate Venturesから、それぞれ資金調達している。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/01/07/2020-01-06-antler/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Steve O'Hear
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