Googleの機械学習を用いた短期気象予報モデル! スポット予測を高精度に

近年、気象予報の精度は大幅に向上しているものの、まだ欠点がないわけではない。例えば、アメリカ海洋大気庁(NOAA)が収集する膨大なデータをはじめ、さまざまなタイプのデータをスーパーコンピューターで処理するため、予測精度の向上が予測時間とトレードオフになっている感がある。

1週間先の予報を知るのにはこれでよいかもしれないが、短期的な予報には適していない。

こうしたことからGoogleのチームは、レーダーデータのみから短期的かつ局所的な気象を予測するシステムを開発した。同システムはわずか5~10分で、1km解像度の予報を生成できる。

・今後0~6時間の予測を瞬時に生成

Googleの開発したシステムは機械学習を利用している。衛星画像は地球全域で取得できるが、雲の量と雨量に相関がないため利用はむつかしい。そこで、入力には過去0~6時間のレーダーデータを画像に落とし込んだものを採用した。

畳み込みニューラルネットワーク(CNN)のU-Netを使用し気象パターンの認識をトレーニング。入力データから今後0~6時間の予測を行う。

ネットワークのトレーニングには、2017~2019年までの観測データが用いられた。データは4週間単位で分割され、最初の3週間がトレーニング、4週目は評価に使用した。

・既存の3つのモデルよりも高精度

チームは、今回開発したシステムの1時間降水量予測の精度を、一般的に使用されている3つのモデルと比較している。NOAAによる「HRRR(高解像度高速更新)」および、雨域画像を追跡して推移を予測するオプティカルフロー検出によるモデル、現在雨が降っているのと同じ割合で雨が降ると仮定する持続予想モデルがそれだ。

結果としては、Googleによるモデルの精度は3つすべてを上回っていた。ただし、予測期間が5~6時間の範囲ではHRRRに軍配が上がったようだ。

今回開発のシステムとHRRRを組み合わせることで予測精度は向上し、局所的な豪雨などにも対応できるようになりそうだ。

参照元:Using Machine Learning to “Nowcast” Precipitation in High Resolution/ Google AI Blog


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