株式会社グッドパッチ運営のデザイナー特化型キャリア支援サービス「ReDesigner(リデザイナー)」は、IT・通信業界、マスコミ、金融業界などの企業約100社に「企業のデザイン投資トレンド」や「デザイナーの働き方」に関するアンケートを実施し、回答をまとめた「デザインデータブック」を公開した。
デザイン投資の重要性
同調査によると、デザイン投資に対して「ブランド/サービスメッセージが浸透した」「クリエイティブ内製化によりマーケ効果が向上した」などポジティブな変化を実感している企業は57%に上る。
また、向こう1年でデザイナー人材を増員し、デザイン組織を拡大したい企業は58%という結果に。さらに、今後社内のデザイン組織への投資を2~5倍以上に増やす予定と回答した企業は50%、5倍以上に増やすと回答した企業は4%であり、デザイン組織への投資拡大を図る企業は半数以上ということが判明。
将来的にCDO(Chief Design Officer)、CCO(Chief Creative Officer)、CXO(Chief Experience Officer)などのデザイン最高責任者を迎え入れたいと考える企業は54%という結果を得た。今後、デザイナー採用人事やデザイン組織拡大は活発になると予想され、組織を率いるデザイン最高責任者の有無が、デザイン組織構築の鍵を握ると考えられているようだ。
デザイン投資の今後
同社は、「デザインの力を証明する」というミッションのもと、デザイナー向けキャリア支援サービスを展開し、このたびデジタルデザイン業界の発展に貢献することを目的に「デザインデータブック」を公開した。
近年、SBI証券や三菱UFJ信託銀行などこれまでデザイナーを採用してこなかった企業でデザイン組織が新設されている。デザイン組織を持つ企業のなかで、従業員数10名以下のスタートアップであっても複数のデザイナーが所属するケースも増えているようだ。
また、従来、デザイナーはデザイン制作や開発にのみ携わってきたが、戦略や要件定義の段階から関わるデザイナーが増加傾向にあり、デザイナーの領域が拡大しているという。今後はデザイナーの採用の細分化が予測され、UIデザイナー、UXデザイナー、サービスデザイナーなど職種ごとにニーズが異なる可能性もある。
さらに、社内のデザイン組織への投資額に関する調査では、1億円以上の投資をしている企業が一定数確認された。また「理想的なデザインエグゼクティブに払える年収は? 」という質問に対して7割近くが年収1,000万円以上を支払えると回答したという。
このようなデザイン投資の加速には、2018年5月に経済産業省・特許庁が「デザイン経営」宣言の推進を提言したことも影響しているという見方もあるようだ。同宣言は、デザイン経営の効果はブランド力とイノベーション力を向上させ、ひいては企業競争力の向上へとつながっていくという前提で、競争力強化に向けた課題の整理と対応策を検討した内容をまとめた報告書である。
- Original:https://techable.jp/archives/116615
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口
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