外国語がわからなくても、音声から翻訳してくれる翻訳機。ここ2年ほどで、かなりたくさんの製品が登場してきました。海外旅行だけでなく、訪日外国人とのやりとりにも便利な翻訳機の選び方、製品を紹介します。
専用の翻訳機って必要ですか?
翻訳機について語られる際、「ドラえもん」の「ほんやくコンニャク」が出てくることが多いですが、外国語を自由に聞き取ってしゃべりたい、は人類、少なくとも多くの日本人の夢なので、数ある秘密道具の中でも、とくに記憶に残っているのではないでしょうか。
ドラえもんも、映画では海外や宇宙へと活躍の舞台が広がり、ほんやくコンニャクの活用頻度が増していきます。本来、日本に住んでいる限り、日本語だけで生活できるはずですが、インバウンドで海外からのお客さんの接客をしたり、会社でTOEICの点数を求められたりする世の中です。今後は英語だけでなく、中国語も求められそうですが、“しゃべれないなら翻訳機を持って当然”な世の中になるのかもしれません。
とはいえ、スマホの Google 翻訳アプリなら無料で使えます。わざわざ専用の翻訳機を買うことはないと思われる方もいるでしょう。確かに、親しい友人などとの間で使うなら、翻訳アプリで十分。しかし、特に海外で見ず知らずの人たちとコミュニケーション取るのなら、個人情報の塊であるスマホを相手に触らせる、手渡すことはリスクです。相手に悪意がなくとも、受け渡しの時に落下させてスマホを壊してしまう危険もありますし。
専用の翻訳機であれば、スマホのように個人情報が入っておらず、仮に落としたとしてもスマホに比べれば壊れにくい。また、操作がシンプルなので初めて触る相手にも使いやすいメリットがあります。
また、スマホと翻訳機を別にすることで、お互いの電池の持ちを長引かせられます。海外ではスマホの電池って命綱的なところがありますから、なるべく分散させたいです。さらに海外でスマートフォンを紛失してしまうと、語学に不安のある人は詰んだ状態になります。手元に翻訳機があれば、助けを呼ぶことも可能でしょう。リスク管理の意味でも、翻訳機をスマホと別に持つ意味があるのです。
翻訳機選びのポイント
では、数ある翻訳機からどう選ぶか。最低限ここはチェックすべきポイントに絞って解説します。
①対応言語数
当たり前ですが、訳してもらいたい言語に対応していなければ意味がありません。最近は70以上の言語に対応した製品が増えています。ちなみに Google の翻訳アプリは43言語の会話翻訳に対応(テキスト翻訳は103言語)。Google 翻訳が対応していない言語で使いたいなら専用の翻訳機を利用する価値は大きいでしょう。
反面、あまりにマイナーな言語に対応していても、ほとんどの人は使わないでしょう。たとえばスワヒリ語がマイナーかメジャーかは置いておいて、アフリカの市場で買い物する時ならスワヒリ語の翻訳は役立ちます。ですが、ビジネスシーンならアフリカの人も英語を話せるでしょうから、英語を介してコミュニケーションしたほうが合理的かもしれません。というのも、翻訳機の傾向として、英語がもっとも文脈に沿った正確な翻訳になりがちだからです。やはり、メジャーな言語は強い。このあたりは使い分けですね。
②ディスプレイ
翻訳機には、ディスプレイのあるタイプとないタイプがあります。認識した音声や翻訳結果を表示する機種は、内容を確認しやすく、相手に見せることで理解してもらいやすい。また、過去に翻訳した結果を呼び出してスピーカーから流すなど、ディスプレイ搭載タイプの方が様々な機能が使えます。
ただ、画面で文字の確認が必要なのは、まだ翻訳機の性能が進化の途上だから。ネイティブ並みに正確に聞き取ってしゃべるレベルになれば、ディスプレイは要らなくなるでしょうね。
③通信機能
翻訳機にはインターネットに接続するタイプと、オフラインで完結するタイプの2種類があります。一般的には、オンラインタイプの方が認識や翻訳の精度が高く、オフラインタイプは翻訳速度が早い傾向にあります。インターネットへの接続が制限されている飛行機の機内でも使えるのもオフラインタイプのメリットですね。
そして、オンラインタイプは、Wi-Fiのみの機種と、スマホのようにSIMも内蔵する機種に分かれます。SIM内蔵なら、モバイルルーターなどのネット環境が不要で、その国に入ってすぐに活用が可能です。また、オンラインタイプの中には、いくつかの言語でオフライン翻訳に対応した機種があります。
④カメラ翻訳
飲食店のメニューや町の看板など、カメラで撮影するだけでそこに書かれた文字を翻訳する「カメラ翻訳」搭載のモデルも増えてきました。認識の精度は音声入力ほど高くはなく、長文の翻訳にも適していませんが、テキストでの入力すらできない言語でも訳してくれるのは便利です。今後この機能が進化していけば、内蔵カメラが写し撮った文字を、 AR のように見えるメガネも実現するでしょうね。
ネイティブのように見るだけで外国語がわかる。これは、ほんやくコンニャクを超える機能です。では、以下おすすめの翻訳機をご紹介しましょう。
小さくても全部入り!
ソースネクスト
ポケトークS
実勢価格:3万2780円(グローバル通信2年付き)/2万7280円(グローバル通信なし)
累計出荷台数60万台を突破した「ポケトーク」シリーズの最新モデル。サイズは名刺大、SIM付きのモデルが選べ、カメラ翻訳にも対応した。空港やホテル、レストランといった海外でのシーンで使われガチな会話を学習するレッスン機能も備える。
●スペック
本体サイズ:W53.8×D11.5×H91.6mm本体重量:約75g
ディスプレイ:2.8インチ(640×480ドット)
通信機能:Wi-Fi/通信SIM
連続待受時間:約60時間
連続翻訳時間:約270分
対応言語:74言語
https://pocketalk.jp/
SIM内蔵で77言語対応
DCT
ドリームトーク DCT-2020
実勢価格:2万1780円
SIMカード付属で、通信料や契約等は一切不要。77の言語を65の地域で、いつでも翻訳することができる。使用期間と使用可能容量は2年/1GB。タッチディスプレイでの操作はもちろん、カメラ翻訳、録音翻訳の機能も備える。
●スペック
本体サイズ:W121×D51×H13.95mm
本体重量:約100g
ディスプレイ:3インチ(360×640ドット)
通信機能:Wi-Fi/通信SIM
連続待受時間:約150時間
連続翻訳時間:約8時間
対応言語:77言語
https://beseto.co.jp/product-html/dreamtalk.php
長期の出張・旅行でも安心
ROOMMATE
音声翻訳機 UNITE RM-73SK
実勢価格:1万9500円
1500mAhと大容量のリチウムイオンバッテリーを搭載し、待ち受け約196時間、連続翻訳約5時間と長く、電池切れの心配がなく使える。
●スペック
本体サイズ:W56×D12×H135mm
本体重量:約110g
ディスプレイ:2.4インチ(240×320ドット)
通信機能:Wi-Fi
連続待受時間:約196時間
連続翻訳時間:約5時間
対応言語:54言語
https://roommate.life/products/rm-73sk/
英語と中国語はオフラインでも翻訳
富士通
arrows hello AT01
実勢価格:2万5000円
28言語の音声翻訳に加えて、カメラ翻訳機能を備える。Wi-Fiが繋がらない場所でも使用できるオフライン翻訳は、日本語を起点に日本語と英語間、日本語と中国語間に対応。3インチの大画面も見やすい。
●スペック
本体サイズ:約W50×D13×H118mm
本体重量:約101g
ディスプレイ:3.0インチ
通信機能:Wi-Fi
連続待受時間:約280時間
連続翻訳時間(オンライン/オフライン):約9.7時間/約6.3時間
対応言語:28言語(オフライン3言語)
https://www.fmworld.net/product/phone/arrows/hello/
一方方向ながら気軽に使える
ili
翻訳機ili(イリー)
実勢価格:1万2800円
ネット環境がなくても使用できるオフライン翻訳機。日本語から英語、中国語、韓国語への一方方向へと出力する(外国語から日本語への翻訳はしない)。シンプルな操作で、翻訳速度も速いため気軽に使用できる。接客用の「ili PRO」も店舗・企業向けに販売している。
●スペック
本体サイズ:W33×D13×H121.8mm
本体重量:42g
ディスプレイ:なし
通信機能:なし
通常使用時間:約3日間
対応言語:3言語(日本語から英語、中国語、韓国語)
https://iamili.com/ja/
見た目にはネイティブ同士の会話に?
Timekettle
WT2 Plus
実勢価格:2万7368円
音声をマイクが拾い、クラウド経由で翻訳されて相手の耳に直接届く、完全ワイヤレス、イヤホンタイプの翻訳機。見た目はまるでBluetoothのイヤホンで、両手を使わずに会話できるので、自然なコミュニケーションが可能だ。
●スペック
本体サイズ:W53×D28×H12mm(突起部除く)
本体重量:約10.1g
ディスプレイ:なし
通信機能:Bluetooth(スマホの通信機能を使用)
連続待受時間:約720時間
連続翻訳時間:約4.5時間
対応言語:40言語(アクセントを含むと93言語)
https://shop.focal.co.jp/product/wt2-plus/
- Original:https://www.digimonostation.jp/0000121379/
- Source:デジモノステーション
- Author:小口覺
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