“プチ野営スタイル”を実現できる最新フロアレステント5選【モノ賢者の買い物リスト】

【特集】モノ賢者の買い物リスト

ショッピングでもゲームでも、成功を収めるためにはコツやツボは必須。そこで進化や動きの激しい8つのカテゴリーをピックアップし、その道の7賢者にホントに良いモノを選ぶためのポイントを挙げてもらった。今回はフロアレステントだ。

キャンプ場を見渡すと、フロアのない軍幕やシェルター、そして あえてインナーテントを取り付けずに過ごす「フロアレステント」愛用者がちらほら。コットやシートに寝転ぶフロアレステントは武骨感が高いが、高感度なおしゃれキャンプやナチュラル系とも好相性。このムーブメントを受け、大手メーカーもガレージブランドも、こぞってフロアレステントを投入してきている。

 

賢者紹介
アウトドアプロデューサー 牛田浩一さん
ブランドPRやイベント運営など、多角的にアウトドア業界を盛り上げる。休日は登山やキャンプ、釣り、スノ ーボードなどアウトドア三昧のアウトドアの達人。近著に『キャンプの雑学大全2020実用版』(三才ブックス)

 

■フロアレステントは秘密基地っぽさが増す

シェルターにもなるテントは以前からあるが、昨今はあえてインナーを付けないフロアレス派がキャンプのひとつのトレンドとなっており、各社から積極的にフロアレスを楽しむテントやタープ、シェルターが登場。ブーム前夜といった様相となっている。

アウトドアプロデューサーの牛田浩一さんは「フロアレステントは寝袋に入るまで靴を脱ぎ履きする必要がありません。春夏はコットに寝転び、秋冬は小さなテントを入れるカンガルースタイルに。準備が簡単だし、汎用性の高さが人気の理由では」と分析する。

カフェ風の魅せるキャンプと、少ない荷物で過ごす野営志向に二極化しつつある現在、魅せる派はただでさえ道具が多く、準備も片付けも大変。設営が楽でレイアウトの自由度も高いフロアレスに向かうのは納得だ。流行のミリタリーテイストともマッチする。一方、野営派はフロアレスにすることで秘密基地っぽさが増す。キャンプスタイルを選ばないのも、フロアレス派増殖に拍車をかけそうだ。

「テント自体は大型化の傾向が続いていますが、日本は区画サイトが中心。今後、限られた区画サイトで困ることのないよう、幅や奥行きを抑えつつ室内空間を広くするアイデアを搭載したフロアレステントが注目されるのでは」

▼フロアレステントとは?

天井と壁に囲まれているけれど、床はなく地面がむき出しのテントで、靴の脱ぎ履きをすることなくテントを出入りできる。シェルターやウォールを取り付けただけのタープ、インナーを取り外したテントなどがある。

 

1. Y字ポールで窮屈感を大胆解消

ogawa
「ツインクレスタ」(7万4000円)

Y字ポールのおかげでヘッドクリアランスが広くなるとともに、側面が台形になっていて、居住性が大幅に向上しています(牛田さん)

よくあるストレートポールではなく、上端がふたつに分かれたY字ポールを採用することで天井付近の空間を拡張。パネルを途中まで巻き上げる、サイドのメッシュ窓など、気候に対応しやすい工夫も満載だ。 2~3人向き

▲省スペースなのに驚くほど広く感じるY字ポ ールを採用。パネルにサイドウォールが付き、雨・日差し対策も万全だ

 

2. アウトフレームで荷物が多い人も安心

テンマクデザイン
「サーカス720SS」(8万7780円)

サイドウォールを取り付けることで壁が垂直に。たったこれだけですが、デッドスペースがなくなり有効に使える空間がグッと増えています(牛田さん)

片面を張り出して全閉するため、壁際に背の高いラックを置ける。また内側からポールを突き立てるのではなく、クロスポールに幕を引っかけるので室内はスッキリ。モノの多い人もストレスなく利用できる。

▲後面パネルを地面まで下ろして風を遮断。跳ね上げもできるなど多彩なアレンジが可能

 

3. カマボコ型の横揺れを独自の設計で軽減

サバティカル
「ギリア」(4万3780円)

大型化が進むカマボコ型ですが、「ギリア」はほどよいサイズ感に仕上げています。2サイズのインナー付きでこの価格なのも特筆モノですね(牛田さん)

アウトフレーム構造のカマボコ型にブリッジフレームを追加したことで、簡単設営と横揺れの軽減を両立させている。通常のカマボコ型とは異なり半自立型なので、林間のフリーサイトなど設営位置の微調整もしやすい。

▲2人用インナーと5人用インナーが付属。シ ーンに合わせて選べるのがうれしい

 

4. タープ泊が快適になるオトクなセット

ユニフレーム
「REVOタープsolo ウォールセット カーキグリーン」(2万9800円)

男ゴコロをくすぐるカラーリングと基地のようなサイズ感、そして汎用性の高さが使い手を楽しませてくれます。ギア感満載ですよ(牛田さん)

非対称の独自デザインで知られる「REVOタープ」を1~2人用に小型化。専用のウォールを取り付けると自分だけのスペースに変身する。ポール、ペグ、ハンマーは別売で、小物で自分らしさを出せるツウ好みの仕様になっている。

▲天井のベンチレーターやひさし付きのメッシュ窓など、日本の気候を考慮しつつアレンジしやすい機能が満載だ

 

5. 低限の機能を磨いた男前シェルター

DDハンモック
「DD Aフレームテント マルチカム」(2万7500円)

電車やフェリーといった公共交通機関を使って行くキャンプなど、ミニマムスタイルのキャンパーにはピッタリなモデルです(牛田さん)

新緑から落葉まであらゆる季節の森林に溶け込む独自のマルチカモ柄を採用しており、釣り&キャンプで活躍するシェルター。934g(フレームは別売)の軽さも自慢だ。1~2人用。同社のメッシュテントと組み合わせてもいい。

▲前面だけでなくサイドにもファスナーが装着されており、環境に応じて出入り口を選べるようになっている

■フロアレステントを快適にしてくれる便利ギア5選

一般的なテントとは異なりフロアがないため、眠ったりくつろいだりするためには工夫が必要だ。武骨にすごすなら防水シートの上に寝転び、より心地よく過ごすならコットを選択。またインナーがないので、スカート付きであっても春先は寒い。大型シェルターの中に小型テントを入れる通称 “カンガルースタイル” で対応しよう。

1. 潔くフライを省いたワンタッチテント

DOD
「カンガルーテントS」(実勢価格:1万5500円前後)

数秒で設営できるワンタッチテント。シェルター内に入れるためのテントなので、フライは別売かつ結露しづらいコットン製という潔い設計に。コード取り入れ口を装備し、AC電源サイトでも重宝する

 

2. 小さいのに広くカンガルーにも◎

MSR
「エリクサー2」(3万8500円)

広さと耐風性の高さに定評のある魚座型フレームに、天井部にポールを追加して壁面がほぼ垂直。小さいのに圧倒的な居住性で、単独利用はもちろん、フライを取り外せばカンガルースタイルにも適している。

 

3. 定番モックでサイト内を楽々移動

メレル
「ジャングル モック」(1万3200円)

寝袋から出たらすぐ地面なので、簡単に脱ぎ履きできるモックがマスト。靴ひもなしでフィットするジャングルモックは日本人の足にも合う絶妙なサイズ感がうれしい。豊富なカラバリで選ぶ楽しみもある。

 

4. かなり軽量なのになんと耐荷重145kg!

ヘリノックス
「コットワン コンバーチブル」(3万9050円)

一般のコットは耐荷重80~100kgだが、このコットは耐荷重がなんと145kg。力を入れなくても楽に組み立てられるシステムや別売の脚を取り付けるとハイコットになるなど、機能性の高さも魅力だ。

 

5. よく使う小物は吊して室内を整頓

モトハシテープ
「タフフック」(1320円)

幅広テープの片側に小さな輪が連なっており、小さな輪ひとつの耐荷重が30kg。大型ランタンを吊せるほどタフなテープがあれば、道具の置き場が少ないテント内もスッキリ片付けられる。

>> 【特集】モノ賢者の買い物リスト

本記事の内容はGoodsPress3月号46-47ページに掲載されています

 

(取材・文/大森弘恵)


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