ストリーミングが過去最高を記録、2019年全音楽売上の80%を占める

ストリーミングサービスが音楽全体の売上に占める割合が過去最高を記録した。RIAAの年末レポートによると、2019年のストリーミングサービスの売上は前年比20%増の88億ドル(約9710億円)で、レコード音楽の売上全体の79.5%を占めた。

このレポートで言う「ストリーミング」には、広告付きサービスのVevoやYouTube、Spotifyの広告付きプラン、PandraやSiriusXMなどのストリーミングラジオサービス、そしてSpotify PremiumやApple Musicのような有料サブスクリプションなどさまざまなサービス形態が含まれている。

ストリーミングと言えば、アーティストや作曲者、レコード会社への支払い方法など、業界としてさまざまな課題を抱えているが、音楽業界全体の著しい成長を後押ししている。RIAAによると、米国の2019年のストリーミング市場は、2年前の米国のレコード音楽市場〈全体〉よりも大きいという。

さらに、2019年のレコード音楽売上は前年の98億ドルから111億ドル(小売り価格)へと13%増えた。これで4年連続して2桁成長を達成したことになり、これは有料サブスクリプションサービスの増加によるものだとRIAAは分析している。

サブスクリプションサービスの売上シエアは最大で、2019年の売上成長手も最大の割合を占め、総売上は前年比25%増の68億ドルだった。この数字には、Pandora Plusのような有料サブスクリプションサービスの「限定プラン」の売上8.29億ドルも含まれている。Amazon Prime Musicもこのカテゴリーに入っている。

こうした売上の伸びは、オンデマンド音楽にお金を払うユーザーが益々増えていることが理由のひとつだ。2019年の有料サブスクリプション数は6040万件で2018年の4690万件から29%も増えた。これは、各サービスが無料の広告付きプランユーザーの一部を有料サブスクリプションに切り替えさせることに成功している兆しといえる。

広告付きサービスも伸びており、2019年は前年比20%増の9.08億ドルで、5000億以上の局を1億人以上の米国リスナーにストリーミングした。広告付きサービスは広く利用されているものの、売上面では音楽売上全体のわずか8%しか占めていない。

一方、ラジオサービスの人気は下降気味で、2019年の売上は4%減の11.6億ドルだった。

ストリーミングサービスの伸びは、デジタルダウンロード売上も奪っている。2019年のダウンロード売上は2006年以来初めて10億ドルを割り、前年比18%減の8.56億ドルだった。アルバムのダウンロードは21%減の3.95億ドル、単独トラックの売上も15%減って4.15億ドルだった。

広告付きサービスと同じく、ダウンロードのシェアも昨年の全売上の8%に過ぎなかった。

CD、レコードなどの物理媒体の2019年売上は前年比微減(0.6%)の11.5億ドルだった。レコード盤は1988年以来最高の売上を記録し、5.04億ドルに達した。しかし、物理媒体製品が全音楽売上に占める割合はわずか4.5%だった。

画像クレジット:stockcam Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


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